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法教育研究会第14回会議議事概要

1 日時

平成16年8月24日(火)午後2時から午後4時

2 場所

法務省大会議室(地下1階)

3   出席者

(委員,敬称略・50音順)
江口勇治,大杉昭英,沖野眞巳,荻原弘子,唐津恵一,絹川泰毅,鈴木啓文,高橋文郎,館 潤二,土井真一,永野 薫,西山卓爾,橋本康弘,山根香織
(説明者等:敬称略・委員の説明者を除く)
吉冨芳正(文部科学省初等中等教育局教育課程課学校教育官)
小牧美江(司法書士・大阪司法書士会所属)
(事務局:法務省大臣官房司法法制部)
大塲亮太郎参事官,丸山嘉代部付

4  議題

(1)  法教育研究会の成果を広報する取組み
(2)  法教育を定着させるための取組み
ア  学校教員から見た今後の環境整備について
イ  法律実務家の取組みについて
ウ  法学研究者・教育研究者による支援について
エ  文部科学省における取組みについて
オ  家庭,地域社会,職場との連携について

5  配布資料

(1)  法教育ワークショップ2004(福井弁護士会作成)【PDF】
(2)  大阪司法書士会「法律講座ワークショップ」の開催報告(小牧司法書士作成)【PDF】
(3)  学校へ行こう2(日本司法書士会連合会作成 冊子につき掲載省略)
(4)  総合法律支援(司法ネット)構想(法務省作成)【PDF】
(5)  法教育研究会第12回会議議事録【PDF】

6  議事

(1)  法教育研究会の成果を広報する取組み
○  大塲参事官から,法教育研究会の成果を広報していくための取組みの一方策として,法教育シンポジウムを開催することが説明された。
○  大杉委員,吉冨教育官から文部科学省の取組みとして,法教育研究会の報告書が公表された後は,教育委員会へ周知するなど様々な機会を捉えて,学校現場へ法教育研究会の成果を紹介していくとの説明がなされた。
(2)  法教育を定着させるための取組み
ア  学校教員から見た今後の環境整備について
○  公民分野の教育には,エネルギー教育や環境教育などのいわゆる「○○教育」が多く入ってくるため,教員が法教育を授業に取り入れるためには法教育の必要性を理解してもらうことが重要であり,必要性について,研修会や講習会などを通じて,人から人へ説明していく必要があるのではないかとの意見が出された。
○  教員自身に法律の知識がないので,それを補完するために,教員が気軽に質問できる法律実務家のホームページ作りや,どの教科の先生でも読むと理解が深まる入門書の作成が重要であり,また法教育とは何かを正確に理解してもらうために学習指導要領などに法教育の説明を積極的に掲載していくことが必要との意見が出された。
イ  法律実務家の取組みについて
○  日本弁護士連合会の取組みとして,教育現場に弁護士が赴いて授業を行っている実践例が紹介され,それらの問題点や検討課題が説明された。また,今後の取組みとして,全国各地に法教育が普及していくことを予定して,各地の弁護士会にその受け皿となる機関を発足するよう呼びかけていること,教員への情報交換用のホームページ作りの検討を行っていることが説明された。
○  日本司法書士会連合会の取組みとして,全国の8割以上の単位会で消費者教育を中心として,高校生を対象とした授業を司法書士が教員と連携して行っていること,その代表的な取組みとして小牧司法書士から,大阪司法書士会における消費者教育に関するワークショップ模擬授業について報告がなされた。
○  裁判所における取組みとして,既に出前講義や法廷傍聴の実施などが行われているが,今後,司法制度改革,とりわけ裁判員制度の円滑な実施に向けて,各地の裁判所のホームページを中心として,一層こうした取組みについての広報を充実させていくことや,要望に応じて裁判官が教員研修や教材研修にかかわることの重要性が指摘された。
○  法務省における取組みとして,本研究会で作成される教材を用いた検察官の出前教室の実施や,裁判員制度に関する授業への支援の必要性や,日本司法支援センターを利用した法教育の広報や情報提供についての可能性について意見が出された。
エ  法学研究者・教育研究者による支援について
○  法学研究者として生徒に直接法教育の授業を行ったり,教材作成を支援したりできるのではないか,また,法教育の確立を前提として,将来的には法科大学院のクリニックの一つとして位置付けることも可能性はないかとの意見が出された。
○  法学研究者が法教育の理論化に協力することにより,法教育を正規の教科プログラム中に体系的に整理することが可能ではないかとの意見が出された。
○  大学の教職課程の教官にも法教育の重要性を周知し,法教育を教員養成課程に取り込んでいくことや,教員となった後の研修で法教育を展開することが重要ではないかとの意見が出された。
オ  文部科学省における取組みについて
○  文部科学省においては,学校における法教育を推進するため,様々な機会を通じて法教育を周知するとともに,学校における法教育に関する教材あるいは指導方法などに関する実践研究の促進の重要性について指摘された。
カ  家庭,地域社会,職場との連携について
○  法を考える入口として,消費者問題や子育てに関連する法的な情報があり,こうした情報の提供が重要であるとともに,市民もこのような情報を自ら取り入れて生かすことによって法教育の目指すよりよい市民づくりにつながるのではないかという意見が出された。
○  よりよい市民づくりをしていくためには,マスコミとの協力関係によるほうに関する情報の提供や,国会の傍聴,地方議会への参画などにより法に関する意識を高めていくことが必要ではないかとの意見が出された。
○  主権意識を持った人物を育成するというのは,その性質上,学校教育のみで終わるものではなく,社会に出てからも日々自己研鑽していく意欲,あるいは自己研鑽をしていくような教育が必要であり,職場はその大きな一つのフィールドとなり得る。そのためには,従来の社員教育の枠をこえて,企業倫理を教え,さらには民主主義国家の一構成員としての倫理に至る教育も必要であるが,その実現には国による法教育の広報や法律実務家による支援が必要不可欠となるとの意見が出された。
(3)  今後の開催予定
 第15回会議 平成16年9月17日(金)午後2時開催
(以上)

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