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公安審査委員会公益通報事務処理要領

平成21年12月21日
公安審査委員会委員長通達
改正 平成28年11月9日

公安審査委員会に対して,公益通報(公益通報者保護法(平成16年法律第122号。以下「法」という。)第2条第1項に規定する公益通報をいう。以下同じ。)があった場合又は公益通報をしようとする者若しくは公益通報をした者から当該公益通報に関連する相談の申出(以下「相談の申出」という。)があった場合の取扱いは,以下の要領による。

1 通報・相談窓口

(1) 公安審査委員会事務局に,公益通報に関する通報・相談窓口(以下「通報・相談窓口」という。)を設ける。

(2) 通報・相談窓口は,次に掲げる事務を取り扱う。

ア 公安審査委員会に対してなされた公益通報を受け付けること。

イ 相談の申出に応じること。

ウ 公安審査委員会に対して,公安審査委員会を労務提供先(法第2条第1項に規定する労務提供先をいう。7において同じ。)とする労働者(同項に規定する労働者をいう。7において同じ。)以外の者から,公安審査委員会の機関又はその職員について,通報対象事実(同条第3項に規定する通報対象事実をいう。7において同じ。)が生じ,又はまさに生じようとしている旨の通報があった場合において,当該通報(以下「準公益通報」という。)を受け付けること。

(3) 通報・相談窓口の担当職員は,公益通報若しくは準公益通報を受け付け,又は相談の申出に応じるに当たっては,公益通報若しくは準公益通報をしようとする者又は相談の申出をした者(以下「通報者等」という。)の秘密保持に配慮しつつ通報者等の氏名及び連絡先並びに関係事実を把握するように努めるとともに,通報者等に対する不利益な取扱いがなされることがないこと及び通報者等の秘密は保持されることを説明するものとする。

(4) 公益通報及び準公益通報は,通報書(様式第1号)の提出を受ける方法により受け付けるものとし,国家公務員倫理法及び国家公務員倫理規程に違反する行為に係る内部通報(法第3条第1号に規定する公益通報をいう。)については,電話又は面談により通報書に登載すべき内容を申し出る方法も認めるものとする。

なお,通報書は,郵送又は電子メールによるほか,通報書の内容が記録された電磁的記録媒体等の提出を受ける方法によることもできるものとする。

(5) 匿名による通報があった場合には,情報提供として受け付けるなど,可能な限り,この要領に定める手続に準じて取り扱うものとする。

(6) 公安審査委員会事務局長(以下「事務局長」という。)は,通報・相談窓口の専用電子メールアドレスを法務省のウェブサイト等において公開しておくものとする。

2 公益通報担当者

(1) 事務局長は,公安審査委員会事務局職員の中から公益通報担当者を定めるものとする。

(2) 公益通報担当者は,公益通報及び準公益通報の処理に関して,大臣官房秘書課及び大臣官房人事課と内部部局等との間の連絡調整に当たるものとする。

3 内部通報及び準公益通報の取扱い

(1) 受理・不受理の判断

事務局長は,通報・相談窓口において内部通報及び準公益通報(以下「内部通報等」という。)を受け付けたときは,遅滞なく,これを受理するか否かを判断しなければならない。ただし,内部通報については,法定の要件を欠く場合でなければ,受理しない旨の判断をすることができない。

(2) 受理・不受理の通知

事務局長は,内部通報等を受理したときはその旨及び公益通報担当者等を,受理しないときはその旨及びその理由を,受理通知書(様式第2号)又は不受理通知書(様式第3号)をもって,内部通報等を申し出た者に通知するものとする。

なお,職員からの内部通報に係る受理通知書及び不受理通知書には,職員が内部通報をしたこと又はしようとしたことを理由として不利益な取扱いを受けた場合には,その内容等に応じて,人事院に対する不利益処分についての不服申立て又は勤務条件に関する行政措置の要求,苦情相談制度等を利用できる旨を付記するものとする。

(3) 事案の処理

ア 調査の必要性の検討

事務局長は,当該内部通報等に関する調査の必要性を検討し,必要な場合には調査を行うものとする。

イ 調査開始・不開始の通知

事務局長は,調査を行う場合はその旨,着手の時期及び当該内部通報等の処理に必要と見込まれる期間(当該期間を定められないときは,その理由)を,調査を行わない場合はその旨及びその理由を,調査開始通知書(様式第4号)又は調査不開始通知書(様式第5号)をもって,当該内部通報等をした者に通知するものとする。ただし,通知をすることにより調査の遂行に支障が生じる場合その他通知をすることが相当でない場合は,この限りでない。

ウ 秘密等の保持

調査は,内部通報等をした者が特定されないよう十分配慮しつつ,遅滞なく,必要かつ相当と認められる方法で行うものとする。特に,関係者の秘密,信用,名誉及びプライバシーの保持に配慮しなければならない。

エ 是正措置等

事務局長は,調査の結果,法令違反が存すること等是正を要する状況が存在すること又は存在したことを認めたときは,速やかに,是正のための措置及び再発防止のための方策等(以下「是正措置等」という。)を講ずるとともに,必要があるときは,関係者の処分を行うための措置を講ずるものとする。

オ 調査結果等の通知

事務局長は,調査を終えた場合において,是正措置等を講じたときはその内容を,是正措置等を講じないときはその旨及びその理由を,調査結果とともに,調査結果等通知書(様式第6号)をもって,当該内部通報等をした者に通知するものとする。ただし,通知をすることにより,関係者の秘密,信用,名誉,プライバシー等の利益を侵すこととなる場合又は公務の遂行に支障が生じる場合には,この限りでない。

カ 情報として取り扱う場合

アの定めにかかわらず,準公益通報について送付を受けた事務局長は,事案の内容等を勘案し,これを法令遵守に資する情報として取り扱うにとどめることができる。この場合においては,その旨を,情報受理通知書(様式第7号)をもって,当該準公益通報をした者に通知するものとする。

(4) 通報者の保護

ア 内部通報等をした者に対し,内部通報等をしたことを理由として不利益な取扱いをしてはならない。

イ 内部通報をした者又は内部通報をしようとした者に対し内部通報をしたこと又は内部通報をしようとしたことを理由として懲戒処分その他の不利益な取扱いをした職員に対しては,懲戒処分その他の厳正な措置をとるものとする。正当な理由なく,内部通報等に関する秘密を漏らした職員に対しても,同様とする。

(5) 通報者のフォローアップ

事務局長は,内部通報に係る処理が終結した後,内部通報をした者に対し,内部通報をしたことを理由とした不利益な取扱いや職場内での嫌がらせが行われていないか等について適切に確認するなど,内部通報をした者を保護するための十分なフォローアップを行うものとする。

(6) 通報関連資料の整理

事務局長は,内部通報等の処理に係る記録及び関係資料について,適切な保存期間を定めた上で,内部通報等をした者の秘密保持に配慮して,適切な方法で管理しなければならない。

(7) 職員への周知

ア 事務局長は,研修の実施,説明会の開催その他適切な方法により,通報・相談窓口及び公益通報の仕組み等について,すべての部下職員に周知するよう努めるものとする。

イ 事務局長は,職員がその部下職員等から内部通報を受けた場合,当該内部通報を受けた職員が自ら行える範囲で必要に応じ調査を行うとともに,当該内部通報を受けた職員の上司への報告,通報・相談窓口への通知その他適切な措置を遅滞なくとるべき旨を周知するものとする。

(8) 協力義務

ア 職員は,正当な理由がある場合を除き,事務局長が行う調査に誠実に協力しなければならない。

イ 職員は,内部通報について,他の行政機関その他公の機関から調査等の協力を求められたときは,正当な理由がある場合を除き,必要な協力をするものとする。

4 外部通報の取扱い

公安審査委員会に対し,外部通報があった場合の取扱いは,以下の要領による。

(1) 外部通報をした者への教示

事務局長は,外部通報を受理しない旨及びその理由を,不受理通知書(様式第8号)をもって,外部通報を申し出た者に通知するものとする。この場合において,公安審査委員会が外部通報について処分又は勧告等の権限を有せず,他の行政機関が処分又は勧告等の権限を有することを理由として当該外部通報を受理しないこととするときは,不受理通知書に,当該権限を有する行政機関を明示して,当該外部通報をした者に教示しなければならない。

(2) 情報としての受理

事務局長は,外部通報を受理しないこととした場合において,事案の内容等を勘案し,これを法令遵守に資する情報として受け付けることができる。この場合においては,その旨を,不受理通知書に代えて,情報受理通知書をもって,当該外部通報をした者に通知することができる。

(3) 通報関連資料の整理

事務局長は,外部通報の処理に係る記録及び関係資料について,適切な保存年限を定めた上で,外部通報をした者の秘密保持に配慮して,適切な方法で管理しなければならない。

(4) 協力義務

職員は,外部通報について,他の行政機関その他公の機関から調査等の協力を求められたときは,正当な理由がある場合を除き,必要な協力をするものとする。

5 相談の申出

(1) 通報・相談窓口に対して相談の申出があった場合には,その相談の趣旨に応じて,相談の申出をした者に対し,必要な教示,援助等を行うものとする。

(2) 相談の申出をした者に対し,そのことを理由として不利益な取扱いをしてはならない。3(4)イの定めは,相談の申出について準用する。

6 秘密保持の徹底,利益相反行為の排除

通報処理に従事する者は,通報に関する秘密を漏らしてはならない。また,自らが関係する通報事案の処理に関与してはならない。

7 その他

公安審査委員会に対して,公安審査委員会を労務提供先とする労働者から,法務省の機関又はその職員について通報対象事実以外の法令等に違反する状況が生じ,又はまさに生じようとしている旨の通報があった場合における当該通報の取扱いについては,当分の間,この要領に定める内部通報に関する取扱いに準じるものとする。