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第1 新司法試験を通じて選抜すべき法曹像

○  これからの法曹には,「豊かな人間性や感受性,幅広い教養と専門的知識,柔軟な思考力,説得・交渉の能力等の基本的資質に加えて,社会や人間関係に対する洞察力,人権感覚,先端的法分野や外国法の知見,国際的視野と語学力」などの資質が求められるが,これらの資質は,「プロセス」としての新たな法曹養成制度全体を通して涵養されるべきものである。
○  新司法試験は,法科大学院の教育を踏まえたものとし,司法修習を経れば,法曹としての活動を始めることができる程度の能力を備えているかどうかを判定するものとする。
○  新司法試験の実施に当たっては,法科大学院における教育及び司法修習との有機的連携に配慮する必要がある。
  • 司法制度改革審議会意見書において,21世紀の司法を担う法曹に必要な資質として,「豊かな人間性や感受性,幅広い教養と専門的知識,柔軟な思考力,説得・交渉の能力等の基本的資質に加えて,社会や人間関係に対する洞察力,人権感覚,先端的法分野や外国法の知見,国際的視野と語学力等」が挙げられており(同意見書56頁),基本的には,「新司法試験を通じて選抜すべき法曹像」もこれと重なる。
  • 法曹に必要とされるこれらの資質は,「プロセス」としての新たな法曹養成制度全体を通して涵養されるべきものであり,改正司法試験法に定められた試験科目と試験方法では,それらの資質すべてを判定し得るものではないことにも留意すべきである。
  • 新司法試験は,法科大学院の教育を踏まえ,これからの法曹に必要とされる資質を念頭に置いて,司法修習を経れば,法曹としての活動を始めることができる程度の知識,思考力,分析力,表現力等を備えているかどうかを判定する試験として,実施すべきである。
  • 改正司法試験法第1条第3項及び法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律第2条第1項第2号,3号の趣旨にかんがみ,新司法試験の実施に当たっては,法科大学院における教育及び司法修習との有機的連携に配慮する必要がある。