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モルディブ

モルディブでは、2007年9月、首都マレのスルタン・アフメット公園で爆弾テロ(邦人2人を含む12人が負傷)が発生し、「アンサール・アル・ムジャヒディン」を名のる組織(注61)が、「モルディブの兄弟たちがあなた方を待っている」などと主張する動画を「アルカイダ」系のインターネット上の掲示板に投稿したとされるなど(注62)、「アルカイダ」の浸透が確認されるようになった。その後、2014年9月には、イラク及びシリアで台頭し始めた「イラク・レバントのイスラム国」(ISIL)の旗を掲げた300人の群衆がイスラム法による「統治」を求めてマレでデモ行進を実施するなど、ISILの影響も見られるようになった。

こうした中、モルディブからは、外国人戦闘員(FTF)としてISIL等に参加するために423人がイラク又はシリアへの渡航を試み、このうち173人が実際に渡航したとされる(注63)。同423人の中には、ギャング団とのつながりを有する者が相当数存在するとの指摘もなされている(注64)(注65) 。また、モルディブ国内では、ISILの影響を受けた者らによる自爆テロ計画の摘発(2017年9月)等テロ関連事案が断続的に発生している。

一方、モルディブ政府は、2015年にテロ対策法を制定し、紛争地域への渡航、戦闘行為への参加等を処罰の対象としたほか、2016年には、国家テロ対策センター(NCTC)を設立するとともに、国会で「テロリズム及び過激主義に係る国家対策」が承認されたことにより、海外での戦闘参加を企図した者の出国を差し止めるなど、テロ対策を推し進めている。

近年、モルディブで発生した主なテロ関連事案は下表(当庁作成)のとおりである。

【主なテロ関連事案(2020年以降)】

年 月 日 場 所 概 要
20. 2. 4 北マレ環礁フルマレ島  武装集団が、刃物で中国人2人及びオーストラリア人1人を刺傷(注66)
20. 4.15 南アリ環礁マヒバッドホー島  港に停泊していた警察等の船舶5隻が焼い弾で放火され、ISILが初めてモルディブにおけるテロ実行を主張(注67)
20.11.11 首都マレ及びター環礁ティマラフシ島  学校での爆弾テロを計画したとして、ISIL支持者6人が逮捕
21. 5. 6 マレ  ナシード国会議長(元大統領)が自宅付近で車両に乗り込む際、付近で爆弾が爆発(同議長含む6人負傷)
22.11.11 マレ、カーフ環礁グレイドホー及びアドゥ環礁  海外のイスラム過激組織と共謀し、モルディブ国内での爆弾テロを計画したとして、ISIL支持者とされる(注68)14人が逮捕

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