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法制度整備支援の現場から

ラオス人民民主共和国
長期専門家 山下 拓郎

ສະບາຍດີທຸກຄົນ(サバイディートックコン/皆さんこんにちは)

ラオスで実施されているJICA「法の支配発展促進プロジェクト フェーズ2」の長期専門家として本年3月に派遣されました。このプロジェクトは、2023年7月から実施されており、事実認定と法令の解釈・適用を行う能力を身につけた法律実務家を育成する基盤の形成を目標として、民法・刑法の法解釈や適用について解説した参考資料などの作成をしています。

法解釈・適用というと、法学を学んだことがある皆さんにとっては、当たり前のことで、なぜそのような基礎的なことをやっているのかと思われるかもしれません。実は、ラオスには、日本のような体系的な「法学」がまだ存在せず、法曹でも法律の解釈・適用が適切に行えているとは言い難い状況です。実際に、ラオスの方々と法的問題に関する事例検討をすることもありますが、「実務ではこのようにしている。」、「こういうふうに考えるのが普通だ。」などと条文の規定の趣旨を踏まえずに個人的な感覚を基に発言する方が相当程度いらっしゃいます。法解釈・適用が適切に行えないと、例えば、その行為が犯罪になるかが刑法上の規定に当てはまるかではなく、その事件を担当した人の個人的な感覚で決まる可能性すらあります。このプロジェクトは、このような事態にならないよう、規定の意味を解釈し、事実関係が法律の規定に当てはまるかを適切に検討できる人材を増やすことを目指しています。

このプロジェクトが始まって3年ほど経とうとしていますが、一緒に活動しているラオス人メンバーには法解釈の重要性が理解され、その意識が芽生えつつある状況です。さらに、司法省副大臣、最高人民裁判所副長官、最高人民検察院副長官、ラオス国立大学副学長など、各機関の上層部の方々からも、法解釈の重要性が語られるようになってきました。

基本法令の法解釈に関する支援は、非常に重要であり、これを盤石にすることが法の支配の発展促進、さらには、ラオスを訪れる日本の方々の安心・安全につながります。着実にこれが根付くように、これからも尽力したいと思います。

ຂອບໃຈຫຼາຍໆ(コプチャイライライ/ありがとうございます)


  • ラオス人は、Facebookで情報を取得することが多いこともあり、このプロジェクトでもFacebookページで活動の様子などの情報発信をしています。日本語でも記載していますので、ぜひ御覧ください。(https://www.facebook.com/jica.legal.laos
プロジェクトメンバーの写真

プロジェクトメンバー(左から、ミミさん、阿讃坊専門家、ポーンさん、筆者、
マリサさん、石﨑専門家、ユアさん、富田専門家)※女性は、ラオス人スタッフ

ラオスの伝統的な歓迎の儀式の写真

ラオス側関係機関(司法省、最高人民裁判所、最高人民検察院、ラオス国立大学)
の皆さんに開いていただいたラオスの伝統的な歓迎の儀式(バーシースークアン)