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更新請求書(第4回)

2011年12月6日 更新

無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律第12条第1項後段の規定に基づき,下記のとおり,同法第5条第4項の処分を請求する。

第1 被請求団体

 
1 名称
 平成12年1月28日,公安審査委員会によって,3年間,公安調査庁長官の観察に付する処分を行う決定(以下「本件観察処分決定」という。)を受け,平成15年1月23日,平成18年1月23日及び平成21年1月23日に,本件観察処分決定に係る処分の期間を更新する決定を受けた「麻原彰晃こと松本智津夫を教祖・創始者とするオウム真理教の教義を広め,これを実現することを目的とし,同人が主宰し,同人及び同教義に従う者によって構成される団体」
 
2 主たる事務所の所在地
(1) 埼玉県越谷市北越谷1丁目20番6号
 「さくらマンション」101号室
(2) 東京都世田谷区南烏山6丁目30番19号
 「GSハイム烏山」201号室
 
3 代表者
氏 名 麻原彰晃こと松本智津夫
昭和30年3月2日生(当56年)
職 業 団体主宰者
居 所 東京都葛飾区小菅1丁目35番1号 東京拘置所
 
4 主幹者
(1) 氏 名 鈴木一弘
昭和42年1月21日生(当44年)
職 業 団体役員
住 所 東京都足立区保木間1丁目4番18号
「丸岡ビル」
(2) 氏 名 青野雅樹
昭和37年3月15日生(当49年)
職 業 団体役員
住 所 東京都杉並区西荻北3丁目16番8号
「第6アサヒハイツ」
(3) 氏 名 上祐史浩
昭和37年12月17日生(当48年)
職 業 団体役員
住 所 東京都世田谷区南烏山6丁目30番19号
「GSハイム烏山」201号室
 

第2 請求に係る処分の内容及び根拠となる法令の条項

公安調査庁長官の観察に付する処分の期間の更新(無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律(以下「法」という。)第5条第4項)
 

第3 更新の理由となる事実

 
1 被請求団体の現況
(1) 組織概況
被請求団体(以下「本団体」という。)は,麻原彰晃こと松本智津夫(以下「麻原」という。)を教祖・創始者とするオウム真理教の教義を広め,これを実現することを目的とし,麻原が主宰し,麻原及び同教義に従う者によって構成される団体である。その構成員は,現在,日本国内に約1,500名(出家した構成員約400名,在家の構成員約1,100名)及びロシア連邦内に約140名おり,日本国内の15都道府県に計32施設,ロシア連邦に数施設を確保している。
(2) 活動概況(平成21年1月23日付けの観察処分の期間更新決定後の本団体の活動等)
本団体においては,平成18年1月23日付けの観察処分の期間更新決定後,麻原の意思の捉え方や目的実現のための活動方針の違いから,「Aleph」の名称を用いて活動する内部組織(以下「Aleph」という。)と「ひかりの輪」の名称を用いて活動する内部組織(以下「ひかりの輪」という。)が活動を開始し,「Aleph」は,従来の活動形態を維持しつつ,麻原の意思を実現することが重要であり,それが麻原に対する真の帰依であるとして,麻原を前面に出し,麻原に対する絶対的帰依を明示的に強調する活動を,「ひかりの輪」は,従来の活動形態を変更してでも麻原の意思を実現することこそが麻原に対する真の帰依であるとの信念に基づき,真実は,麻原に絶対的に帰依し,その教義を広め,麻原の意思を実現することを目的としながら,外形上,麻原の影響力を払拭したかのように装う,いわゆる「麻原隠し」の活動を,それぞれ展開していたところ,平成21年1月23日付けの観察処分の期間更新決定(以下「本件期間更新決定」という。)後も,これら中心的な内部組織の活動形態は,変わらない。
ア 「Aleph」は,麻原に対する絶対的帰依を明示的に強調する活動方針をより一層鮮明にし,麻原の肖像写真を祭壇等に掲出して,構成員に麻原の延命を祈願する修行に取り組ませたり,麻原を絶対視し自己犠牲を称揚しているほか,かつて麻原が導入した特異な制度も復活させるなどしている。
イ また,「ひかりの輪」は,外形上,麻原の影響力を払拭したかのように装う活動を殊更に展開しているところ,今なお,真実は,麻原に絶対的に帰依し,その教義を広め,麻原の意思を実現することを目的としており,「ひかりの輪」で用いられている教義,実践されている修行体系等をみても,麻原の説く教義等の根本的な部分を変更・除去することなく維持している状況にある。
(3) 小括
 本団体の組織概況,本件期間更新決定後の活動概況等は以上のとおりであって,本件期間更新決定から現在に至るまで活動状況に変化はなく,「Aleph」,「ひかりの輪」の活動形態に違いは見られるものの,本団体全体として,麻原の意思に従い,麻原の説く教義を広め,これを実現するために活動しており,その本質に基本的変化はなく,「特定の共同目的」たる「オウム真理教の教義を広め,これを実現すること」を維持していると認められるところ,いずれの構成員も麻原に対して帰依し,麻原の意思の実現のためには麻原の指示に従う者であり,主宰者たる麻原を頂点とした構造において,主宰者たる麻原を介し,麻原の説く教義を広め,これを実現するための多数人の継続的結合体として存在しており,本団体は,依然として団体としての同一性を保持しているものと認められる。
2 法第5条第1項各号該当性
 本団体は,次のとおり,法第5条第1項各号に掲げる事項のいずれにも該当する。
(1) 第5条第1項第1号該当性
本団体は,麻原を教祖・創始者とする「オウム真理教」の教義を広め,これを実現することを目的とし,本件期間更新決定後も,無差別大量殺人行為である「松本サリン事件」及び「地下鉄サリン事件」(以下「両サリン事件」という。)の首謀者であった麻原を主神であるシヴァ神の化身,かつ,教祖に位置付け,絶対的帰依の対象とするなど,組織の頂点に位置付けており,本団体の構成員は,いずれも,麻原及び麻原の説く教義への絶対的な帰依を培いつつ,本団体の最終目的である,麻原が説くところの「衆生救済」の実現に向けた活動を行っているが,麻原の意思の捉え方や目的実現のための活動方針は必ずしも一様ではない。
すなわち,前記第3・1・(2)のとおり,「Aleph」においては,従来の活動形態を維持しつつ,麻原を前面に出し,麻原に対する絶対的帰依を明示的に強調して,麻原及び麻原の説く教義に絶対的に従う意識の扶植を図っているほか,活動方針等に関する重要事項についても,麻原の説法その他の言動に基づき,その意思を推し量りながら決定を行うなどしている。また,「ひかりの輪」においては,麻原が創始した「オウム真理教」の維持・発展のため,かかる活動を行うことが麻原の意思に合致するとの認識に基づき,表面上,麻原の影響力を払拭したかのように仮装して活動するなど,その活動方針,活動態様等に差異が存するが,それは,本団体の中心的な内部組織,すなわち,麻原に対する絶対的帰依を明示的に強調する方針を鮮明にしている「Aleph」と,外形上,麻原の影響力を払拭したかのように装う「ひかりの輪」のそれぞれにおいて,麻原の意思の捉え方や麻原に対する帰依の在り方に関する考えに相違が生じた結果にすぎない。
以上の事実から,本団体は,「Aleph」,「ひかりの輪」を中心的な内部組織として,麻原を絶対的帰依の対象とし,麻原を教祖・創始者とする「オウム真理教」の教義を広め,これを実現するため,麻原の意思に従い,麻原の言動等からその意思を推し量り,活動方針を決定しているものと認められ,麻原が本団体全体の活動に絶対的な影響力を有していることは明らかである。
 
(2) 同第2号該当性
ア 本団体は,無差別大量殺人行為である両サリン事件の首謀者であった麻原を組織の頂点に位置付け,麻原及び麻原の説く教義への絶対的帰依を培い,麻原の意思を実現することを根本的な目的としているところ,麻原は,自らが本団体の代表者であり,教祖としてこれを主宰するものであることを明確に供述し,本団体において,麻原は,依然として絶対的な地位を有している。そして,本団体は,麻原の指示に従い,また,明示的な指示がない場合にも,麻原の意思を推し量りながら,活動方針等に関する重要事項を決定しているほか,麻原は,現在も面会によってその意思を本団体に伝え,いつでも本団体の意思決定及び事務に関与し得る状況にある。
 したがって,麻原は,現在も,本団体において,団体の代表者たる役員であり,かつ,構成員であると認められる。
イ さらに,無差別大量殺人行為に関与した他の者のうち,土谷正実,新實智光,横山真人,渡部和実及び角川知己の5名は,いずれもその言動から,麻原及び麻原の説く教義に従い,同教義を広め,これを実現することを目的として共有している者であると認められる。このうち,角川については,法に基づく公安調査庁長官に対する報告に,本団体がその構成員として明記しているほか,土谷,新實,横山及び渡部の4名についても,本団体を脱退する意思を表明したりすることもなく,本団体の内部組織である「人権救済基金」から生活・裁判等の支援を受けている。また,死刑確定者である土谷,新實及び横山のうち,少なくとも新實については,刑事収容施設法第120条第2項の規定に基づき,親族等以外の者との面会等の外部交通に関し,刑事施設の長の許可した者に「Aleph」の構成員を指名し,組織運営等に係る事項を「Aleph」から聴取していると認められる。
 したがって,土谷,新實,横山,渡部及び角川の5名は,現在も,本団体において,構成員であると認められる。
(3) 同第3号該当性
本団体においては,両サリン事件が行われた時に代表者たる役員であった麻原が,現在も代表者たる役員であると認められる。また,両サリン事件が行われた時に,「ロシア支部大臣」及び「郵政省大臣」として,それぞれ本団体の重要な業務を統括し,本団体の重要な意思決定に関与し得る立場の役員であったと認められる上祐史浩(以下「上祐」という。)及び松本明香里の両名は,現在も,本団体の活動方針等に関する重要事項を決定するなどしており,本団体の役員であると認められる。
(4) 同第4号該当性
ア 本団体は,麻原を教祖・創始者とするオウム真理教の教義を広め,これを実現することを目的とするところ,本団体の教義の根幹をなすものは,麻原の説く衆生救済の実践であるとしてきた。そして,本団体は,衆生救済を実現するため,麻原の教義に基づく理想郷(シャンバラ)を我が国に建設する「日本シャンバラ化計画」を推進するとともに,衆生救済に至る最速の道であり,最終的には,グルである麻原に対し,自分の一切のものを捨てて,自分自身を投げ出し,麻原との合一を目指すとするタントラ・ヴァジラヤーナの実践を重視してきた。この麻原の説くタントラ・ヴァジラヤーナの実践には,その具体的規範として,結果のためには手段を選ばず,本団体の活動に反対する勢力や悪業を積む者については,これを殺害することも正当化されるなどとする殺人を勧める内容が含まれている。そして,構成員に対しては,それを実践するための修行として,弟子に自己の意思を捨てさせ,絶対的な存在である麻原が課した試練を乗り越えさせる「マハームドラーの修行」を課していたところ,両サリン事件も,当時の構成員が,「マハームドラーの修行」として,自己の意思を捨てて麻原の意思に従い,衆生救済のためのタントラ・ヴァジラヤーナの実践として引き起こしたものである。
イ この点に関し,本団体においては,本件期間更新決定後も,「Aleph」は,幹部構成員が,衆生救済に向け,麻原の説く「日本シャンバラ化計画」の実現,あるいは同計画を実現するための具体的方策である「真理マニフェスト」の推進を明示的に強調した上で,現世において衆生救済を実現するためには,最速の道であるタントラ・ヴァジラヤーナの実践を行うことが必要不可欠であるとして,構成員に対し,東日本大震災を引き合いに出すなどしながら,天変地異の発生等を説いて危機感をあおるとともに,衆生救済を実現するには麻原に従うしかないとして,タントラ・ヴァジラヤーナの重要性を強調し,両サリン事件をタントラ・ヴァジラヤーナの実践として正しいものであったなどとする指導を行い,これが構成員に浸透している。また,「ひかりの輪」は,麻原の影響力を排除したかのように装っているものの,これは,タントラ・ヴァジラヤーナ及びその具体的規範である「五仏の法則」にのっとり,「日本シャンバラ化計画」の実現に向け,麻原の意思に従い,麻原の意思を実現するための「マハームドラーの修行」の実践として行っているもので,上祐は悪業を積む者の殺害を勧めるタントラ・ヴァジラヤーナの実践の必要性等を説き,これが幹部構成員にも浸透している。
 以上の事実から,本団体は,「Aleph」,「ひかりの輪」を中心的な内部組織として,麻原の説く衆生救済を実現するため,「日本シャンバラ化計画」を推進し,麻原が説くタントラ・ヴァジラヤーナの実践を構成員の行動規範とするなど,現在も殺人を勧める「綱領」を保持していることは明白である。
(5) 同第5号該当性
 本団体については,現在も,(1)衆生救済の名の下,麻原及び麻原の説く教義に従う社会の実現を目的とし,かつ,殺人を勧める内容を含むタントラ・ヴァジラヤーナの実践をその行動規範として,両サリン事件の首謀者である麻原に対する絶対的帰依を扶植していること,(2)両サリン事件当時,麻原を頂点とし,麻原の指示に絶対的に従う上命下服の位階制度を敷き,一般社会と隔絶した独自の閉鎖社会を構築していたことを基礎として,組織的かつ秘密裏に両サリン事件を計画準備し,実行し得たと考えられるところ,現在も,上命下服の制度や一般社会と隔絶した独自の閉鎖社会を維持していること,(3)本団体の代表者・主宰者である麻原が両サリン事件についての自己の責任を否定し何ら反省もしていないほか,幹部構成員が両サリン事件等を正当化するような発言を行ったり,事件の責任を社会・国家に転嫁するなどしていること,(4)本団体は,「サリン量産プラント建設事件」や「武器等製造法違反事件」に関与した構成員等,各種犯罪行為に関与した構成員を多数擁していること,(5)麻原奪還を企てた「シガチョフ事件」後も,ロシア人構成員に対して,麻原への絶対的帰依を扶植していること,(6)現在も人命を軽視した危険な修行を行っていること,(7)観察処分を免れるため,現在も「ひかりの輪」の名称を用いて活動するなど,結果のためには手段を選ばない特質と隠蔽体質を維持していること,(8)過去の一連の事件等で極めて重要な役割を果たした松本明香里及び上祐が中心的に活動していることなどの事実が認められる。
以上の事実から,本団体には,無差別大量殺人行為に及ぶ危険性があることは明らかである。
 
3 引き続き本団体の活動状況を継続して明らかにする必要性(法第5条第4項)
 本団体に対しては,本件観察処分決定並びに平成15年1月,平成18年1月及び平成21年1月の本件観察処分に係る期間更新の決定に基づき,これまで225回の立入検査,48回の報告徴取を実施し,50の関係地方公共団体の長に延べ616回にわたってその調査結果を提供してきたが,以下のとおり,引き続き本団体の活動状況を継続して明らかにする必要があると認められる。
(1) 本団体の閉鎖性,欺まん性に起因して活動状況を把握することが困難であること
ア 本団体は,現在も,出家した構成員をその管理下の施設に集団居住させ,食事等の日常的な行為を管理統制して閉鎖的な居住空間を形成した上,出家した構成員と外部との接触を困難にして,一般社会と融和しない独自の閉鎖社会を構築しており,その内部における活動状況を外から知ることは極めて困難である。
また,立入検査の際にも,組織ぐるみで非協力的な姿勢を徹底しており,現に,公安調査官が,検査状況及び応対状況をビデオカメラで撮影していたところ,立会人の出家した構成員が,同ビデオカメラをたたくなどの暴行を加え,公安調査官の職務の執行を妨害(平成23年7月14日逮捕)したり,公安調査官が,検査対象物である名簿を記録しようとしたところ,立会人の出家した構成員がこれを拒否するなど,その組織的体質は閉鎖的である。
イ さらに,公安調査庁長官に対する報告においても,構成員の一部を殊更報告せず,活動に関する意思決定についても実態に即した内容を報告しないなどの不正確な報告を繰り返しており,公安調査庁から改善すべき点を具体的に指摘して報告内容の改善方を指導しているにもかかわらず,一向にこれを改めようとせず,組織の実態や活動の状況を偽ろうとする姿勢が顕著である。また,対外的には事件被害者・遺族に対する謝罪や賠償の状況等を表明するなどしているが,これは,観察処分を免れることを目的に,社会から一定の理解を得ているように装うためのもので,真の反省に基づいて行われているものではないなど,その組織的体質は欺まん的である。
(2) 本団体の活動が,両サリン事件等の被害者・遺族はもとより,本団体管理下の施設周辺に居住する地域住民等にも理解を得られていないこと
 本件期間更新決定後も,本団体に無差別大量殺人行為に及ぶ危険性があることから,両サリン事件等における被害者・遺族は,本団体の解散や観察処分の継続,本団体の活動規制の強化を切望している。また,本団体の施設周辺に居住する地域住民等も,本団体の組織体質が依然として閉鎖的かつ欺まん的であることに起因し,本団体に対して恐怖感・不安感を抱いている。特に,「ひかりの輪」については,その設立表明等の意図が観察処分を免れることにある上,現在も,被害者・遺族,地域住民に対して,自らの活動に理解を求めるための説明を真摯に尽くす様子がないばかりか,むしろ両サリン事件前から本団体の中枢にいた上祐が中心となり,秘密裏に麻原及び麻原の説く教義への信奉を保持していることから,被害者・遺族,地域住民は,その活動に恐怖感・不安感を今なお募らせており,地域住民等によって組織された協議会等が本団体の解散等を求める各種集会・デモ,署名活動等を実施し,国等に対して要請等を行うなどしているほか,関係地方公共団体等も,国に対して観察処分の期間の更新等を求める要請等を行っている。そして,関係地方公共団体からは,法第32条に基づく調査結果の提供の請求が多数回にわたってなされているが,このことは,観察処分に基づく調査の結果得た情報に対する需要が極めて大きいことを示しているもので,国として,本件観察処分を継続し,本団体の活動状況を引き続き明らかにするとともに,その結果得られた情報を関係地方公共団体に提供して,地域住民等の恐怖感・不安感の解消・緩和に努める必要がある。
(3) 以上のとおり,本団体の閉鎖性,欺まん性は,本件観察処分決定以降,全く改善されていない上,「ひかりの輪」の設立表明を経て組織構成・活動形態等が変化したことなども影響し,本団体全体の実態を把握することは,依然として難しい状況にあり,本件観察処分がその期間を満了して終了し,立入検査や報告徴取が不可能となった場合には,その活動状況を明らかにすることは極めて困難となる。
 これに加えて,本団体が,現在も一般社会と融和しない独自の閉鎖社会を構築し,無差別大量殺人行為に関する危険な要素を堅持し続けていることからすれば,観察処分が終了すれば,両サリン事件当時と同様に,閉鎖社会の中で秘密裏に無差別大量殺人行為に結び付く危険な要素を増大させるおそれが大きいと言わざるを得ない。その場合に,立入検査や報告徴取を行うことができなければ,危険な要素の増大を適時的確に把握して法第8条に基づく再発防止処分を行うことができなくなることも懸念される。
 更に付言すると,「ひかりの輪」が観察処分を免れることになれば,「ひかりの輪」は,再び麻原を前面に出し,麻原に対する絶対的帰依を明示的に強調する活動を開始するおそれがあるところ,その場合に,観察に付されている「Aleph」から「ひかりの輪」へと構成員が大量に流入するなど,法による無差別大量殺人行為を行った団体に対する規制の実効性が失われる事態にもなりかねない。
 以上のことを総合すると,本団体に対しては,本件観察処分の期間を更新し,本団体の活動状況を継続して明らかにする必要性があることは明白である。
 

第4 無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律の規定に基づく規制措置の手続等に関する規則第2条第4項に規定する法第5条第4項の処分に関する意見

 
1 処分の期間
 3年間
 
2 法第5条第5項において準用する同条第3項第6号に規定する公安審査委員会が特に必要と認める事項
後記(1),(2),(3)に掲げる事項については,本件観察処分決定及び平成18年1月23日付けの観察処分の期間更新決定において,法第5条第5項において準用する同条第3項第6号に規定する公安審査委員会が特に必要と認める事項として公安調査庁長官に対する報告が義務付けられたが,後記のとおり,(1),(2)及び(3)に掲げる事項に加え,(4)に掲げる事項についても,公安調査庁長官に対する報告を義務付ける必要がある。
(1) 本団体の構成員に関する出家信徒及び在家信徒の別並びに出家信徒の位階を報告させること
(理由)
 本団体は,一般社会との関係を断絶して活動する出家信徒とその他の在家信徒に区分しており,その状況を明らかにする必要があるほか,出家信徒について,位階制度を維持しており,位階と団体内における地位・役割との対応関係を明らかにする必要がある。
(2) 本団体作成のインターネット上のホームページに係る接続業者名,契約名義人の氏名及び掲載の管理・運営責任者の氏名を報告させること
(理由)
 本団体は,インターネット上のホームページを利用して団体の活動を広報するとともに,構成員に対する指示・連絡を行っていることから,同ホームページへの掲載が本団体の意思決定によるものであるかどうかを把握し,本団体の活動状況を継続して明らかにする必要がある。
(3) 本団体(その支部,分会その他の下部組織を含む。)の営む収益事業(いかなる名義をもってするかを問わず,実質的に本団体が経営しているものをいう。)の種類及び概要,事業所の名称及びその所在地,当該事業の責任者及び従事する構成員の氏名並びに各事業に関する会計帳簿を備え置いている場所(その会計帳簿が電磁的記録で作成されている場合には,当該電磁的記録媒体の保管場所)を報告させること
(理由)
 本団体は,収益事業によって多額の収入を得ているところ,各報告期間末日における現金の現在額及び預貯金の種類,残高等の報告を受けるだけでは当該事業の実態を把握することができず,本団体が,仮に,当該事業の収益によって無差別大量殺人行為の準備のために自己資金を秘密裏に蓄え,あるいは,かかる資金を用いて武器等の危険物を購入するなどしても把握することができないことから,当該報告期間末日における本団体の資産・負債の総額の報告を受けることに加え,収益事業の種類及び概要,事業所の名称及びその所在地,当該事業の責任者及び従事する構成員の氏名並びに各事業に関する会計帳簿を備え置いている場所を報告させて,本団体の収益事業の収支状況を把握する必要がある。
以上の現状を勘案すると,本団体に資産・負債に関する報告をさせるに当たっては,その裏付け資料を添付して報告させ,あわせて,本団体の行った取引が,いかなる意思決定に基づくものであるかを報告させ,もって,資産・負債に関する報告の信用性を吟味し,取引の目的を明らかにすることにより,本団体の活動実態を把握する必要がある。
(以下略)

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