オンライン広報イベント「再犯防止ってなに？」を開催しました！

令和３年１月２３日（土），再犯防止に関するオンライン広報イベント「再犯防止ってなに？～誰ひとり取り残さないまち、そこでは～」をＹｏｕＴｕｂｅ法務省チャンネルで生配信し，多くの方にご視聴いただきました。

オンライン広報イベント「再犯防止ってなに？」とは？

法務省では，皆さまに再犯防止の取組についてのご関心を深めていただくため，平成３０年度から毎年度，「再犯防止シンポジウム」を開催してきましたが，本年度は，新型コロナウイルス感染症の状況等を考慮し，オンラインでこれに代わるイベントを開催しました。

イベントでは，「国と地方が連携した再犯防止・更生支援の取組」をテーマに，フリーアナウンサーの山本舞衣子さんの司会進行の下，奈良県，愛知県，宮城県の各県で行われている再犯防止の取組をＶＴＲで紹介しながら，モデルやタレントとして活躍されているトラウデン直美さん，三重県伊勢市長の鈴木健一さん，協力雇用主の野口義弘さんらによるクロストークを行いました。

ＶＴＲで紹介した３県の取組

●奈良県の取組

奈良県では，全国の都道府県で初めて再犯防止に関する条例を制定するなど，再犯防止に関する先駆的な取組が行われています。

ＶＴＲでは，奈良県の取組として，県が費用を拠出して立ち上げた財団法人が出所者を雇用して「居場所」を提供するとともに，人手が不足する地元の協力企業に派遣し，地元の産業を生かした形で就労してもらうという取組を，現地取材に基づいて紹介しました。

また，奈良県における再犯防止の取組を首長として自ら主導されている荒井正吾知事とトラウデン直美さんが，奈良県における再犯防止の取組をテーマに対談を行いました。対談の中では，荒井知事から，「奈良県が作った財団は，いつでも帰ってこられるように，ホーム，家庭の代わりですよ，ということを前提にしている。」「好きな事業を財団の職員という立場を持ちながらしてもらうことで，普通の生活を送ってほしい。」などと，熱い思いのこもったお話をいただきました。

さらに，トラウデン直美さんが，刑務所出所後，財団に雇用されている２人の研修員と，その研修員を支える相談員を加えた座談会を行い，研修員の今の生活の状況や考えていること，これからの進路などについて語り合いました。

こうした奈良県の取組について，コメンテーターである鈴木健一市長からは，「非常に参考になる取組である。誰一人取り残さない社会を実現するというメッセージを発信し続けるとともに，地域の関係者の方々のネットワークをコーディネートしていくという役割が地方公共団体には必要である。」とのコメントがありました。

●愛知県の取組

愛知県では，法務省が実施する地域再犯防止推進モデル事業の一環として「寄り添い弁護士制度」が実施されました。これは，愛知県と県弁護士会が連携し，罪を犯した人の逮捕から社会復帰までの支援を弁護士が行うという取組です。

この取組について，コメンテーターのトラウデン直美さんから，「出所者特有の悩みについても，信頼関係のある弁護士に相談できることが，社会復帰に向けた支えとなるのではないか。」とのコメントがありました。

●宮城県の取組

宮城県では，地域再犯防止推進モデル事業として，県から委託を受けたＮＰＯ法人「ワンファミリー仙台」が，「日常生活支援センター」を開設して，再犯防止の取組を行いました。これは，社会福祉士による刑務所出所者等に対する住居に関する相談支援を中心に，軽作業等を行う活動の場の提供などの居場所作りを行うことなどを目的とした取組です。

この取組について，コメンテーターである野口義弘さんから，「反省は一人でもできるが，更生は一人ではできない。生育環境などの非行や犯罪に至った背景を紐解くことで，地域社会の方々に更生支援に対する理解を求めていきたい。」などのコメントがありました。

上川陽子法務大臣からのビデオメッセージ

イベントの最後に，上川法務大臣から視聴者の皆さまに向け，「『誰一人取り残さない社会の実現』のため，犯罪や非行から立ち直ろうとする人を地域で支える絆や，やさしいまちづくりの輪が，更に広がっていくよう，法務省としてもしっかりと取組を進めていく。」などとお伝えしました。

おわりに

休日のお昼の時間帯に生配信をご視聴いただいた皆さまに改めて感謝申し上げます。

見逃した方もご安心ください。イベントのアーカイブ配信とともに，トラウデン直美さんと荒井正吾奈良県知事の対談ノーカット版をこちらで配信しておりますので，ぜひご覧ください。