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法教育研究会第11回会議議事概要

1 日時

平成16年5月25日(火)午後2時から午後4時5分

2 場所

東京地方検察庁刑事部会議室(5階)

3   出席者

(委員,敬称略・50音順)
江口勇治,大杉昭英,荻原弘子,唐津恵一,鈴木啓文,高橋文郎,館 潤二,土井真一,永野 薫,西山卓爾,橋本康弘,山根香織
(事務局:法務省大臣官房司法法制部)
大塲亮太郎参事官,丸山嘉代部付

4  議題

(1)  諸外国における法教育について(視察結果報告)
ア  スウェーデン王国における法教育について(説明者 江口委員)
イ  フィンランド共和国における法教育について(説明者 鈴木委員)
(2)  法教育教材作成部会の進捗状況報告

5  配布資料

6  議事

(1)  諸外国における法教育について(視察結果報告)
 事務局丸山部付から,スウェーデン王国,フィンランド共和国の視察日程及び視察内容の説明をした後に,江口委員からスウェーデン王国における法教育について,鈴木委員からフィンランド共和国における法教育について,それぞれ視察結果が報告され,その報告に基づき質疑応答,意見交換が行われた。
 江口委員からは,スウェーデンの教育について
○  教育科学省は議会の決定に基づいて,予算面から国家の教育方針の概略(カリキュラム)を決定し,そのカリキュラムが実行されているかの確認は学校庁の視学官(インスペクター)が行っている。
○  想像以上に教育の自由化や分権化が進んでおり,例えば教師と子どもたちが話し合って柔軟に教科書を変えることなどもできる。
○  スウェーデンにおいては,7年生(日本の中学校1年生に相当する学年)の段階で,スポーツを例にとったルールの必要性,窃盗を例にとった刑事手続の流れ,被害者の経験といった点を中心として,法及び司法に関する教育が行われている。また,小学校段階から民主主義,子どもの権利についても教えられている。
○  一部の高校においては,法曹養成の前倒し的な教育を行うなど,先進的な取り組みが行われている。
 などの説明があった。
 鈴木委員からは,フィンランドの法教育について
○  フィンランドの小・中学生の社会化教育の核心は歴史であるが,国際比較の中でフィンランドの子どもたちは,社会に関する知識の部分では,高いレベルを示すのに対して,社会に関わるという部分では,低いレベルを示すという評価がなされたため,子どもたちを社会に参画させるような教育が行われている。
 などの説明があった。
 委員からは,
○  日本では,若者が目的意識を早くに持って学校を選択したり,将来の選択をしたりするのが難しいような気がしているが,スウェーデン,フィンランドでは,どの年齢からそのようなことを考えるのか。
○  この研究会では,中学校における法教育の在り方を中心に検討しているが高校3年間で,法という一つの社会人としての責任の所在を明確化したものについて,いかに学ばせるかは重要な検討課題であり,フィンランドの制度は,大変示唆にとんだものと思われる。
○  日本の中学生と比べて,スウェーデンの中学生は非常に落ち着いて見える。また,教師と生徒が一対一で,自分の考えをしっかり述べ合っており,学校という場面を通じて社会の関係を学んでいるのだという印象を受けた。
○  日本とは違い,教科書に太字の部分がなく,内容を覚えるだけが目的ではない印象を受けた。日本の場合は知識としてどれだけ詰め込めるかというテストがされるので,それを覚えることに精一杯になっているが,北欧では個人の主体性の確立という目指すものが大きく異なっている印象を受けた。
○  法を考えるとき,基本原理から教えるか,身近なものから教えるか,演繹的手法と帰納的手法があるが,ヨーロッパでは,ギリシャ,ローマで起きた歴史のプロセスというものを教えることにより,自然と民主主義原理というものを教えることができる。法や政治の在り方をストーリーとして教えられる歴史を持っている国の典型的な強みというのがあると思う。
○  高校段階では,選択科目ではあるものの「法律」科目が置かれており,自分が社会に出てすぐ触れ合う法である契約法,家族法,消費者法,不動産法,金銭消費貸借法,労働法,刑事法などがコンパクトにまとめられている。
 といった質問・意見が出された。
(2)  法教育教材作成部会の進捗状況報告
 江口委員から,各教材執筆グループの進捗状況について報告があった。
(3)  今後の開催予定
 第12回会議 平成16年6月18日(金)午後2時開催
(以上)

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