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刑事施設の被収容者の不服審査に関する調査検討会(第171回)議事要旨


 
 日時
 平成26年5月29日(木)15:00

 

 

 審査件数
検討会付議件数 審査結果
処理案相当 再調査相当 処理案不相当
10件 9件 0件 1件

 

 処理案不相当案件に係る検討会の提言
(1)  提言
 刑事施設収容中の受刑者から提出された再審査の申請について,知人夫婦を連名の名宛人として発信することは,あらかじめ両名とも信書の発受先として届出がされていたとしても連名記載制限に抵触するとして,処分庁が申請人に対して執った年賀状の発信を制限する措置は,これを取り消すのが相当である。
(2)  提言の理由(要旨)
 処分庁において,一定数の年賀状について,通数外で発信を認める取扱いをしたことは,受刑者の円滑な社会復帰に配慮したものであると評価できる。また,施設の管理運営上の必要性から,通数外発信をする年賀状についてあらかじめ通数等を制限することには十分な理由がある。
 しかしながら,本件信書の名宛人の知人夫婦は,両名とも,申請人があらかじめ処分庁に対し信書を発受する予定がある者として届け出ていた者であり,処分庁において,事前にどのような相手であるか把握していた者と認められる。また,申請人は,年賀はがき発信控で提出したとおりに本件信書を記載したものである上,一般的に年賀状の名宛人として夫婦を連名として記載することは広く見られるところでもある。
 さらに,本件信書に記載されていた内容の詳細は明らかではないが,年頭のあいさつ程度であると思われる。
 以上の諸事情に照らせば,本件信書の発信を通数外で認めることとしても,実質的に信書の発信申請通数を無制限に認めるのと同様とはいえず,処分庁における事務負担を著しく増大させ,処分庁の検査業務に支障を生じさせるおそれがあったとは考え難い。
 以上のことから,本件信書について,連名記載制限に抵触することのみをもって発信を制限した本件措置は,形式的に過ぎるものであり,違法とまではいえないものの,上記の事情に鑑みれば,配慮を欠いた不当なものであったと評価せざるを得ない。
 したがって,法務大臣は,裁決で本件措置を取り消すことが相当である。

 

 意見その他
(1)  自弁の書籍の閲覧を禁止した措置の取消しを求める案件について,「処理案(法務省意見)相当」との結論に至ったが,委員から,「本件書籍は女性を被写体としているが,いずれも水着を着用したものであって露骨な性表現とまでは言い難く,また,申請人の受刑罪名が性犯罪でないことを踏まえると,本件書籍を閲覧させることにより申請人の性的な認知をゆがめるなど,その矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがあるとまで言えるかには疑義がある。」との意見が述べられた。
(2)  職員から違法な有形力の行使を受けた旨申告した案件について,「処理案(法務省意見)相当」との結論に至ったが,委員から,「申告人の処遇経過を踏まえると,申告人は何らかの精神疾患を有しているとも考えられるため,専門医による診療等の適切な対応が必要である。」との意見が述べられた。