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刑事施設の被収容者の不服審査に関する調査検討会(第284回)議事要旨


 
 日時
 令和2年9月17日(木)

 

 審査件数
検討会付議件数 審査結果
処理案相当 再調査相当 処理案不相当
10件 10件 0件 0件

 

 意見その他
 信書の発信通数の制限(申請人が願い出た親族宛の同封発信(雑誌の懸賞応募はがき8枚を同封するもの。)について,処分庁が,刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第130条に基づく発信通数制限を超える願い出であるとして,これを不許可とした措置)の取消しを求める再審査の申請について,「法務省意見相当」との結論に至ったが,4名の委員から,次のとおり意見があった。 本件措置は,処分庁が,本件応募はがきに応募上必要な事項として親族の住所氏名のほか雑誌の感想等が記載されていたことから,その記載が申請人の意思を出版社宛に伝達するものであり,各応募はがきは信書に該当するものと判断し,申請人の願い出を認めれば同法第130条に基づく発信通数制限を超えるとして不許可としたものであるところ,処分庁は,本件以前の約1年間に14回にわたって申請人が親族宛に応募はがきを同封発信することを許可しており,これは,処分庁が応募はがきを信書とは扱わず,他の者への交付等に回数制限のない同法第133条の「受刑者が作成した文書図画」として扱ってきたからだと推測される。 本件以前の応募はがきにも本件と同様に雑誌の感想等の記載があったかどうかは明らかではないが,仮にあったとすれば,処分庁は本件において応募はがきの性格についての判断を「受刑者が作成した文書図画」から「信書」に,適用法条も同法第133条からこれとは立法目的の異なる同法第130条にそれぞれ変更し,その結果,今まで許可していた同封発信を不許可とするに至ったことになる。 そのような不利益変更は,合理的な理由がなければならないことは当然であるが,そればかりでなく申請人に対する不意打ちとなる可能性のあるものであるから,それを回避するために,処分庁は受刑者に対し変更の内容,理由等について周知期間を置くなど,経過措置を執ることが強く望まれるところであった。 また,仮に本件で初めて応募はがきに雑誌の感想等を記載したものだとしても,申請人にしてみれば応募に必要な事項を記載したにすぎず,特別の記載をしたとの認識はないはずであるから,申請人が,本件についても今までと同様に同封発信が許可されるものと期待していたとしても不当な期待とまでは言えず,本件不許可処分に対して不満を抱くことも無理からぬものがある。このような事情を考慮すると,本件のような経過のある不許可処分については申請人に対する十分な理由を説明することが望まれるところであった。