保証制度の見直しに関する要綱
平成十六年九月八日
法制審議会総会決定
第一 | 貸金債務の根保証についての個人保証人の保護の方策 |
一 | 要式行為 |
1 | 根保証契約は、書面でしなければ、その効力を生じないものとする。 |
2 | 後記二による極度額の定め、後記三1による元本確定期日の定めは、1の書面に記載しなければ、その効力を生じないものとする。ただし、後記三1による元本確定期日の定めについては、根保証契約を締結した日から三年以内の日を主たる債務の元本の確定すべき期日とする場合には、この限りでないものとする。 |
二 | 極度額 |
1 | 根保証契約は、極度額を定めなければ、その効力を生じないものとする。 |
2 | 1の極度額は、主たる債務の元本、利息及び損害賠償のすべてを含むものとして定めなければならないものとする。 |
三 | 元本確定期日 |
1 | 根保証契約において主たる債務の元本の確定すべき期日を定める場合には、その期日は、根保証契約を締結した日から五年以内でなければならないものとする。 |
2 | 根保証契約において主たる債務の元本の確定すべき期日の定めがない場合には、その期日は、根保証契約を締結した日から三年を経過した日とするものとする。 |
3 | 1及び2の期日(以下「元本確定期日」という。)を変更する場合には、変更後の元本確定期日は、その変更をした日から五年以内でなければならないものとする。ただし、元本確定期日の前二箇月以内にその変更をするときは、当該元本確定期日から五年以内の日を変更後の元本確定期日とすることができるものとする。 |
四 | 元本確定事由 次に掲げる場合には、根保証契約における主たる債務の元本は、確定するものとする。 |
(一) | 債権者が、主たる債務者若しくは保証人の財産に対し金銭の支払を目的とする債権についての強制執行の申立てをしたとき、又は主たる債務者若しくは保証人の財産を目的とする担保権の実行の申立てをしたとき。ただし、強制執行又は担保権の実行の手続の開始があったときに限るものとする。 |
(二) | 主たる債務者又は保証人が破産手続開始の決定を受けたとき。 |
(三) | 主たる債務者又は保証人が死亡したとき。 |
第二 | 適用範囲等 |
一 | 要式行為 第一の一1は、すべての保証契約について適用するものとする。 |
二 | 極度額の定め、元本確定期日及び元本確定事由 第一の一2及び二から四までは、保証人が個人であり、かつ、根保証契約において定められる主たる債務に貸金債務又は手形の割引に係る債務が含まれている場合について適用するものとする。 |
三 | 根保証契約の保証人の求償権についての保証 根保証契約(その保証人が法人である場合に限る。)において定められる主たる債務に貸金債務又は手形の割引に係る債務が含まれている場合において、当該根保証契約において極度額の定めがないとき、元本確定期日の定めがないとき、又は元本確定期日が第一の三1及び3に従って定められたものでないときは、当該根保証契約の保証人の主たる債務者に対する求償権についての保証契約(その求償権についての保証人が個人である場合に限る。)は、その効力を生じないものとする。 |
第 | 三 その他 その他所要の規定を整備するものとする。 |