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ナイジェリア

ナイジェリアでは、ボルノ州等北東部を中心に、2009年以降、「ボコ・ハラム」等イスラム過激組織が、政府関係者、軍部隊、キリスト教徒等を標的としたテロを多発させた。

ジョナサン大統領(当時)は、2013年5月、「ボコ・ハラム」が北東部の一部を占領しているとの認識を示した上で非常事態を宣言し、ボルノ、ヨベ及びアダマワの北東部3州に駐留する軍部隊を増員するなど、同組織に対する掃討作戦を強化した。しかし、同組織は、2014年4月、ボルノ州で200人以上の女子学生を誘拐したほか、同年8月に北東部の一部を占領してイスラム法による「統治」を宣言し、更に占領地域の拡大を図るなど、活動を活発化させた。

「ボコ・ハラム」最高指導者アブバカル・シェカウ(当時)は、2015年3月、「イラク・レバントのイスラム国」(ISIL)最高指導者アブ・バクル・アル・バグダディ(当時)に忠誠を誓う旨表明し、以降、「ボコ・ハラム」はISILの「西アフリカ州」(注16)を自称するようになった。しかし、ISILは、シェカウではなく、「ボコ・ハラム」幹部であったアブ・ムスアブ・アル・バルナウィをISILの「西アフリカ州」指導者に指名したことから、バルナウィが率いる「西アフリカ州」とシェカウが率いる「ボコ・ハラム」が分裂して対立した。

「西アフリカ州」は、2021年5月、ボルノ州にある「ボコ・ハラム」の拠点を襲撃し、追い詰められたシェカウは、自爆ベストを起爆して死亡した(注17)。その後、同人の死亡を受け、「ボコ・ハラム」は、大量のメンバーがナイジェリア及びカメルーン当局に投降したほか、一部は「西アフリカ州」に吸収されるなど、勢力が減少した。

ナイジェリアでは、2022年、「西アフリカ州」がテロを活発化させ、ISILが発表した関連組織による各国テロ件数において最多となる500件以上のテロを記録した。他方、「ボコ・ハラム」は、同年、ボルノ州バマ地区を中心にメンバーが再起したとされ、「西アフリカ州」と散発的に衝突を繰り返している。

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