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内外情勢の回顧と展望(平成18年1月)

第4  平成17年における公安調査庁の取組と今後の課題



 1  国際調査
 朝鮮半島から東南アジアを経て中東へと至る,いわゆる“不安定の弧”を中心に国際情勢は,一層緊迫の度合いを深めている。公安調査庁では,我が国の治安を維持し,安全を確保するために,これら地域に関する情報 の収集・分析を推進するとともに,関係機関への提供に全庁を挙げて取り組んだ。
 国際テロ調査においては,平成16年12月の国際組織犯罪等・国際テロ対 策推進本部決定「テロの未然防止に関する行動計画」の実施・検討を進め,4月に本庁の調査第二部に国際調査企画官1人を新たに設置するとともに,現場における調査要員を大幅に増員し,国際テロ組織の動向に関する情報収集や国内における不穏動向調査に集中的に取り組んだほか,諸外国関係機関との連携強化にも努めた。
 さらに,北朝鮮・朝鮮総聯関係でも,現場における情報収集体制の強化を図り,北朝鮮の国内情勢,対外・対日政策,日本人拉致問題や不法活動,核兵器開発問題及びこれらに係る朝鮮総聯の各種活動,組織強化活動などに重点をおいて調査を実施した。
 中国関係では,中国の国内情勢のほか,対北朝鮮政策や対米政策を始めとする対外政策,歴史認識問題などをめぐる対日政策などを中心に関連情報の収集に努めた。
 また,ロシア関係では,同国の北方領土をめぐる姿勢を始めとする対日政策などに重点をおいて調査を実施した。

 2  国内調査
 国内調査においては,オウム真理教に対する調査を最重点に調査体制を強化して,教団の組織的な勧誘活動,殺人をも肯定する危険な教義を説いた麻原への絶対的帰依を扶植するための信徒教化活動などに重点をおいて調査を遂行した。その結果,教団は依然として無差別大量殺人行為に及ぶ危険性があることから,11月に,公安審査委員会に対して,観察処分の期間の更新請求(第2回目)を行った。
 公安調査庁では,観察処分に基づく立入検査を1月以降11月末までに14都道府県延べ29か所の教団施設に対して実施するなどして,教団の実態と活動状況,危険性の解明に取り組んだほか,平成16年12月に団体規制法施行規則を改正し,関係地方公共団体に提供できる調査結果の範囲を拡大して住民の不安解消に努めた。
 また,自衛隊のイラク派遣や国内の米軍基地再編問題などをめぐる共産党や過激派団体の動向,日本人拉致,領土問題,海洋権益問題,反日行動等をめぐる右翼団体の活動などに関して調査活動を展開した。
 3  今後の課題
 国際テロ情勢や北朝鮮,中国などをめぐる諸情勢は激動しており,これらに関する情報ニーズもかつてなく高まっている。
 公安調査庁が我が国の“公共の安全の確保”に寄与し,我が国が国際社会に対する責務を果たすのに必要となる情報を迅速・的確に入手・分析して,適時・適切に政府や関係機関に提供するためには,内外の関係機関との連携を強化することはもとより,過去50年以上にわたる破壊的団体などに対する調査の過程で築き上げてきた情報収集機能を最大限活用するとともに,引き続き,内外情勢の変化に対応した情報収集体制を拡充・強化していくことが必要である。
 特に,国際テロに関しては,その未然防止が最優先課題であることから,諸外国情報機関との連携を強化して,国際テロ組織の動向やテロリストに関する情報の収集に努めるとともに,国内における情報網を拡充し,不穏動向調査を徹底して,不審者の把握,さらには,テロ組織関係者の特定,行動の把握等に努めることなどによって,テロの未然防止を期す所存である。
 また,北朝鮮・朝鮮総聯関連では,北朝鮮の核や拉致問題などをめぐる情報の収集に努めるとともに,同国と極めて密接な関係にあり,我が国国内で様々な活動を展開している朝鮮総聯の動向についても,引き続き調査を強化していきたい。
 さらに,中国については,経済・軍事力の増強を背景に,アジアにおける主導的地位の確立を目指す一方,貧富の格差の拡大や環境問題など,社会の不安定要因を抱えていることから,引き続き,その国内情勢を注視するとともに,対外・対日政策に関する情報収集の徹底に努める必要がある。
 一方,オウム真理教は,従来からの修行体系や上命下服の位階制度,閉鎖社会を維持し,両サリン事件を殺人を勧める教義の実践として正当化するなど,依然として危険性を有しており,地域住民から規制強化を求める声も寄せられている。公安調査庁では,こうした国民の声を真摯に受け止め,再発防止処分の適用も視野に,より徹底した調査及び厳正な観察処分を実施して,教団の組織と活動の実態を明らかにするとともに,地域住民の不安感払拭に向け,速やかな情報提供に努めていく所存である。
 過激各派や右翼団体については,国内外の諸情勢に敏感に反応して直接行動に訴えるなどの抗議・批判活動を展開することも予想されることから,引き続き,これら団体などの活動にも注視していきたい。
 公安調査庁では,我が国の自由で民主的な社会を守り,我が国及び国民の平和と安全の確保に寄与するため,公安調査官一人ひとりが明確な目的意識をもって日々業務にまい進し,我が国及び国民の梟の目,兎の耳として,組織を挙げて“知恵の戦い”を進めていきたいと考えている。

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