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不安を差別につなげちゃいけない

 新型コロナウイルス感染症の感染状況は一進一退が続いています。感染者が増加するたびに,感染拡大防止のための対策をとることが求められることになりますが,先が見通せないことで,私たちの日々の生活に不安が広がっているようにも感じられます。不安に思うあまり,コロナ対策のつもりが過剰な反応になり,誰かを傷つけてしまってはいないでしょうか。皆様に今一度このことを考えるきっかけとしていただくため,法務省では,「不安を差別につなげちゃいけない。」をキャッチフレーズにした人権啓発キャンペーンを実施しています。
  地域,学校,会社において,差別が生まれる瞬間についての動画を法務省の特設サイトで公開しています。
  (https://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken02_00022.html
  動画を御覧いただいて,自分の言葉や行動が偏見や差別につながっていないか,「誰か」のことではなく「自分のこと」として考えていただければと思います。

  特設サイトでは,事例として,感染者やその家族を過剰に避けたり非難したりすることで,偏見や差別が生まれていることなどを挙げています。感染しないよう気を付けていても,誰でも感染する可能性があるということを思い起こし,相手の立場に立って,正しい知識をもとに,思いやりをもって接するようにしましょう。
  また,感染者と同じ大学に通っている,同じ地域の居住者であるというだけで偏見や差別の対象となることがあります。思い込みを避けて正しい情報を確認し,冷静に行動するようにしましょう。

      自分は差別などしていない,そう思う方であっても,今一度ここで立ち止まって差別について考えてみませんか。そのような無意識の自分に問いかけることは,ヘイトスピーチにおいても大切なことだと考えられます。
  不安や不満から逃れようと,無意識のうちに,日常のふとした瞬間に,特定の集団を敵とみなすような偏見や差別が生まれ,やがては,その集団に属する人を排斥しようとしたり,いわれのない非難の言葉を投げかけたりするようになるのではないでしょうか。
  ヘイトスピーチは,対象とされた人の個人としての尊厳を傷つけ,社会に差別意識を生じさせ,分断をもたらすものにもなりかねず,決してあってはならないものです。
  ヘイトスピーチのない,多様性と包摂性のある誰一人取り残さない社会を実現するためには,一人一人がヘイトスピーチを含むあらゆる偏見や差別をなくすことが必要です。
  人権啓発キャンペーンを参考に,一人一人が,差別が生まれる瞬間に気付き,根拠のない思い込みによる過剰な反応ではなく,相手の立場に立った行動をとることができるように,一緒に考えてみませんか。

不安を差別につなげちゃいけない