東日本大震災の被災者である相続人の方々へ ~特例法により延長された相続放棄等の熟慮期間は,平成23年11月30日までです。~
Q1
東日本大震災の被災者である相続人について,相続の放棄や限定承認をできる熟慮期間を延長する法律が成立したとききましたが,どのようなものですか。
A
東日本大震災の被災者である相続人について,熟慮期間を平成23年11月30日まで延長することを内容とする「東日本大震災に伴う相続の承認又は放棄をすべき期間に係る民法の特例に関する法律」(以下「特例法」といいます。)が成立し,平成23年6月21日に公布,施行されました。特例法の適用対象である「被災者」の範囲及び特例法の詳細については,こちらを御覧下さい。
特例法で延長された熟慮期間は,平成23年11月30日で満了しますので,御注意下さい。
Q2
「相続の放棄」や「限定承認」とは,どのようなものですか。
A
ある方(被相続人)が亡くなると,その相続人は,被相続人の一切の財産を受け継ぐ(相続する)ことになりますので,被相続人が借金等の債務を負っていた場合には,相続人は,その債務も引き継ぐことになります。
相続人が被相続人の借金等の債務を引き継ぎたくないときは,相続放棄をすることにより,その債務を引き継がないことができます。ただし,相続放棄をすると,被相続人の債務だけでなく,被相続人が有していた財産(土地や預貯金等の権利)も引き継がないことになります。
被相続人の借金などがどの程度あるか不明であり,財産が残る可能性もある場合等には,相続人が相続によって得た財産の限度で被相続人の債務を引き継ぐことができ,これを限定承認といいます。
Q3
平成23年11月30日までに相続の放棄や限定承認をするかどうかを決めることができないときは,どうすればよいですか。
A
特例法は,民法の規定による3か月の熟慮期間を平成23年11月30日まで延長するものですが,その期間を家庭裁判所が更に伸長することを否定するものではありません。したがって,平成23年11月30日までになお相続の放棄や限定承認をするかどうかを決めることができないときは,同日までに家庭裁判所に熟慮期間の伸長の申立てをすることが必要です。
Q4
相続放棄,限定承認,期間の伸長の手続には,何が必要ですか。
A
具体的な必要書類等は,裁判所のウェブサイトを御参照ください。
・相続放棄の場合
・限定承認の場合
・期間の伸長の場合
Q5
どこの裁判所に申立てをすればよいでしょうか。
A
被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申立てをすることになります。
具体的な裁判所の管轄区域は,裁判所のウェブサイトを御参照ください。
Q6
申立ては,郵送でもできますか。
A
郵送により申立てをすることができます。
各家庭裁判所の所在地(住所)は,裁判所のウェブサイトから確認することができます。
Q7
申立てに必要な書類がそろわないのですが,どうしたらいいですか。
A
申立て前に入手が不可能な戸籍等がある場合には,その戸籍等は,申立て後に追加提出することもできます。
Q8
相続放棄の期間の伸長の申立てをしないまま平成23年11月30日が経過した場合,どうなりますか。
A
平成23年11月30日までに(平成23年9月1日以降に自己のために相続の開始があったことを知った場合は,知った時から3か月以内に)相続放棄又は限定承認をしなかったときは,単純承認をしたものとみなされます。すなわち,被相続人の財産と借金等の債務を全て引き継ぐことになります。
Q9
相続について,もっと詳しく知りたいのですが,どうしたらいいですか。
A
相続問題について,もっとお知りになりたい人は,法テラス・サポートダイヤルへお問い合わせください。
問い合わせ先:0570-078374
受付時間:平日9:00~21:00
土曜9:00~17:00
(PHS・IP電話からは03-6745-5600へ)
申立て等の裁判所の手続については,家庭裁判所の家事手続案内を御利用ください。