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戸籍の窓口での「本人確認」が法律上のルールになりました

平成20年5月
法務省民事局


    近年、自分の情報を他人に知られたくないという意識が高まり、個人情報保護に関する法律が整備されている中で、他人の戸籍謄本等を不正に取得する事件が発生しています。
 また、消費者金融から借入れを行う等の目的で、他人が勝手にうその婚姻届や養子縁組届を提出して、戸籍に真実でない記載がされるという事件も発生しています。
 そこで、「誰でも戸籍謄本等の交付請求ができる」という従来の戸籍の公開原則を改め、第三者が戸籍謄本等の交付請求ができる場合を制限し、また、うその届出によって戸籍に真実でない記載がされないようにするため、戸籍届出の際の本人確認などが法律上のルールになりました。

戸籍法の改正Q&A

Q1 今回の法改正によって、戸籍のルールのどのような点が変わったのですか。

A 大きく変わった点が2つあります。

1つは、婚姻や養子縁組などの届出の際の本人確認などが法律上のルールになったということです。

もう1つは、戸籍の証明書を取得する要件や手続などが厳しくなったということです。


<戸籍届出の際の本人確認>

Q2 届出の際の本人確認などを法律上のルールにしたのはどのような理由からですか。

A 戸籍は、国民の氏名、生年月日、親子や夫婦関係などの身分関係が記載される大切な帳簿ですから、常に正しい内容である必要があります。ところが、最近、他人が勝手にうその届出をして、戸籍に真実でない記載がされるという事件が発生しています。

そこで、戸籍に真実でない記載がされないようにするため、届出の際の本人確認(証明書の提示など)などを法律上のルールにすることとしたのです。

Q3 具体的にはどのような届出について、どのような取扱いがされるのですか。

A 婚姻、協議離婚、養子縁組、養子離縁、認知の5つの届出(以下「婚姻等の届出」といいます。)について、戸籍の窓口に来られた方の「本人確認」を必ず行うことになります。そして、届出のご本人であることの確認ができなかった場合には、確認できなかったご本人(届出人)に対して、「婚姻等の届出」が受理されたことを、届出人の住所地に郵送等により通知することになります。


【一般的な手続の流れ】

(1) 窓口で本人確認ができた場合

市区町村役場に届出 → 本人確認完了 → 書類審査 → 受理決定

(2) 窓口で本人確認ができなかった場合(郵送による届出を含む)

市区町村役場に届出 → 書類審査 → 受理決定 → 届出人に通知書発送

Q4 本人確認は、どのような方法で行うのですか。

A 戸籍の窓口に来られた方について、運転免許証、写真付きの住民基本台帳カードなどの書類の提示を受ける方法によって本人確認を行います(Q7をご覧ください)。

Q5 私には離婚の届出をする意思はないのですが、妻から届出が出されても受理しないでほしいという申出はできるのでしょうか。

A 婚姻、離婚、養子縁組、養子離縁、認知の5つの届出については、届出が提出される前に、本籍地役場に出向いて「不受理申出書」を提出することができます。なお、この申出の際に、ご本人であることを確認することになります。

(注1)裁判や審判、外国方式による婚姻証書の提出など、報告的な届出の場合は不受理申出がされていても受理されることになります。

(注2)原則として郵送での申出はできません。


<戸籍謄抄本・証明書の交付請求について>

Q6 戸籍の証明書を取得する要件や手続などを厳しくしたのはどのような理由からですか。

A 戸籍の証明書には、婚姻したことや離婚したことなどの個人情報が記載されていますから、他人に不正に取得されないようにする必要があります。ところが、戸籍の証明書についても、最近、不正に他人の戸籍の証明書を取得するという事件が発生しています。そこで、戸籍に記載された個人情報を保護するため、戸籍の証明書を取得する要件や手続などを厳しくすることとしたのです。

Q7 具体的には、どのように厳しくなったのですか。

A 他人の戸籍の証明書を取得するには、自分の権利を行使したり、自分の義務を履行したりするために戸籍の証明書が必要な場合や、国、都道府県、市区町村での手続に戸籍の証明書が必要な場合など、正当な理由がある場合に限ります。

そして、そのような正当な理由があることを、請求書に詳しく記載していただく必要があります。

また、戸籍の証明書を請求する際にも、必ず本人確認を行うことになりました。本人確認の方法は、婚姻等の届出の際の本人確認と同じように、運転免許証、写真付きの住民基本台帳カードなどの書類の提示を受ける方法によって行います。さらに、代理人や使いの方が請求する場合は、代理権限があるかなどの確認(委任状の添付など)も行うことになります。


【本人確認の具体的な証明の例】

※「氏名及び住所」又は「氏名及び生年月日」が確認できるものであることが前提です。

  1枚の提示で足りるもの(例) 2枚以上の提示が必要なもの(例)
証明書の種類 ・運転免許証
・写真付き住民基本台帳カード
(住所地の市区町村で発行)
・旅券(パスポート)
・国又は地方公共団体の機関が発行した身分証明書
・海技免状
・小型船舶操縦免許証
・電気工事士免状
・宅地建物取引主任者証
・教習資格認定証
・船員手帳
・戦傷病者手帳
・身体障害者手帳
・療育手帳
・在留カード又は特別永住者証明書(注)
 (注)平成24年7月9日以降外国人登録証明書は廃止されましたが,一定期間外国人登録証明書が在留カード又は特別永住者証明書とみなされ,外国人登録証明書を在留カード又は特別永住者証明書として利用することができる場合があります。詳細については市区町村の窓口にお問い合わせください。
など  
・写真の貼付のない住民基本台帳カード
・国民健康保険、健康保険、船員保険、又は介護保険の被保険者証
・共済組合員証
・国民年金手帳
・国民年金、厚生年金保険又は船員保険の年金証書
・共済年金又は恩給の証書
・戸籍謄本等の交付請求書に押印した印鑑に係る印鑑登録証明書

※学生証、法人が発行した身分証明書で写真付きのもの
※国又は地方公共団体が発行した資格証明書のうち写真付きのもの(左記に掲げる書類を除く。)
など  

「※」の書類のみが2枚以上あっても確認できませんので、ご注意ください。

Q8 私は結婚して両親とは戸籍が別になっていますが、両親の戸籍謄本を請求するときも「委任状」が必要になるのでしょうか。

A 子どもが両親の戸籍謄本を請求するときや、両親の戸籍に在籍していたが婚姻などにより除籍された方がその戸籍謄本を請求するときは、「委任状」は必要ありません(本人確認の書類は必要です。)

戸籍に記載されている方又はその配偶者、直系尊属(両親や祖父母)若しくは直系卑属(子や孫)は、その戸籍の謄本等の交付請求をすることができます。

Q9 第三者が戸籍謄本を請求することができる場合とは、具体的にはどのような場合をいうのでしょうか。

A 自分の権利を行使したり、自分の義務を履行したりするために戸籍の記載事項を確認する必要があるような場合や、国等に提出する必要があるような場合等をいいます。

具体的な例としては、「(1)提出先は○○家庭裁判所であり、(2)請求者(甲)は、平成○年○月○日に死亡した弟乙の相続人(兄)であるが、乙の遺産についての遺産分割調停の申立てに際して添付資料として乙が記載されている戸籍謄本を提出する必要がある」というような場合です。

Q10 私は会社の社長をしていますが、会社の業務として第三者の戸籍謄本を取得する必要が生じました。私の代わりに社員を戸籍窓口に行かせたいのですが、その場合、どのような書類が必要でしょうか。

A 会社の従業員が窓口で請求するときは、次のいずれかの方法によります。

(1) 社員証の提示及び代表者の資格を証する書面の提出による方法

(2) 法人の代表者が作成した委任状及び代表者の資格を証する書面を提出する方法

Q11 その他に法律が改正された点はありますか。

A 不正な手段で他人の戸籍の証明書を取得した者に対しては、新たに刑罰が科されることになりました。


  ご不明の点がある場合には、市区町村の戸籍の窓口にお尋ねいただくか、お近くの法務局・地方法務局にお問い合わせください。

法律(平成20年5月1日施行)の骨子

第1   戸籍の謄本等の交付請求
  交付請求
  (1)   戸籍に記載されている者等による請求
    戸籍に記載されている者又はその配偶者、直系尊属若しくは直系卑属は、その戸籍の謄本若しくは抄本又は戸籍に記載した事項に関する証明書(以下「戸籍謄本等」という。)の交付の請求をすることができるものとする。(第10条第1項関係)
    市町村長は、アの請求が不当な目的によることが明らかなときは、これを拒むことができるものとする。(第10条第2項関係)
  (2)   第三者請求等
    第三者請求
      (1)アに規定する者以外の者は、次の各号に掲げる場合に限り、戸籍謄本等の交付の請求をすることができるものとする。この場合において、当該請求をする者は、それぞれ当該各号に定める事項を明らかにしてこれをしなければならないものとする。(第10条の2第1項関係)
    (ア)   自己の権利を行使し、又は自己の義務を履行するために戸籍の記載事項を確認する必要がある場合 権利又は義務の発生原因及び内容並びに当該権利を行使し、又は当該義務を履行するために戸籍の記載事項の確認を必要とする理由
    (イ)   国又は地方公共団体の機関に提出する必要がある場合 戸籍謄本等を提出すべき国又は地方公共団体の機関及び当該機関への提出を必要とする理由
    (ウ)   (ア)及び(イ)に掲げる場合のほか、戸籍の記載事項を利用する正当な理由がある場合 戸籍の記載事項の利用の目的及び方法並びにその利用を必要とする事由
    公用請求
  アにかかわらず、国又は地方公共団体の機関は、法令の定める事務を遂行するために必要がある場合には、戸籍謄本等の交付の請求をすることができるものとする。この場合において、当該請求の任に当たる権限を有する職員は、その官職、当該事務の種類及び根拠となる法令の条項並びに戸籍の記載事項の利用の目的を明らかにしてこれをしなければならないものとする。(第10条の2第2項関係)
    弁護士等による請求
    (ア)   アにかかわらず、弁護士(弁護士法人を含む。)、司法書士(司法書士法人を含む。)、土地家屋調査士(土地家屋調査士法人を含む。)、税理士(税理士法人を含む。)、社会保険労務士(社会保険労務士法人を含む。)、弁理士(特許業務法人を含む。)、海事代理士又は行政書士(行政書士法人を含む。)は、受任している事件又は事務に関する業務を遂行するために必要がある場合には、戸籍謄本等の交付の請求をすることができるものとする。この場合において、当該請求をする者は、その有する資格、当該業務の種類、当該事件又は事務の依頼者の氏名又は名称及び当該依頼者についてのアに定める事項を明らかにしてこれをしなければならないものとする。(第10条の2第3項関係)
    (イ)   ア及び(ア)の規定にかかわらず、弁護士、司法書士、土地家屋調査士、税理士、社会保険労務士又は弁理士は、受任している事件について紛争処理手続の代理業務を遂行するために必要がある場合には、戸籍謄本等の交付の請求をすることができるものとする。この場合において、当該請求をする者は、その有する資格、当該事件の種類、その業務として代理し又は代理しようとする手続及び戸籍の記載事項の利用の目的を明らかにしてこれをしなければならないものとする。(第10条の2第4項関係)
    (ウ)   ア及び(ア)の規定にかかわらず、弁護士は、刑事に関する事件における弁護人としての業務等を遂行するために必要がある場合には、戸籍謄本等の交付の請求をすることができるものとする。この場合において、当該請求をする者は、弁護士の資格、これらの業務の別及び戸籍の記載事項の利用の目的を明らかにしてこれをしなければならないものとする。(第10条の2第5項関係)
  本人確認等
  (1)   1の請求をする場合において、現に請求の任に当たっている者は、市町村長に対し、運転免許証を提示する方法その他の法務省令で定める方法により、当該請求の任に当たっている者を特定するために必要な氏名その他の法務省令で定める事項を明らかにしなければならないものとする。(第10条の3第1項関係)
  (2)   (1)の場合において、現に請求の任に当たっている者が、当該請求をする者(1の(2)のイの請求にあっては、請求の任に当たる権限を有する職員。以下「請求者」という。)の代理人であるときその他請求者と異なる者であるときは、当該請求の任に当たっている者は、市町村長に対し、法務省令で定める方法により、請求者の依頼又は法令の規定により当該請求の任に当たるものであることを明らかにする書面を提供しなければならないものとする。(第10条の3第2項関係)
  資料の提供等
  市町村長は、1の(2)の請求がされた場合において、請求者が明らかにしなければならない事項が明らかにされていないと認めるときは、当該請求者に対し、必要な説明を求めることができるものとする。(第10条の4関係)
  除かれた戸籍の謄本等の交付請求
  1から3までの規定は、除かれた戸籍の謄本若しくは抄本又は除かれた戸籍に記載した事項に関する証明書(以下「除籍謄本等」という。)の交付の請求をする場合に準用するものとする。(第12条の2関係)
  受理・不受理の証明書、届書等の記載事項証明書等の請求
  2の規定は、届出に関する受理又は不受理の証明書及び届書等に記載した事項に関する証明書等を請求する場合に準用するものとする。(第48条第3項関係)
第2   戸籍の記載の真実性を担保するための措置
  届出の際の確認手続
  市町村長は、届出によって効力を生ずべき認知、縁組、離縁、婚姻又は離婚の届出(以下「縁組等の届出」という。)が市役所又は町村役場に出頭した者によってされる場合には、当該出頭した者を特定するために必要な氏名その他の法務省令で定める事項を示す運転免許証その他の資料の提供又はこれらの事項についての説明を求めるものとする。(第27条の2第1項関係)
  確認できなかった場合の措置
  市町村長は、縁組等の届出があった場合において、届出事件の本人のうちに、1の規定による措置によっては市役所又は町村役場に出頭して届け出たことを確認することができない者があるときは、当該縁組等の届出を受理した後遅滞なく、その者に対し、法務省令で定める方法により、当該縁組等の届出を受理したことを通知しなければならないものとする。(第27条の2第2項関係)
  届出の不受理申出
  (1)   何人も、その本籍地の市町村長に対し、あらかじめ、法務省令で定める方法により、自らを届出事件の本人等とする縁組等の届出がされた場合であっても、自らが市役所又は町村役場に出頭して届け出たことを1の規定による措置により確認することができないときは当該縁組等の届出を受理しないよう申し出ることができるものとする。(第27条の2第3項関係)
  (2)   市町村長は、(1)の申出に係る縁組等の届出があった場合において、(1)の申出をした者が市役所又は町村役場に出頭して届け出たことを1の規定による措置により確認することができなかったときは、当該縁組等の届出を受理することができないものとする。(第27条の2第4項関係)
  (3)   市町村長は、(2)の規定により縁組等の届出を受理することができなかった場合は、遅滞なく、(1)の申出をした者に対し、法務省令で定める方法により、当該縁組等の届出があったことを通知しなければならないものとする。(第27条の2第5項関係)
第3   その他
  死亡届の届出資格者の拡大
  死亡の届出は、後見人、保佐人、補助人及び任意後見人も、これをすることができるものとする。(第87条第2項関係)
  磁気ディスクをもって調製された戸籍等への準用
  戸籍又は除かれた戸籍が磁気ディスクをもって調製されているときは、第1の1又は第1の4の請求は、戸籍謄本等又は除籍謄本等に代えて、磁気ディスクをもって調製された戸籍又は除かれた戸籍に記録されている事項の全部又は一部を証明した書面についてすることができるものとする。(第120条第1項関係)
  不服申立手続
  (1)   第1の1又は第1の4の請求、第48条第2項の規定による請求及び第3の2の請求について市町村長がした処分に不服がある者は、市役所又は町村役場の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の長に審査請求をすることができるものとする。(第124条関係)
  (2)   (1)の処分の取消しの訴えは、当該処分についての審査請求の裁決を経た後でなければ、提起することができないものとする。(第125条関係)
  学術研究のための戸籍及び除かれた戸籍に関する情報提供
  市町村長又は法務局若しくは地方法務局の長は、法務省令で定める基準及び手続により、統計の作成又は学術研究であって、公益性が高く、かつ、その目的を達成するために戸籍若しくは除かれた戸籍に記載した事項又は届書その他市町村長の受理した書類に記載した事項に係る情報を利用する必要があると認められるもののため、その必要の限度においてこれらの情報を提供することができるものとする。(第126条関係)
  制裁の強化
  (1)   偽りその他不正の手段により、第1の1の戸籍謄本等、第1の4の除籍謄本等又は第3の2に規定する書面の交付を受けた者は、30万円以下の罰金に処するものとする。(第133条関係)
  (2)   偽りその他不正の手段により、第48条第2項の規定による閲覧をし、又は証明書の交付を受けた者は、10万円以下の過料に処するものとする。(第134条関係)
  (3)   正当な理由がなくて期間内にすべき届出又は申請をしない者は、5万円以下の過料に処するものとする。(第135条関係)
  (4)   市町村長が、第44条第1項又は第2項の規定によって、期間を定めて届出又は申請の催告をした場合に、正当な理由がなくてその期間内に届出又は申請をしない者は、10万円以下の過料に処するものとする。(第136条関係)
  (5)   正当な理由がなくて届出又は申請を受理しないとき等戸籍事件について職務を怠ったときは、市町村長を、10万円以下の過料に処するものとする。(第137条関係)
  施行期日
  平成20年5月1日



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