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公安調査局長・公安調査事務所長会議における大臣訓示

2010年5月28日 更新
公安調査局長・
公安調査事務所長会議

千葉法務大臣訓示(法務事務次官代読)

最近の国際情勢を見ますと,国際テロに関しましては,昨年,「アルカイダ」系組織による米国籍航空機爆破テロ未遂事件が発生するなど,その脅威は拡散傾向にあり,我が国においても,国際テロの脅威を現実のものとして,引き続き警戒する必要があります。特に,本年は,日本APECが開催されることから,その安全な開催に向け,情報の収集に全力を挙げていただきたいと思います。

北朝鮮に関しましては,国際社会の批判を無視し,核開発を継続する意思を表明しているほか,韓国哨戒艦沈没事案をめぐって朝鮮半島情勢に更なる緊張をもたらしております。また,拉致問題につきましては,調査のやり直しなどの解決に向けた具体的な行動をとっておりません。こうした北朝鮮の動向は,我が国の平和と安全にかかわる重大な問題でありますので,関連情報の収集に鋭意努めていただきたいと思います。

一方,国内情勢を見ますと,サリンを使用して未ぞ有の無差別大量殺人行為を引き起こしたオウム真理教につきましては,事件から15年以上を経過した今も,主流派,上祐派共に,いまだ麻原彰晃こと松本智津夫の影響下にあるなど,その危険な体質に変化はなく,その活動状況を継続して明らかにする必要があります。そのため,引き続き,観察処分を適正かつ厳格に実施して,教団の実態解明に取り組むとともに,関係自治体に対して有用な情報を提供することなどにより,公共の安全の確保と国民の不安解消に尽力していただきたいと思います。

政府としましては,国内の治安問題への対処はもちろん,国際社会の一員として国際平和にも貢献していかなければなりません。こうした中,公安調査庁には団体規制機関として,また,情報コミュニティの一員として大きな期待が寄せられております。皆様には,公安調査庁の責務の重大性に改めて思いを致し,なお一層職務に精励していただきたいと思います。

以上をもって,私の訓示といたします。

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