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特捜部検事


東京地方検察庁検事(筆者は右端)
経歴
 平成15年に任官後,東京,大阪,福島,横浜,松山,新潟の各地方検察庁で勤務。
   その他,法務省大臣官房司法法制部,日本司法支援センターで勤務。
   また,イギリスで在外研究を経験。

特捜部での仕事

検事になりたい!

 「被害者の力になりたい。」 そんな思いを胸に検事になりました。検事になって初めて配点されたのは,小学生の女の子が路上でわいせつ被害にあった事件。なかなか事件のことを話したがらない女の子の様子から,心の傷の深さは推して知るべしでした。彼女とは色々な話をしました。学校のこと,習い事のこと,好きな食べ物のこと。その中で,少しずつ事件の話もしてくれるようになり,最終処分を決するに至りました。事情聴取は今日が最後という時,彼女は何か言いたそうにもじもじしていました。「なあに?」と尋ねると,彼女はこう言いました。「検事さんになるにはどうしたらいいの?」
 検事冥利に尽きる一言でした。

いろんなことがやりたい!

 とはいえ,いつもいつもうまくいくかというと,そういう訳でもなく,被害者の真の思いを酌みとれなかった自分にへこんだり,被疑者に嘘をつかれて悔しい思いをしたり。失敗もたくさんしましたが,検察庁は,意欲があれば,色々な経験を得るチャンスが巡ってくる職場でした。検事になって15年目になりますが,その間,様々な事件に携わらせてもらいました。ホームレスによる万引き事件,電車内の痴漢事件,振り込め詐欺組織を一斉検挙した事件,暴力団組織による薬物密売の事件,交通事故の事件,そして,人が亡くなった事件。こうした捜査や公判の現場だけではなく,法務省では立法作業や国会対応に携わり,他機関への出向や留学も経験しました。こんな仕事もあったのだと,異動の度に新鮮です。

そして,特捜部

 特捜部で扱う事件は,脱税事件,インサイダー取引といった経済事件,贈収賄といった汚職事件などで,必ずしも個別の「被害者」がいるわけではありません。例えば,コンビニ強盗の被害者店員などのように,「被害者」がいれば,その被害者が被害を訴えて事件が明るみになり,捜査が始まるのですが,そのような「被害者」がいるわけではない場合にはどうするか。被害の訴えがないからといって,こうした事件を埋もれさせたままにしておくわけにはいきません。それで,特捜部では,チームで,こうした事件の「掘り起こし」をしています。
 その最初のとっかかりは,ちょっとしたお金の動きであったり日々送られてくる投書の1つであったり。そうしたところから,こつこつと捜査を進めていくと,結局事件ではなかったということもあるのですが,逆に,埋もれていた事件があぶり出されてくることもあります。このように,特捜部で扱う事件は,自分達で切り開かないと何も始まらないのですが,チーム一丸となって切り開いた時の達成感はひとしおです。

おわりに

 色々な経験ができる検事の仕事,やりがいがあっておすすめですよ。