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京都コングレスの開催について

1 はじめに

国連犯罪防止刑事司法会議(コングレス)は,犯罪防止・刑事司法分野における国連最大規模の国際会議であり,1955年以降,5年ごとに開催されています。

この会議には,司法大臣や検事総長など,この分野における専門家が多数参加し,効果的な犯罪防止対策や刑事司法分野の諸問題,国際協力の在り方などについて議論し,その成果として政治宣言を採択します。

2015年にカタールのドーハで開催された第13回コングレスにおいては,世界140以上の国から,犯罪防止・刑事司法の専門家約4,000人が参加しました。

そして,その第13回コングレスにおいて,第14回コングレス(2020年開催京都コングレス)が日本で開催されることが決定され,2017年8月,京都開催が閣議で了解されました。

また、2018年5月、ウィーンで行われた第27会期国連犯罪防止刑事司法委員会において、京都コングレスの日程が2020年4月20日(月)から27日(月)までの8日間に決定されました。

日本は1970年にヨーロッパ以外で初めてコングレスのホスト国となっていたところであり,次回の京都コングレス開催は,それからちょうど50年ぶりとなります。

2 コングレスの内容

コングレスでは,全体会合,政府高官が出席するハイレベルセグメント,ワークショップ等が開催されるとともに,サイドイベント(後述)が行われます。

京都コングレスのメインテーマは「2030アジェンダの達成に向けた犯罪防止,刑事司法及び法の支配の推進」です。政府一丸となって取り組んでいる持続可能な開発目標(SDGs)の達成とも関連が深く,国際的にも国内的にも大きな注目を集めることとなると思われます。

メインテーマの下で,再犯防止,法の支配の推進,テロ対策などが議論される予定であり,その中で取り上げられる「法の支配の促進とこれを支える法遵守の文化の醸成」は,我が国が特に重視するテーマです。法の支配の促進は,SDGsのゴール16達成のために欠かすことのできないものであり,法の支配という普遍的な価値の実現を目指し,京都コングレスに向けて、各国とより緊密な連携・協力関係を築いていく必要があります。

第14回コングレス全体テーマ等(仮訳)の画像

第14回コングレス全体テーマ等(仮訳)

  • ドーハコングレスのステージの画像

    ドーハコングレスのステージ

  • ドーハコングレスの会場の画像

    ドーハコングレスの会場

3 サイドイベント

サイドイベントでは,刑事政策等に関する諸問題を議論する専門家ミーティングや視察等のほか,会場内の一部に展示ブースを設置し,政府関係者,NGO,学会,民間企業などによる取組に関する展示等が行われます。前回の第13回コングレスにおいては,8日間の開催期間に合計195のイベントが開催され,延べ約6,500人が参加しました。

京都コングレスにおいては,参加各国の高官を始めとする世界各国からの参加者に対し,優れた日本のセキュリティ技術や日本企業の防犯に向けた取組などをアピールできる機会にもなるでしょう。

また,未来の担い手である若者がコングレスを通じて海外の同世代の多様な価値観に触れるとともに,パートナーシップを築くことが重要であると思います。第13回コングレスにおいても,犯罪防止・刑事司法に関する諸問題を話し合うための若者によるフォーラム(ユースフォーラム)の開催や,学生ボランティアによるサイドイベントの通訳など,多数の若者の活躍がありました。

京都コングレスにおいてもユースフォーラムを開催するなど,若者の参加を呼び掛ける予定です。多くの若者が犯罪防止・刑事司法の議論に関わることにより,若者がコングレスから学ぶだけでなく,若者の参画による多様な議論の成果を後世に残したいと考えています。

  • 専門家ミーティングの画像

    【専門家ミーティング】

  • 日本政府の展示の画像

    【日本政府の展示】

4 おわりに

京都コングレスが開催される2020年は,前回日本で開催されたコングレスから50年後の節目の年であり,東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催される記念すべき年でもあります。

京都コングレスにおいては,この50年の我が国のたゆまぬ努力の結実としての国家の成熟や法の支配の浸透を世界中の方々に体感していただきたいと考えています。

さらに,国民の皆様にも,「安全・安心の社会,国」という私たちの財産が,努力の積み重ねの上にできたものであることを理解していただき,再犯防止も含めて,それを支える法遵守の文化についても関心を高めていただければと思います。

<リンク>

法務省「第14回国際連合犯罪防止刑事司法会議(京都コングレス)」