登記情報提供業務について
法務省民事局
1 業務の概要
指定法人は,登記情報をインターネットを通じて閲覧しようとする利用者の委託を受けて,国に対して登記情報を請求し,当該登記情報を利用者に対して送信することを業務とします(提供法4条1項,2項)。
具体的には,以下のような業務を,指定法人の責任において実施していただく必要があります。
ア 利用申込みの審査,情報提供契約の締結,利用者登録等
イ 国に対する登記情報の請求及び当該情報の利用者への送信
ウ 利用料金(登記手数料を含む。)の徴収,未払い料金の支払催促,債権回収等
エ 登記情報提供システム(注1)の管理・運営,セキュリティ監視・障害対応,各種問合せ・相談(登記情報等に関する質問を含む。注2)への応対等
注1 登記情報提供システムの開発・保守は,基本的に国において実施しますが,運用については指定法人の責任で行うことになります。また,利用料金の請求事務に係る一部のサーバ・端末機器等については,指定法人において御用意いただく必要があります。
注2 現在,指定法人においては,1日300件程度の電話相談がされおり,操作方法だけでなく提供した登記情報の内容についても対応しています。登記情報提供サービスを実施するに当たっては,当該相談に対応ができる態勢を御用意いただく必要があります。
2 料金の徴収及び国への納付
登記情報提供サービスに係る利用料金は,国が徴収する登記手数料分と,指定法人が徴収する指定法人手数料分とに分けられます。
指定法人は,利用者から利用料金を徴収し,国に対して所定の登記手数料を納付する必要があります。
ア 登記手数料の徴収・納付
指定法人は,利用者からの委託に基づき,国に対して登記情報を請求し,当該登記情報の提供を受けたときは,国に対し,登記手数料令で定める額の手数料(注)を納付しなければならないとされています(提供法4条3項,4項)。
なお,利用者から利用料金の徴収をすることができなかったとしても,国に対する手数料の納付義務はなくなりません。
当該手数料の納付は,毎月25日までに前々月分の手数料の合計額を日本銀行に納付する方法によります(電気通信回線による登記情報の提供に関する法律施行規則3条)。
(注)不動産登記の全部事項の情報を請求する場合であれば,国に納付する手数料は,1件当たり380円になります。
イ 指定法人手数料の徴収について
指定法人は,業務規程を定めて法務大臣の認可を受けることにより,国に対して納付する登記手数料とは別に,登記情報提供業務に係る手数料を徴収することができます(提供法5条1項,2項)。ただし,当該手数料は,指定法人が登記情報提供業務を行うために必要な実費弁償分として利用者から徴収するものであるため,仮に剰余金が生じた場合であっても,指定法人の収益として他の事業等に用いることはできません。
3 その他の留意事項
ア 登記情報提供業務は,様々な経済取引の基礎となる登記情報を広く一般に提供するものであり,指定法人は,国に代わってこのような公共サービスの提供を独占的に行うものであることから,国から提供を受けた登記情報を指定法人の他の事業等に用いることや,指定法人の地位を利用して収益を上げることは認められません。
イ 上記のような指定法人の性質に鑑み,所在地の移転については事前に法務大臣への届出が,指定法人の行う登記情報提供業務に係る予算については事前に法務大臣の認可を受ける必要がそれぞれあります。また,指定法人の役員の選任及び解任は,法務大臣の認可を受けなければ,その効力を生じません。
ウ 登記情報提供業務の一部を外部委託により行うことについては,必ずしも禁止されるものではありませんが,その場合でも,登記情報提供業務は,すべて指定法人の責任において行っていただく必要があります。
エ 参考までに,平成22年4月から平成23年3月までの1年間における利用件数及び手数料収入は,次のとおりです。
<H22.4~H23.3>
利用件数 68,617(千件)
登記手数料収入 27,566(百万円)
指定法人手数料収入(※)1,574(百万円)
※ 平成22年4月から12月までは1件当たり手数料25円,平成23年1月から3月までは1件当たり手数料17円での収入になります。
利用件数の推移
期間 | 平成17年度 | 平成18年度 | 平成19年度 | 平成20年度 | 平成21年度 | 平成22年度 |
利用件数 (千件) |
15,255 | 20,334 | 37,729 | 51,398 | 59,475 | 68,617 |
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