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毎年1月は、「ライフ・イン・ハーモニー推進月間」です!

 何年か前に、とある美術館に行ったときのことです。
 その美術館では、フラッシュを使用しなければ、展示作品を写真撮影することは可能でした。来館者への注意事項を確認した上で、フラッシュを使用せず、もちろん三脚も使用せず、作品の写真を撮りました。すると後ろから、「写真を撮っている人がいるよ。そういうことをするのは中国人に違いない。」という声が聞こえてきました。
 「いや、私日本人ですけど。そもそもフラッシュを使わなければ、写真撮影可能ですけど。入口に書いてあったでしょ!」と心では思いつつも、トラブルになっても嫌なので、その場は黙って立ち去りました。

 この美術館でのできごとを、「美術館に行ったら、展示作品をカメラで撮っている非常識な中国人を見た。」とでも発信されたらどうなるでしょうか。
 この美術館は写真撮影可能なので、その点でそもそも投稿者の確認不足であり、思い込みによる非難です。さらに、それを中国人と決めつけるのは、偏見でしかありません。当事者である私だけは、真実を知っています。しかし、「実際に見た人がいるのだから、間違いない。」と思ってしまう人もいるのではないでしょうか。それだけでなく、真実だと思って拡散してしまう人もいるかもしれません。

 インターネット上には、真偽不明の情報があふれています。
 故意に虚偽の情報を流すことはあってはなりませんが、本人は真実だと思い込んでいたとしても、結果として誤った情報を流してしまうこともあります。
 どうすれば、思い込みや偏見をなくせるでしょうか。
 それには、他国の文化等に直接触れたり、互いに交流したり、自分自身で経験することも一つの方法かと思います。

 外国人との共生社会の実現に向けて、共生社会への関心や理解を深めることを目的に、毎年1月(1月1日~31日)を「ライフ・イン・ハーモニー推進月間」と定め、同期間を中心に各種啓発活動が行われています。
 1月19日(日)には、同月間の会場参加型イベントとして、東京お台場にある東京国際交流館プラザ平成において「オール・トゥギャザー・フェスティバル2025」が開催されます。
 今回は、「楽しむことから始めよう!世界とつながる交流体験」をテーマに、様々なステージ企画、共生社会の実現に向けた取組を紹介するブース展示、体験ワークショップ、各国の民族衣装やスポーツ体験などのコンテンツが用意されています。
 入場無料ですので、ぜひ御参加ください。
 →特設サイト https://alltfes.jp/

 また、法務省の人権擁護機関では、このライフ・イン・ハーモニー推進月間の機会を捉え、ヘイトスピーチがあってはならないという意識を社会に醸成するため、全国20カ所の屋外ビジョンにおいてヘイトスピーチに関する啓発動画を放映しています。

 お互いの人権を尊重し合う社会を共につくっていきましょう。
 
ヘイトスピーチ、許さない。