CONTENTS
「人権擁護功労賞」受賞者が発表されました
平成27年12月4日(金),法務省及び全国人権擁護委員連合会の主催による平成27年度「人権擁護功労賞」の受賞者が次のとおり発表されました。
この「人権擁護功労賞」は,人権擁護委員の活動等を通じて関わりのある企業やNPO法人等の団体及び個人の中から,人権擁護上,顕著な功績があったと認められた方に対し,法務大臣及び全国人権擁護委員連合会会長が表彰を行うもので,12月中に法務省及び各法務局・地方法務局において表彰伝達式が執り行われました。
なお,平成27年度から,人種,障害の有無などの違いを理解し,自然に受け入れ,互いに認め合う共生社会(ユニバーサル社会)の実現に向けた人権擁護活動において顕著な功績があったと認められた方を表彰するため,人権擁護功労賞特別賞(ユニバーサル社会賞)を新設しました。
- ○法務大臣表彰状
- 公益社団法人日本プロサッカーリーグ(東京都文京区)
- ○法務大臣表彰状(ユニバーサル社会賞)
- 市民グループええじゃん(Asian)(広島県廿日市市)
- 特定非営利活動法人女のスペース・おん(北海道札幌市)
- 高松朗読会(香川県高松市)
- ○全国人権擁護委員連合会会長表彰状
- 株式会社有明新報社(福岡県大牟田市)
- ○法務大臣感謝状
- 株式会社山形新聞社(山形県山形市)
- ○全国人権擁護委員連合会会長感謝状
- 九州旅客鉄道株式会社豊後竹田駅(大分県竹田市)
受賞団体の功績の概要及びコメント
1 法務大臣表彰状
○公益社団法人日本プロサッカーリーグ (東京都文京区)
功績の概要
同団体は,平成19年度から,法務省人権擁護局との連携協力による「Jリーグ百年構想・子どもの人権プログラム」をスタートさせ,同リーグ所属クラブチーム,法務局・地方法務局,人権擁護委員組織体等が連携した人権啓発活動を開始した。
以後,現在に至るまで,全国各地のサッカー公式戦会場等において,サッカー観戦者に対して,人権尊重思想の普及高揚,人権相談窓口の開設等の法務省の人権擁護機関の取組を周知する「スタジアム啓発」や全国各地の学校等を会場として,同リーグ所属クラブチームのサッカー選手等を講師とした「スポーツ人権教室」等,地域に密着し,かつ青少年に多大な影響を与える同リーグ組織の特性をいかした啓発活動を法務省の人権擁護機関と連携して実施している。
これらの活動は,人権尊重思想の普及高揚と法務省の人権擁護機関が行う人権擁護活動への支援及び協力において,顕著な功績があるものとして評価された。
公益社団法人日本プロサッカーリーグ
受賞団体からのコメント(抜粋)
この度は「人権擁護功労賞」と大変名誉な賞をいただき誠にありがとうございます。「スポーツで,もっと幸せな国へ。」をスローガンに我々が目指す豊かなスポーツ文化の振興と国民の心身の健全な発達への寄与のためには,誰もが安心して楽しめるスタジアム作りが不可欠です。今後も全国の加盟クラブやサッカーファミリーと協働しスポーツの力を通じて人権啓発の取組を推進してまいります。
2 法務大臣表彰状(ユニバーサル社会賞)
○市民グループええじゃん(Asian)(広島県廿日市市)
功績の概要
同団体は,平成16年から,日本人と外国人が互いの立場を理解し合える社会づくりを目的として,地域に在住する外国人の支援を行っている。
また,平成20年からは,外国人無料相談を開設し,在住外国人をめぐるトラブル等について相談に応じているほか,平成23年からは,FM放送や無料電話相談を利用して,外国人が日本で生活する上で必要とされる生活情報を多言語により発信している。
さらに,日本語教室や外国人の避難所体験会,市民フォーラムを開催するなどして,日本で暮らす外国人の生活の援助を行っている。
これらの活動は,共生社会(ユニバーサル社会)の実現に向けた人権擁護活動において,顕著な功績があるものとして評価された。
市民グループええじゃん(Asian)
受賞団体からのコメント(抜粋)
思いもよらない災害や事故に遭ったとき,言葉や心身のハンディを抱えた外国人や障がい者達が味わう二重三重の苦しみを防ぎ,健全な社会を築くため一市民でも出来る事。それは,関心を持ち一歩,歩み寄ることです。私達のこの小さな一歩も見逃さず評価していただいたことが大勢の一歩に繋がることを期待します。ありがとうございました。
○特定非営利活動法人女のスペース・おん(北海道札幌市)
功績の概要
同団体は,DV(ドメスティックバイオレンス)被害者を始めとした女性の抱えるあらゆる問題を解決するため,平成5年から,女性の人権を守るための様々な活動を実施している。
特に,DV被害者の自立支援活動において,平成23年から,外国籍の被害者に対する支援も行っており,会話はできても読み書きが困難な被害者のために,裁判資料等の翻訳,文書作成補助,関係機関への同行,日本語の語学教室の開催等,被害者に寄り添った活動を行っている。
これらの活動は,共生社会(ユニバーサル社会)の実現に向けた人権擁護活動において,顕著な功績があるものとして評価された。
特定非営利活動法人女のスペース・おん
受賞団体からのコメント(抜粋)
女のスペース・おんは,1993年に女性の人権ネットワークとして設立されてから,今年で22年になります。設立当初から,夫の暴力から逃れてきた母親が子どもの手を引き,黒いごみ袋の中にとりあえずの衣類を詰め込んで事務所に駆け込んできました。
命からがらDVシェルターで安全を確保したものの,シェルター退所後が当事者にとっては正念場になります。子どものこと,仕事のこと,心の回復など,地域で自立した後のサポートがなければ,当事者は子どもを抱えて一人で生きていけません。さらに,外国籍の被害者には言葉の壁が待ち受けています。私どもは,「子どもの学校からのお手紙が読めるようになる」を目標に日本語教室を行い,外国籍の当事者が地域に溶け込めるための,あらゆるサポートを行っております。
本受賞を励みに,当事者があらゆる困難を乗り越えるための支援をこれからも続けてまいりたいと思います。誠にありがとうございます。
○高松朗読会(香川県高松市)
功績の概要
同団体は,昭和59年から,視覚障害者に対して,県内外のニュースの解説や行事案内,エッセー等を朗読し録音した月刊朗読マガジンを発行し,障害者と社会を結び付ける活動を行っている。
また,平成14年から,国立ハンセン病療養所「大島青松園」の元患者らが創作した随筆,詩,俳句等を掲載した月刊誌「青松」の朗読テープを作成し,同療養所に届けている。
さらに,高齢者施設,デイサービスセンター,小学校等を訪問し,朗読劇や手作りの紙芝居を披露する活動を行っている。
これらの活動は,共生社会(ユニバーサル社会)の実現に向けた人権擁護活動において,顕著な功績があるものとして評価された。
高松朗読会
受賞団体からのコメント(抜粋)
高松朗読会は,今年で設立31年になります。今回,人権擁護功労賞特別賞(ユニバーサル社会賞)をいただき,会員一同大変うれしく思っています。今後も新たな気持ちで,朗読マガジン「あじさい」の制作と高齢者施設訪問など続けてまいります。継続は力なりを実感しています。これからも,おばちゃん・おじちゃんパワーで頑張ります。
3 全国人権擁護委員連合会会長表彰状
○株式会社有明新報社(福岡県大牟田市)
功績の概要
同社は,20年以上の永きにわたり,人権擁護委員への委嘱状交付式,法務大臣感謝状贈呈式,人権擁護委員協議会総会の開催等に関する記事を写真とともに掲載している。
また,特設人権相談については,「きょうのメモ」として毎回掲載しており,全国一斉の特設相談所についても記事として取り上げるなど,人権相談窓口及び人権擁護委員制度の周知に貢献している。
さらに,同社は,福岡法務局及び柳川人権擁護委員協議会からの取材要請に快く応じるとともに,人権の花運動等の啓発活動については優先して記事にするなど,同協議会が実施している人権啓発活動を積極的に支援している。
これらの活動は,法務省の人権擁護機関が行う人権擁護活動への支援及び協力において,顕著な功績があるものとして評価された。
株式会社有明新報社
受賞団体からのコメント(抜粋)
この度は大変名誉ある賞をいただき,誠にありがとうございます。弊社の取組を評価していただきましたこと,喜びとともに自らの責任の重さを痛感します。これからも地域社会のため,紙面を通して人権擁護の意識啓発の一助となるよう努めます。
4 法務大臣感謝状
○株式会社山形新聞社(山形県山形市)
功績の概要
同社は,昭和37年度から昭和55年度までの間,山形地方法務局及び山形県人権擁護委員連合会が実施した,中学生を対象とした「人権作文コンテスト」の後援者として審査員を派遣し,同コンテストの講評を行い,昭和56年度からは,「全国中学生人権作文コンテスト」山形県大会において,後援者として審査員を派遣し,同大会の講評を行っているほか,平成12年度からは,表彰状の贈呈を行っている。
また,同コンテストの表彰式の様子や最優秀作品を大きく紙面に掲載することにより,人権啓発活動に協力している。
さらに,法務省の人権擁護機関が実施する各種人権相談強化週間や様々な啓発活動等に関する記事を積極的に掲載し,地域住民への周知に貢献している。
これらの活動は,人権尊重思想の普及高揚と法務省の人権擁護機関が行う人権擁護活動への支援及び協力において,顕著な功績があるものとして評価された。
株式会社山形新聞社
受賞団体からのコメント(抜粋)
名誉ある賞を頂き,感謝いたします。人権の尊重は社会の基本です。当社の社是の一つに「地域密着」があり,「人権作文コンテスト」に審査員を派遣,「人権書道コンテスト」も含めて入賞者・作品を紙面掲載するなど,啓発に取り組むことはその一環であります。今後も県民の意識高揚を図り,人権を尊重する社会であり続けるよう,努めてまいります。
5 全国人権擁護委員連合会会長感謝状
○九州旅客鉄道株式会社豊後竹田駅(大分県竹田市)
功績の概要
同社は,竹田人権擁護委員協議会の人権擁護活動に深い理解を示し,平成18年から,同協議会の主催により開催している人権啓発事業「人権七夕まつり」において,竹田市の旧竹田市地域内の小学校3校及び特別支援学校1校の児童が書いた人権標語の短冊を笹に飾り付けた七夕飾りの設置場所として,駅頭及び駅構内ホームを無償提供している。
また,同事業の開催期間中,七夕飾りの維持・管理を行うなど,同協議会が実施している人権啓発活動を積極的に支援している。
これらの活動は,法務省の人権擁護機関が行う人権擁護活動への支援及び協力において,顕著な功績があると評価された。
九州旅客鉄道株式会社豊後竹田駅
受賞団体からのコメント(抜粋)
この度は,名誉ある賞を頂き,深く感謝申し上げます。
安全とサービスを基盤として「地域を元気に」を掲げ,地域の活性化に貢献し,地域とともに発展することを目指し取り組んでいる弊社といたしまして大変光栄に思います。
今後も更なる情報発信の場として積極的に努めていきたいと考えております。