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法教育推進協議会(第9回)議事概要

1 日時

平成18年8月22日(月)午後3時から午後5時20分

2 場所

法務省第一会議室(20階)

3 出席者

(委員,敬称略・50音順)
飯田裕美子,江口勇治,大杉昭英,鈴木啓文,高橋文郎,土井真一,西嶋美那子,羽間京子,山下輝年,吉崎佳弥
(説明者,敬称略・委員の説明者を除く)
佐々木 毅(学習院大学法学部教授)
高田 孝雄(台東区立上野中学校教諭)
(事務局)
 (司法法制部)
 吉村典晃参事官,丸山嘉代部付,内堀宏達部付
 (刑事局)
 大久保仁規局付

4 議題

(1) 政治教育と法教育について
(2) 裁判員教材の実証授業についての意見交換
(3) 教材改訂検討部会の検討状況について

5 配布資料

(1) 政治教育と法教育について【PDF】
(2-1) 裁判員教材検証授業報告【PDF】
(2-2) 指導案修正の概略【PDF】
(2-3) 「裁判員制度」指導計画(修正案)【PDF】
(2-4) 裁判員制度の意義【PDF】
(2-5) 裁判員制度の疑問点【PDF】

6 議事

(1) 学習院大学法学部佐々木毅教授から「政治教育と法教育について」と題して講義がされた。
 委員からは,
○ 法律をいかにして生み出すかという点で,法教育ではその観点から皆のためにルールを作り上げていくものだという「ルールづくり」の授業などをやろうとしている。しかし,それが段々進んでくると,政策形成の過程の問題や法文をどう書くかなど技術論の問題が出てきてしまう。制度設計という部分で,政治的なものと法的なものをうまく組み合わせながらできないか。
○ 法教育では,例えば,「ごみ収集」など生徒にイメージが湧きやすい身近なものを取り上げているが,これが,政治教育にどのように役立ち,法教育とどのような連携がとれるのか。
○ 政治教育も法教育も,その分野について幅広く色々な知識を一通り教えようとすると,広く薄くやらざるを得なくなってくるが,本質問題はそれほど変わらないから深くやればいいんだという方針をとれるかどうかという議論が,政治教育と同様に法教育でも出ているところであるが,意見があれば伺いたい。
○ 法と政治を連携させていくに当たり,法と政治をとらえる枠組みとして必要な概念,子どもたちに是非身につけておいた方がいいという基本概念はあるか。
 などといった意見が出された。
(2) 裁判員教材検証授業報告について,台東区立上野中学校高田孝雄教諭及び法務省刑事局大久保仁規局付から報告がなされた。
 委員からは,
○ 無罪の推定,疑わしきは被告人の利益にといった原理原則のような話をもう少し出してもいいのではないか。
○ 一生懸命話し合った後,結果的に多数決で破れてしまった子ども達が,感情的に制度に対してまで否定的になるようなことはないか,そのような場合,どのように指導したのか。
○ 裁判員制度が身近にあるものだと日常生活の中で感じさせるために,学校生活の中でどのようなものとリンクさせるのか。
○ 「資料2-3指導計画」の中で,どこを一番ターゲットとしているか。
○ 「資料2-1裁判員教材検証授業報告,5改善の見通し」として,証拠検討の流れを具体的に例示するという記載があるが,具体的にどのようなものか。
○ 個々の証拠が有罪認定のためにどの程度価値があるかという証拠ごとの強弱も意識して先生や生徒に理解してもらえば,裁判員制度の実務運用に役立つだろう。
○ 証拠評価の方法について,専門家の判断に近づけるような教育をすると,裁判員制度の趣旨そのものと齟齬を来すことになるだろう。自分達が裁判員制度に参加していく際の心構え,他者の討論によって色々な意見を出すこと,相手の意見を聞くことなど,裁判員制度を実際に体験させ,証拠の部分について色々考えさせることが中学生段階では非常に重要であろう。
 などといった意見が出された。
(3) 教材改訂検討部会での検討状況について,内堀宏達部付から以下の点について報告がなされた。
○ 同部会では,初めて法教育に取り組まれようとしている先生方のために,スムーズな取組が可能となるよう,「はじめての法教育」の4つの教材をベースとした,各教材の「Q&A集」を作成している。
○ クエスチョンに盛り込む事項として,どのような性質,どのような内容のものなどを盛り込むべきか,また,アンサーの記載方法として,初めて法教育を取り組まれる先生方にも理解してもらえる平易なものとして記載することができるかなどを検討している。
○ Q&A集の構成,先生方への提供方法等を含めてさらに検討した上で,今後,協議会において報告する。
(以上)
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