CONTENTS

第3回「再犯防止キャラバン」を行いました!!

岩城法務大臣を隊長とする再犯防止キャラバン隊が,平成27年11月25日(水)及び26日(木),広島県において第3回再犯防止キャラバンを行いました。

○再犯防止キャラバンの目的や第1回(福岡),第2回(宮城)については,法務省ホームページをご覧ください。

広島県では,安全で安心な地域づくりに向けて,県や市による独自の取組(県での「『減らそう犯罪』広島県民総ぐるみ運動」の実施や,市での「少年サポートセンターひろしま」の設置など)や,地元球団に御理解・御協力をいただいて犯罪や非行をした人の立ち直り支援が進められています。

このような取組をされている方々から直接お話を伺うとともに,地域住民の方々との関係づくりについて視察させていただきました。

11月25日(水) キャラバン隊の動き

1 広島刑務所及び更生保護施設(ウィズ広島)視察

(1)広島刑務所

広島刑務所では,受刑者に対する改善指導や社会復帰に向けた就労支援だけでなく,地域貢献にも力を入れています。例えば,

  • ○地域との関係づくりのために,防犯パトロール・小学校登下校時の見守り活動・行事への参加
  • ○地域の安全安心を願い,広島東洋カープの協力を得て共同で刑務所作業製品「キラキラ反射ポーチ(夜間の交通事故防止に向けた商品)」を開発

などの取組が挙げられ,実際に「キラキラ反射ポーチ」について説明を受けました。

刑務所作業製品について説明を受ける大臣の様子

刑務所作業製品について説明を受ける大臣

その後,篤志面接委員・教誨師の方々と,受刑者等からの相談(将来に関する悩みや不安など)に対する助言や指導において,日頃感じられていることや御苦労されていること,また,高齢受刑者の増加に伴う課題について意見交換を行いました。

篤志面接委員・教誨師との意見交換会の様子

篤志面接委員・教誨師との意見交換会

(2)更生保護施設(ウィズ広島)

ウィズ広島は,高齢者・障害者に対し福祉支援等を行う施設として,また,薬物事犯者に対する専門的な処遇を行う施設として指定されており,更には全国でも数少ない男女混合施設として,入所者の特性に応じた専門的かつきめ細やかな処遇を行っています。

理事長・施設長からは,

  • ○高齢の入所者等が生活しやすいように施設のバリアフリー化工事を行ったこと
  • ○福祉等の支援を必要とする入所者には,施設職員が福祉機関等と調整するなどして,退所後に支援を受けられるようサポートしていること
  • ○入所者に対して,退所後に自立した生活を送れるよう,金銭管理の方法など,入所中の日々の生活指導等をきめ細かく行っていること

などについて説明を受けました。

更生保護施設内の手すりの様子

更生保護施設内

2 広島県知事・広島市長との意見交換

広島県や広島市には,“社会を明るくする運動”を始め,民間ボランティア(保護司,協力雇用主等)の活動への支援に御協力をいただいています。

このような御協力いただく上での問題点や課題等について御意見を伺った上で,今後,広島県・広島市と法務省がどのように協力していくことができるのかについて意見交換を行いました。

(1)広島県庁

広島県による取組の例

  • ○「日本一安全・安心な広島県」の実現を目指し,「『減らそう犯罪』広島県民総ぐるみ運動」を実施
  • ○県立総合精神保健福祉センターでの薬物依存に対する積極的な取組を実施
湯﨑知事御挨拶の様子

湯﨑知事御挨拶

湯﨑広島県知事からは以下のような御発言がありました。

  • ○青少年のインターネットに関わる問題や,高齢者を対象とした詐欺など,県民の安全・安心が脅かされているので,関係機関と連携して対応していきたい。また,ひきこもりや非行等の子供・若者に対しても,関係機関と連携した支援に力を注ぎたい。
  • ○“社会を明るくする運動”では,既に保護司を始めとした民間ボランティアと県が連携できている部分もある。また,薬物乱用防止の「ダメ。ゼッタイ。」運動へも引き続き保護司の協力を得たい。今後は,子ども・若者支援協議会での講演などをお願いしたい。

最後に,岩城大臣から湯﨑知事に総理大臣メッセージが交付されました。

湯﨑知事へ総理大臣メッセージの交付をする様子

総理大臣メッセージの交付

※意見交換の様子は全て報道に公開されるとともに,意見交換終了後,会議室内にて岩城大臣によるぶら下がり記者会見が行われました。

(2)広島市役所

広島市による取組の例

  • ○全国で初めて県警察職員と市職員が常駐する「少年サポートセンターひろしま」を市役所内に設置し,少年の非行防止から立ち直りまでの一貫した支援を実施
松井市長御挨拶の様子

松井市長御挨拶

岩城大臣挨拶の様子

岩城大臣挨拶

松井広島市長からは以下のような御発言がありました。

  • ○社会が,犯罪や非行をした人を排除するのではなく,受け入れるという宣言「犯罪に戻らない・戻さない」は,広島市としても共感するものがあり,その環境を作るために,受け手の側がきめ細やかに配慮し,心を開くことが必要である。人的資源を有効に活用するためにも,立ち直る人が増えることは大事なので,広島市においても,保護司を始めとした民間ボランティアと一緒になって立ち直りを支えられるように取り組んでいきたい。
  • ○広島市の人口は約120万人いるが,少年サポートセンターによる立ち直り支援事業の活動場所が1か所というのは少ないので,それぞれのエリアで,サポートセンターの機能の一部を発揮できるような取組を行いたい。その際には,保護司等の民間ボランティアにも協力を呼びかけたい。みんなで取り組んでいく雰囲気をつくるため,関係者の皆さんと,今まで以上に連携に努めたい。
松井市長へ総理大臣メッセージの交付をする様子

総理大臣メッセージの交付

3 広島東洋カープオーナー表敬訪問及びテレビ新広島の番組出演

(1)広島東洋カープオーナー表敬

広島東洋カープには,

  • ○刑務所作業製品の製作(キラキラ反射ポーチ)や矯正展におけるトークショーへの球団選手の出演
  • ○マツダスタジアムでの,中国地区矯正展や“社会を明るくする運動”を電光掲示板で紹介

などの御協力をいただいていることもあり,岩城大臣が松田オーナーを表敬訪問しました。

また,地域に根ざした再犯防止の取組を進めるため,地元に愛される球団の理念や取組を参考に,今後の再犯防止の広報の在り方などについて意見交換をさせていただきました。

その後,岩城大臣が松田オーナーに,ホゴちゃん(更生保護のマスコットキャラクター)を紹介し,ホゴちゃんぬいぐるみを贈呈しました。

ホゴちゃんぬいぐるみ贈呈の様子とイメージ

ホゴちゃんぬいぐるみ贈呈
(左から,ホゴちゃん,岩城大臣,松田オーナー,スラィリー(広島東洋カープキャラクター))

(2)テレビ新広島

地元テレビ局である「テレビ新広島」の夕方番組「みんなのテレビ」の生放送に岩城大臣が出演し,高齢受刑者の増加に伴い帰住先の確保が大きな課題になっている現状や,関係機関と連携し受刑者を社会福祉につなげる特別調整の取組を説明しました。

11月26日(木) キャラバン隊の動き

4 広島県立総合精神保健福祉センター視察

広島県立総合精神保健福祉センターは,心の健康の保持増進や精神障害の予防,社会復帰への支援活動等に取り組んでいる機関で,薬物依存症に悩む方からの相談にも応じています。

薬物依存者の再乱用を防止することは,再犯防止対策の重要な柱の一つでありますので,刑事施設や保護観察所が,精神保健福祉センターを始めとする地域の医療・保健・福祉機関とさらに連携していけるように意見交換を行いました。

センター長から説明を受ける大臣の様子

センター長から説明を受ける大臣

5 NPO法人広島県就労支援事業者機構会長及び更生保護関係者等との意見交換

刑務所出所者等の就労支援に御協力いただいている

  • ○山下会長,吉川事務局長(広島県就労支援事業者機構)
  • ○牧尾会長(広島県協力雇用主会連絡協議会)
  • ○塚本氏,吉田氏(協力雇用主)

と意見交換を行いました。

意見交換において,

  • ○出所者等を雇ってくれる協力雇用主を増やすためにも,協力雇用主を後押ししてくれる民間の取組を国が支援することが必要
  • ○協力雇用主が増えれば,職種の幅が広がり,雇われる側(出所者等)の希望に合う仕事が見つけやすくなることや,協力雇用主の負担の軽減にもつながること

との発言がありました。

協力雇用主等との意見交換の様子の写真

協力雇用主等との意見交換の様子

協力雇用主・広島県就労支援事業者機構・県協力雇用主会連絡協議会の方々の様子

協力雇用主・広島県就労支援事業者機構・県協力雇用主会連絡協議会の方々

岩城大臣から山下会長へ総理大臣メッセージの交付をする様子

総理大臣メッセージの交付(岩城大臣から山下会長へ)

更生保護関係団体の

  • ○間所会長(広島県保護司会連合会)
  • ○髙木理事長(更生保護法人広島県更生保護協会)
  • ○山田理事長(更生保護法人ウィズ広島)
  • ○平原理事長(更生保護法人呉清明園)
  • ○幟建会長(広島県更生保護女性連盟)
  • ○花之木会長(広島県BBS連盟)

と意見交換を行いました。

意見交換において,

  • ○より多くの人に「更生保護」を知ってもらうことが大事であるので,ホゴちゃん着ぐるみを活用したPR活動をしたり,更生保護に関わりの少ない方が出席する会議等において“社会を明るくする運動”を紹介したりしていること
  • ○更生保護サポートセンターが,保護司会,更生保護女性連盟,BBSだけでなく,民生委員,社会福祉協議会の方とも集まれる場所になっていることや,新任保護司の育成の場所だけでなく,関係機関との輪を広げる拠点にもなっていること
  • ○保護司の組織活動を活発にできるように,国からより一層の支援が必要

との発言がありました。

更生保護関係者との意見交換の様子の写真

更生保護関係者との意見交換の様子

更生保護関係者への総理大臣メッセージの交付をする様子

総理大臣メッセージの交付