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国際知財司法シンポジウム(JSIP)フォローアップセミナー(ラオス・ミャンマー)を開催しました。

ある日のできごと

ある日,国際花子さんが商店街を歩いていると,花子さんが会社で開発した製品(緑と黒の市松模様が描かれているもの)とよく似たデザインの商品が販売されているのを見つけました。よく見ると,花子さんの会社のロゴとそっくりなロゴ(「メツキヤバイ」)も描かれていました。

花子さんが店の人に尋ねたところ,店の人は,これは花子さんの会社の製品ではなく,外国の会社から安く輸入して販売しているものだと教えてくれました。

花子さんは,一生懸命,時間をかけて開発した製品が,誰かに勝手に真似をされ,その人が大した労力もかけずにお金を稼いでいることに腹が立ち,やるせなくなってしまいました。

知的財産って何?

花子さんの例のように,誰かの発明や会社のロゴマークが他の人に勝手に使われると,発明者や会社が創作意欲を無くしたり,信用を失ったりしてしまいます。こうしたことにならないよう,日本では,発明や創作,会社のロゴマークなどは特許権,著作権,商標権などの「知的財産権」として法律で保護されています。知的財産権の保護は,産業の発展や文化の向上のために非常に重要なことです。

ところが,開発途上国の中には,知的財産権を保護する法律がない国や,たとえ法律はあっても適切に運用されていない国があります。そのような国では,偽物が売られたりして,産業の発展や文化の向上にとって障害となるだけでなく,日本を含む外国から企業がなかなか進出してこないといった問題も生じることになります。

国際知財司法シンポジウムのフォローアップセミナーを開催

法務省は,知的財産に関する各国の理解を深め,国際的な連携を強化することなどを目的に,平成29年より,関係省庁・関係機関と共に,国際知財司法シンポジウム(JSIPじぇいしっぷ)という,ASEAN(東南アジア諸国連合:東南アジア地域の10か国から成る地域協力機構)などの国を対象にしたシンポジウムを開催してきました。そして今回,このシンポジウムのフォローアップとして,ラオスとミャンマーを対象としたセミナーをオンラインで開催しました。

ラオスフォローアップセミナー(令和3年1月15日(金)開催)

外国から知的財産権を侵害する商品が輸入されたりする事態を防止するため,税関という国の機関が空港等で取締りを行っています。また,仮に国内に輸入された場合でも,裁判所に訴えて販売を中止させるなどの方法もあります。セミナーでは,日本とラオスのこうした制度・運用について,発表・意見交換を行いました。

ラオスの税関による取締りの様子

ラオスの税関による取締りの様子

日本側の発表の様子

日本側の発表の様子

ミャンマーフォローアップセミナー(令和3年1月19日(火)開催)

ブランド化した商品のブランドの価値に目をつけ,勝手に有名ブランドのロゴマークを使って不当に利益を得ることなどを防止するための法律として,商標法があります。ミャンマーでは平成31年,初めて商標法ができました。そのため,セミナーでは,関心の高い商標権をテーマとして取り上げ,模倣品に関する動画や事例を用いながら,日本とミャンマーの制度の違い等について発表・意見交換を行いました。

模倣品に関する動画上映の様子

模倣品に関する動画上映の様子

ミャンマー側の発言の様子

ミャンマー側の発言の様子