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アルジェリア

アルジェリアでは、1990年代前半にアフガニスタンからの帰還者らによって設立されたイスラム過激組織「武装イスラム集団」(GIA)(注104)が、政府等に対するテロを繰り返し実行し、1998年までに10万人以上が犠牲になった。同組織が残虐な無差別テロを繰り返した結果、アルジェリア内外の支持者は同組織から離反し、1998年には、同組織の元司令官ハサン・ハッターブが、分派組織「宣教と戦闘のためのサラフィスト・グループ」(GSPC)(注105)を設立した。1999年、ブーテフリカ大統領(当時)は、投降したイスラム過激組織メンバーに恩赦を与えるとともに、テロリストの掃討作戦を実施し、治安情勢は大きく改善したが、GSPC等の一部勢力は、山岳地帯に残存し、抵抗を続けた。

2004年にGSPC指導者となったアブデルマレク・ドルークデルは、2006年、「アルカイダ」最高指導者オサマ・ビン・ラディン(当時)に忠誠を表明し、2007年1月には、組織名を「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ」(AQIM)に改称した。同組織は、同年12月、首都アルジェで国連事務所及び憲法裁判所を標的とした同時自爆テロ等を実行した。

2011年10月、アルジェリア西部では、ティンドフ県の西サハラ難民キャンプにおいて、AQIM関連組織「西アフリカ統一聖戦運動」(MUJAO)(注106) が、人道支援活動家3人を誘拐した(注107) 。また、2013年1月には、武装勢力が南部・イリジ県イナメナス近郊の天然ガス関連施設を襲撃し、邦人10人を含む多数が死亡する事件が発生した。同事件の首謀者は、AQIM元幹部で「覆面旅団」(注108)指導者のモフタル・ベルモフタルであったとされる(注109)

このほか、AQIMから離脱し、「イラク・レバントのイスラム国」(ISIL)に忠誠を表明した勢力が、2014年9月、北部・ティジウズ県で、フランス人登山家を誘拐し、殺害している。

なお、外国人戦闘員としてイスラム過激組織に参加するため、170人がアルジェリアからイラクやシリアに渡航したとの指摘がある(注110)

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