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第1節 再犯防止に向けた基盤の整備等

第8章 再犯防止に向けた基盤の整備等のための取組
第1節 再犯防止に向けた基盤の整備等
1 関係機関における人的・物的体制の整備

(1)関係機関における人的体制の整備【施策番号88】

 警察庁は、ストーカー事案を始めとする人身安全関連事案への迅速・的確な対応、少年非行の未然防止、暴力団員の社会復帰対策に係る体制整備を推進している。

 法務省は、高齢者や障害を有する者を始めとして、出所後に福祉的支援を要する受刑者等に対して的確な支援を行うため、矯正施設に福祉専門官等を配置している(【施策番号26】参照)。

 また、更生保護官署には、受刑者に対する重点的・継続的な生活環境の調整、満期釈放者に対する社会復帰支援の充実強化等のため、地方更生保護委員会に調整指導官を配置し、一部の保護観察所に社会復帰対策官を配置している。

 検察庁は、起訴猶予者等のうち入口支援が必要である者について、社会福祉事務所や保健医療機関、特定非営利活動法人等に受入れを依頼したりするなどの社会復帰支援業務等を担当する検察事務官を配置している。

 厚生労働省は、刑務所出所者等に対して就労支援を行う就職支援ナビゲーターをハローワークに配置している。

(2)関係機関の職員等に対する研修の充実等【施策番号89】

 警察は、ストーカー加害者への対応、非行少年に対する支援、暴力団からの離脱に向けた指導等を担当する職員に対し、実務に必要な専門的知識を習得させるための教育・研修を行っている。

 法務省における研修については【施策番号32】を参照。

 法務省及び検察庁職員の研修等への派遣については【施策番号8194】を参照。

 厚生労働省は、刑務所出所者等に対する就労支援を担当する労働局やハローワークの職員等に対して、必要な研修等を実施している。

(3)矯正施設の環境整備【施策番号90】

 法務省は、矯正施設において、医療体制の充実、バリアフリー化や各種矯正処遇の充実等のための環境整備を行うほか、老朽化した矯正施設の建替えを始め、物的体制の整備を進めている。2023年度(令和5年度)は、職業訓練等の指導を円滑に実施するための改修・修繕を行ったほか、高松刑務所等の再犯防止施策に資する施設の整備を推進した。しかしながら、矯正施設273庁(農場を含む。)のうち、105庁が現行の耐震基準制定以前に建築された施設であり、老朽化対策を必要とする施設が多く残っていることから、今後も、拘禁刑を見据えた模様替え工事等を始め、各種施策に合わせた改修・修繕を行うとともに、現行の耐震基準制定以前に建築された老朽施設の建替え・長寿命化改修等を実施することとしている。