刑事施設の被収容者の不服審査に関する調査検討会(第148回)議事要旨
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日時 平成25年3月21日(木)15:00 |
2 | 審査件数 |
検討会付議件数 | 審査結果 | |||
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処理案相当 | 再調査相当 | 処理案不相当 | ||
13件 | 11件 | 0件 | 2件 |
※ 付議件数13件のうち,2件は再調査案件である。 ※ 処理案不相当意見は,同一人からの再審査の申請(2件)について付されたものである。
3 | 処理案不相当案件に係る検討会の提言 |
(1) | 提言 刑事施設収容中の受刑者から提出された再審査の申請について,処分庁が申請人に科した懲罰は,これを取り消すのが相当である。 |
(2) | 提言の理由(要旨) 処分庁は,申請人が眼振等の不調を訴えて作業を拒否したことについて,正当な理由がなく,反則行為に当たるとして懲罰を科しているところ,この懲罰が科された当時における申請人の生活状況からすると,集団処遇の実施が困難であると判断すべき要因はなかったことが認められるので,作業を拒否したことについて正当な理由はないと認定したことはやむを得ないとも思われる。 しかしながら,後日行われた診察の結果,申請人には精神病性障害が認められ,病識がないことから集団処遇は困難であるという判断が示されたことに加え,申請人が従前から繰り返し同様の申出をして作業を拒否していた経緯をも踏まえると,申請人は,本件懲罰に係る反則行為をした当時においても既に同様の精神的問題を抱えていたと認めるのが相当であり,申請人においては,工場での作業を拒否することにつき正当な理由があったと認めるべきと考える。 受刑者の中には,人間関係の煩わしさから逃れるために,不合理な理由を付けて「作業拒否」の反則行為を繰り返す者が後を絶たないという現状があることは十分承知しているが,この懲罰に限っては,申請人が作業を拒否した理由が不合理なものであったと断定することは困難であり,懲罰をもって対処することが真に必要であったかという点に疑問が残ると言わざるを得ない。したがって,法務大臣は,本件再審査の申請には理由があると認めるのが相当と判断する。 |