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経済安全保障関連調査及びサイバー関連調査の取組強化について

2022年3月8日 更新

 公安調査庁長官は、令和4年3月8日、経済安全保障特別調査室及びサイバー特別調査室の立ち上げ(令和4年4月1日予定)など、今後の情報収集・分析機能強化に向けた取組方針等について発表しました。

記者レクの様子(3月8日)

和田長官発言

 公安調査庁における経済安全保障関連調査及びサイバー関連調査の取組の現状と今後の取組方針について、私から説明いたします。本日午前の会見で大臣から御発言ありましたとおり、公安調査庁におけるこれら調査分野の情報収集・分析機能強化のため、令和4年度、経済安全保障特別調査室及びサイバー特別調査室を立ち上げることとなりました。
 まず、経済安全保障に関する取組についてでありますが、令和3年2月に設置した経済安全保障関連調査プロジェクト・チームを改組し、4月に経済安全保障特別調査室を立ち上げます。これは、公安調査庁における、技術流出の防止等に向けた経済インテリジェンスに係る情報収集・分析機能を一層強化するためであります。
 同特別調査室に、これまで調査第一部と調査第二部にまたがっていた経済安全保障関係の情報収集・分析機能を結集するほか、全国の各局・事務所においては、経済安全保障調査に携わる調査官を増強し、これまで以上に強力に調査を進めていきます。これにより、先端技術・データの流出懸念等に関する情報の収集・分析、関係機関への情報提供、産学官の連携・情報発信等の取組を一層強化してまいる所存です。
 こうした取組の一環として、我が国産業界やアカデミア向けのアウトリーチ活動についてもより積極的に行ってまいります。各国は、先端技術・データ・製品等の獲得に向けた動きを活発化させており、例えば、適正な活動を装って標的となる企業や大学等に接近し、目的を達成する事案が発生しています。技術・データ・製品等の意図しない流出を防ぐには、標的となり得る企業や大学等の側において、どのような技術等が、どのような手法で盗まれようとしているのかを知って頂くことが重要です。
 公安調査庁としましては、関係機関や各種業界団体等とも連携の上、重要技術や製品を取り扱う個別の企業や大学等を対象に、きめ細やかな意見交換や講演会を開催して、技術流出の防止に必要な知見等を提供していく予定でございます。
 また、経済安全保障に影響を与える活動は、その対象が広範囲にわたることから、更なる広範な啓発活動にも力を入れてまいります。公安調査庁では既に、ホームページやSNS等を活用した情報発信や経済安全保障に関する留意点等を要約したリーフレットの配布を行っているところですが、それに加えて、現在、都内5か所の街頭の大型ビジョンにおいて、関連動画を放映するなどしております。これらを通じて、経済安全保障の確保の重要性について、少しでも多くの方に理解が広まれば幸いです。
 次に、サイバー関連調査についてです。サイバー空間を介した攻撃等による機微技術・データ等の流出や重要インフラへの被害の発生等、現実的な脅威が日増しに増大していることから、こうした脅威に対応するため、同じく4月に、サイバー特別調査室を立ち上げることとなりました。
 当庁はこれまでもサイバー攻撃の脅威主体や予兆等に関する情報を関係機関に提供してまいりましたが、同室の下、本庁及び全国の各局・事務所が一体となって、当庁の強みである人的情報源を活用しつつ、サイバー攻撃の脅威主体や予兆等に関する情報収集・分析を強化するなどし、関係機関への一層の情報提供や情報発信に努める所存です。
 我が国に対するサイバー攻撃をめぐる情勢については、機微な情報の窃取を狙ったとみられるサイバー攻撃事案の発覚が相次いだほか、ウクライナ情勢を含む昨今の情勢から、サイバー攻撃のリスクは高まっています。こうした状況を踏まえつつ、これまで行ってきた企業や研究機関等との意見交換をより緊密に行うとともに、知見の共有等を行ってまいります。
 なお、サイバー攻撃による被害を防ぐための情報発信の取組の一環として、当庁では、一昨年から、国内外におけるサイバー攻撃の現状やその対策の一部等についてまとめた「サイバー空間における脅威の概況」というパンフレットを作成しております。今月中にも2022年版を発刊する予定です。こちらにも、最近のサイバー攻撃の傾向や脅威主体、推奨される対策の一部を掲載しております。是非、参考にしてください。

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