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経済安全保障シンポジウムにおける大林剛郎日本経済団体連合会外交委員長からの挨拶について(令和4年6月2日)

2022年6月10日 更新


大林剛郎日本経済団体連合会外交委員長からの挨拶要旨
 
 本日は多くの会員企業の皆様にご参加いただき誠にありがとうございます。経団連を代表して、一言ご挨拶申しあげます。
 現在の厳しい国際情勢の中では、経済と安全保障を切り離して考えることは最早不可能であり、経団連としても、経済安全保障は重要な課題だと考えております。
 先週の日米首脳会合でも、経済安全保障について議論が行われたと伺っています。その余韻が残る中で、本日、日米の政府だけでなく経済界も膝を交えて経済安全保障に関して問題意識を持ち寄り、情報共有を行うのは、非常に有意義だと存じます。
 折しもわが国では「経済安全保障推進法案」が先月成立しました。この法律は、わが国の経済安全保障の強化に資するものとして評価していますが、他にも並行して取り組まなければならない課題が山積しています。その一つが、本日ご議論いただきます、安全保障上も重要な先端技術の窃取を防ぐことです。
 わが国企業は、これまでも不正競争防止法などに基づき、技術やノウハウを営業秘密として管理することで、技術流出の防止に努めてきましたが、昨今は、国家が関与するサイバー攻撃をはじめ、技術の窃取手段が高度化しています。
 経済安全保障の一翼を担うべき経済界としては、一層リスク感覚を研ぎ澄ませ、積極的な対策を講じなければならない時代になったと感じています。一方、特に国家が関与する情報窃取に、一企業だけで立ち向かうのは困難であることも事実です。そこで、本日お越しいただいている日米両国の情報機関の方々をはじめとする政府の皆様と連携を深め、必要な情報なども共有していただければ幸いです。加えて、情報窃取などを行う者への取締りの強化にも、引き続き、取り組んでいただきたいと存じます。
 本日のシンポジウムで、日米両国政府には、技術流出をめぐる動向について紹介いただくとともに、主体的に対策を進められている企業から自社の取組みや問題意識を説明いただくことによって、官民一体で経済安全保障の確保に向けて取り組むモメンタムが高まることを祈念し、私からの挨拶といたします。
 

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