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要綱骨子事務局参考試案1(諮問事項2から6まで)

 ビデオリンク方式による証人尋問
 
 ビデオリンク方式による証人尋問
 
 裁判所は,次に掲げる者を証人として尋問する場合において,検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き,相当と認めるときは,裁判官,検察官,被告人,弁護人又は傍聴人が在席する場所以外の場所に証人を出頭させ,映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話することができる方法によって,これを尋問することができるものとすること。
 
(1)  刑法第176条(強制わいせつ)の罪,第177条(強姦)の罪,第178条(準強制わいせつ,準強姦)の罪,第179条(これらの罪の未遂)の罪,第181条(強制わいせつ等致傷)の罪(人を死亡させた場合を除く。),第241条前段(強盗強姦)の罪及び第241条前段に係る第243条(強盗強姦の罪の未遂)の罪,児童福祉法(昭和22年法律第164号)第60条第1項(児童に対する淫行)の罪及び第34条第1項第9号に係る第60条第2項(児童に対する有害支配)の罪並びに児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律(平成11年法律第52号)第4条から第8条までの罪(児童買春等)の被害者
 
(2)  わいせつ又は結婚の目的で犯した刑法第225条(わいせつ目的等略取及び誘拐)の罪,わいせつ又は結婚の目的で犯した同条の罪を幇助する目的で犯した同法第227条第1項(わいせつ目的略取等幇助目的被略取者収受等)の罪及びわいせつ目的で犯した同条第3項(わいせつ目的被略取者収受等)並びにこれらの罪に係る同法第228条(未遂罪)の罪の被害者
 
(3)  (1)及び(2)に掲げる者のほか,犯罪の性質,証人の年齢,証人の心身の状態,証人と被告人との関係その他の事情から,裁判官,検察官,被告人,弁護人又は傍聴人が在席する場所においては圧迫を受けるおそれがあると認められる者
 
 ビデオリンク方式による証人尋問の録画
 
(1)  1に規定する方法により証人尋問を行う場合,裁判所は,検察官,被告人若しくは弁護人の請求により又は職権で,相当と認めるときは,その証人の尋問及び供述を記録媒体(ビデオテープその他映像及び音声を同時に記録することができる物をいう。以下同じ。)に記録することができるものとすること。
 
(2)  (1)により証人の尋問及び供述を記録した記録媒体は,訴訟記録に添付して調書の一部とするものとすること。
 
(3)   (1)により証人の尋問及び供述を記録した記録媒体については,刑事訴訟法第40条,第180条第1項及び第270条の規定にかかわらず,検察官及び弁護人は,これを謄写することができないものとすること。
 
 ビデオリンク方式による証人尋問を記録した記録媒体の取調べ
 
(1)  証人を尋問する場合において,証人が前に被告事件の公判準備又は公判期日における手続以外の手続において1に規定する方法により尋問を受け,その尋問及び供述を記録した記録媒体を添付した調書は,証拠とすることができるものとすること。ただし,裁判所は,当該記録媒体が添付された調書を取り調べた後,訴訟関係人に対し,その証人を尋問する機会を与えなければならないものとすること。
 
(2)  (1)に規定する調書の取調べをするについては,裁判所は,当該調書に添付された記録媒体を再生しなければならないものとすること。この場合において,当該記録媒体に記録された証人の供述は,当該被告事件の公判期日においてなされたものとみなすものとすること。
 
(3)  (1)により取り調べられた記録媒体については,刑事訴訟法第40条及び第270条の規定にかかわらず,検察官及び弁護人は,これを謄写することができないものとすること。
 
 証人尋問の際の証人の遮へい
 
 裁判所は,証人を尋問する場合において,犯罪の性質,証人の年齢,証人の心身の状態,証人と被告人との関係その他の事情から,証人が被告人の面前においては圧迫を受けるおそれがあると認めるときは,検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き,被告人と証人との間で,一方から又は相互に相手の状態を認識することができないようにするための措置をとることができるものとすること。ただし,被告人から証人の状態を認識することができないようにするための措置については,弁護人が出頭している場合に限り,これをとることができるものとすること。
 
 裁判所は,証人を尋問する場合において,犯罪の性質,証人の年齢,証人の心身の状態,証人の名誉又は心情その他の事情を考慮し,検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き,相当と認めるときは,傍聴人から証人の状態を認識することができないようにするための措置をとることができるものとすること。
 
 1及び2の規定は,第2の1(ビデオリンク方式による証人尋問)の方法により証人を尋問する場合及び第2の3(ビデオリンク方式による証人尋問を記録した記録媒体の取調べ)により調書を取り調べる場合において,準用するものとすること。
 
 証人尋問の際の証人への同席
 
 裁判所は,証人を尋問する場合において,証人が著しく不安又は緊張を覚えるおそれがあると認めるときは,証人の年齢,健康状態その他の事情を考慮し,検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き,その証人の供述中,その不安又は緊張を緩和するのに適当であり,かつ,裁判官若しくは訴訟関係人の尋問若しくはその証人の供述を妨げ,又は供述の内容に不当な影響を与えるおそれがないと認める者が,証人に同席することを許すことができるものとすること。
 
 1により証人に同席することを許された者は,その証人の供述中,裁判官,検察官,弁護人若しくは被告人の尋問若しくはその証人の供述を妨げ,又は供述の内容に不当な影響を与えるような言動をしてはならないものとすること。
 
 被害者等の傍聴に対する配慮
 
 裁判長は,被害者又はその法定代理人(被害者が死亡した場合においては,その配偶者,直系の親族又は兄弟姉妹。以下「被害者等」という。)から,公判手続の傍聴の申出があるときは,傍聴席及び傍聴希望者の数その他の事情を考慮し,申出をした者が傍聴できるよう配慮しなければならないものとすること。
 
 被害者等による公判記録の閲覧及び謄写
 
 裁判所は,第一回の公判期日後被告事件の終結まで,当該被告事件の被害者等又はその被害者等から委託を受けた弁護士から,その裁判所の保管する当該被告事件の訴訟に関する書類の閲覧又は謄写の申出があるときは,検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き,犯罪の性質,審理の状況その他の事情を考慮し,閲覧又は謄写につき正当な理由があって,相当と認めるときは,申出をした者にその閲覧又は謄写を許すことができるものとすること。
 
 裁判所は,1により謄写を許す場合において,謄写した書類の使用目的又は使用方法を制限し,その他適当と認める条件を付することができるものとすること。
 
 1により訴訟に関する書類を閲覧又は謄写した者は,閲覧若しくは謄写により知り得た事項又は謄写した書類をみだりに用いて,公の秩序若しくは善良の風俗を害し,当該被告事件若しくはその他の事件の捜査若しくは公判に支障を生じさせ,又は関係人の名誉若しくは生活の平穏を害する行為をしてはならないものとすること。