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「公安調査局長・公安調査事務所長会議」における法務大臣訓示

2022年7月7日 更新


古川法務大臣訓示

 公安調査局長・公安調査事務所長会議の開催に当たり、法務大臣として一言申し述べます。
 我が国では、来年の「G7サミット」に加え、令和7年に「大阪・関西万博」の開催を控えています。
 局・所長の皆様には、国内外の関係機関と緊密に連携し、安全開催に向けた関連調査の推進をお願いします。
 その上で、特に力を入れていただきたい4点につき、申し上げます。

 第一に、経済安全保障についてです。
 米中対立等の国際情勢を背景に経済安全保障の重要性が高まり、我が国でも経済安全保障推進法が成立する中で、各種施策が整備されています。
 こうした情勢を踏まえ、企業や大学等との連携も深めつつ、経済安全保障に係る情報収集・分析を強化してまいります。その上で、機微な技術・データ等の流出の防止はもとより、外国資本が我が国の不動産や企業を取得する動向を早期に把握し、関係機関と協力して対応に当たるなど、関連施策の推進に貢献していただきたいと思います。

 第二に、サイバー空間の脅威についてです。
 サイバー空間における悪意ある活動は、深刻な脅威です。様々な主体が政治的、軍事的、経済的目的を達成するためのサイバー戦能力を強化している中、関連調査を鋭意推進していただきたいと思います。
 加えて、世界各地で偽情報の流布などによって、他国の政策に影響を及ぼそうとする工作への懸念が高まっており、これらについても動向把握に努めていただきたいと思います。

 第三に、我が国を取り巻く国際情勢についてです。
 北朝鮮がICBMの発射を強行し、ロシアによるウクライナ侵略や中国による海洋進出が続く中、周辺国等の諸動向を迅速かつ的確に把握することは、非常に重要です。
 また、国際テロは、今も世界各地で発生し、インターネット上には、過激な思想の拡散もみられ、厳重に警戒すべき状況にあります。
 こうした点を踏まえ、政府の情報ニーズに的確に対応していただきたいと思います。

 第四に、いわゆるオウム真理教についてです。
 いわゆるオウム真理教は、今なお、地下鉄サリン事件などの首謀者である麻原彰晃あさはらしょうこうこと松本智津夫まつもとちづおの影響下にあり、危険な体質を保持しています。
 また、団体規制法に基づく報告義務を十分に果たしていないことなどから、引き続き厳正に対処し、公共の安全の確保と国民の不安感の解消・緩和に努めるとともに、団体の活動実態等を明らかにしていただきたいと思います。

 最後に、公安調査庁の業務の大半は、日頃、世間からは見えづらい、というより見えてはいけないという性質のものです。しかし、公安調査庁のそうした業務の一つ一つ、陰の努力の一つ一つが国民の生命や財産などを守ってきました。今では、我が国のインテリジェンスの中枢を担う組織として着実に成長を続けています。これを支える職員一人一人は、その誇りと使命感を持って職務に精励していただきたいと思います。
 以上をもって、私の訓示といたします。

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