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エチオピア

エチオピアでは、反政府武装組織「オロモ解放戦線」(OLF)(注21)が、中部及び南部に多く居住するオロモ族の民族自決を主張してテロを引き起こしてきた。また、ソマリア人が大半を占める東部のオガデン地域では、2008年9月、人道支援活動に従事していた日本人女性医師らが武装勢力に誘拐され、隣国のソマリア首都モガディシュに連れ去られる事件が発生した(2009年1月解放)。その後、エチオピア政府は、OLFに対する掃討作戦を実施してきたが、同組織内で平和路線を望む動きが強まったこと等から、2018年に同組織のテロ組織指定を解除した。

他方、エチオピア政府は、2006年当時、隣国ソマリアのイスラム主義反政府連合組織「イスラム法廷連合」(UIC)(注22)の影響が自国のソマリア系住民による分離独立運動に波及することを懸念し、モガディシュ近郊に軍を派遣したことから、ソマリアの「アルカイダ」関連組織「アル・シャバーブ」から敵として繰り返し名指しされている。2013年10月、首都アディスアベバにおいて発生した「アル・シャバーブ」による爆弾テロ以降、同組織による大規模なテロは発生していなかったが、「アル・シャバーブ」は、2022年7月、エチオピア南東部・ソマリ州に対して、ソマリアから越境して攻撃を仕掛け、エチオピアの警察官17人を殺害するテロを実行した。エチオピア治安当局は、越境の意図について、「アル・シャバーブ」は、OLFと関係を構築しようとしていたとの見方を示した。

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