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平成30年7月豪雨により借金等の返済が困難となった被災者の方へ

再生手続

Q1 再生手続について教えてください。

A 
 再生手続には,通常の再生手続と,その特則である個人再生手続があります。
 法人の場合は,通常の再生手続のみ利用できますが,個人の場合は,通常の再生手続のほか,それをより簡素化した個人再生手続の利用も可能です。
 個人再生手続には,「小規模個人再生手続」と「給与所得者等再生手続」の2種類の手続があります。

Q2 通常の再生手続の流れについて教えてください。


 裁判所は,債務者からの再生手続開始の申立てを受けて,再生手続開始の決定をします。
 この決定がされると,債務者に対して債権(貸金等の請求権)を有する債権者は,債権の届出を求められます。債務者は,自らの財産状況を調査し,将来の返済計画案(再生計画案)を作成し,裁判所に提出します。再生計画案における返済期間は10年以内にする必要があります。
 裁判所は,その再生計画案を決議に付します。再生計画案は,議決権を有する債権者の過半数が賛成し,かつ,その債権額の合計が全債権者の債権総額の2分の1以上の額に当たるときに可決され,裁判所の認可決定を受けます。
 認可決定が確定すると,債務者は,再生計画に定めのない借金等の支払を免除され,再生計画に従って支払義務のある借金等の返済を行うことになります。

Q3 小規模個人再生手続について教えてください。

A 
 小規模個人再生手続は,住宅ローン等を除いた借金等の総額が5000万円以下で,将来において継続的に又は反復して収入を得る見込みのある方が利用できる手続です。
この手続では,原則として3年間(最長でも5年間)のうちに,3か月に1回以上の割合で借金等の返済をする内容の再生計画を作成することを要するほか,再生計画に基づく返済総額(「計画弁済総額」といいます。)が一定の金額以上でなければ再生計画の認可を受けられない旨の定めがあります。
また,再生計画案の決議は,通常の再生手続と異なり,同意しない債権者が半数未満で,その債権額の合計が全債権者の債権総額の2分の1以下であれば可決とみなされます。

Q4 給与所得者等再生手続について教えてください。

A 
 給与所得者等再生手続は,小規模個人再生手続の対象者のうち,サラリーマンなど将来の収入を確実かつ容易に把握することが可能な方を対象とする手続です。
債務者の収入や家族構成等を基に可処分所得(年収から生活に必要な費用を差し引いた額)を算出し,その2年分以上の額を返済の原資に充てることを条件として,再生計画の成立に通常必要とされる再生計画案の決議を省略するなど,小規模個人再生よりも更に手続を簡素化したものです。

Q5 住宅ローン債務を負っているのですが,住宅は手放さなければいけないのですか。

A 
 住宅ローンのための抵当権は,再生手続開始後であっても抵当権者が自由に実行できるので,債務者が住宅を手放さなければならない事態も想定されます。
そこで,経済的に行き詰まった債務者が住宅を手放すことなく生活の再建を図ることができるよう,再生手続では,住宅資金特別条項に関する特則が設けられています。
この特則は,住宅の購入やリフォームなどのための住宅ローン債権で抵当権が設定されているものがある場合には,住宅ローン債権者との事前協議を行った上で,返済期間の延長などをする特別の条項を再生計画に定めることができるというものです。
この再生計画が認められたときは,その再生計画に従って返済をすれば,住宅を手放さずに済みます。