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刑事施設の被収容者の不服審査に関する調査検討会(第264回)議事要旨


 
 日時
 令和元年5月30日(木)15:00

 

 審査件数
検討会付議件数 審査結果
処理案相当 再調査相当 処理案不相当
8件 8件 0件 0件

 

 意見その他
(1)  信書の受信を禁止した措置の取消しを求める再審査の申請について,「法務省意見相当」(信書の受信を禁止したことに違法又は不当な点は認められない。)との結論に至ったが,1名の委員から,「本件は,従前は申請人との間で信書の発受が許可されていた相手方について,相手方が申請人の矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがある者(以下『好ましからざる者』と言う)との意思伝達を仲介する者であると認められ,その結果相手方自身も『好ましからざる者』であるとして法128条により,相手方からの信書の受信が禁止された事案である。法128条は,信書発受の相手方に犯罪性があることなど,相手方の属性に着目して信書の発受を全面的に禁止するものであり,一旦禁止処分が行なわれた後は,その相手方との信書の発受は同条但書に該当するか否かが検討されるだけで,それに該当しなければ信書の内容を問わず基本的に禁止処分が継続されているのが実情である。同条の処分は,信書の内容に着目して信書の不適切な部分を削除,抹消し,又は全部を差し止める法129条1項に比して,より不利益の大きい処分であることは明らかである。信書の発受は,本来,表現の自由の一形態として憲法上保障されている権利であることを考慮すれば,その制限は必要最小限であるべきである。かかる視点から本件を検討した場合,従前は信書の発受が許されていた相手方を『好ましからざる者』と認定して法128条を適用するにあたっては,同条を適用する前に,より制限的でない法129条1項によって信書の一部抹消等を何回か繰り返すなどの措置をとったうえで,それでも全面的に発受を禁止する必要があるかどうかの十分な検討を行うなど,慎重な運用が望まれる。また逆に,一旦法128条の『好ましからざる者』と認定した後も,状況の変化により相手方との信書の発受を全面的に禁止する必要性が減少もしくは消滅することも考えられるから,その後の状況にも注意を払い,法128条を適用しないとする対応も必要である。」との意見が述べられた。
(2)  保護室に連行及び収容された際,職員から全身を床に押さえ付けられ,骨折させられる違法な有形力の行使を受けたとする法務大臣に対する事実の申告について,「法務省意見相当」(身体に対する違法な有形力の行使は認められない。)との結論に至ったが,1名の委員から,「被収容者を連行する途中で,被収容者が抵抗したとして制圧を行っている。連行していた職員は腕に何らかの圧力を感じて抵抗していると認識したものと思われるが,録画を見た限りでは,被収容者が明らかに抵抗していることを確認できなかった。職員が理由なく制圧したとは考えられず,相応の合理性はあると思われるが,一方で職員が主観的に抵抗を感じたらすべて制圧が可能であるとすることもできない。本事案では職員側が過剰に警戒して過剰に反応して強制力の行使を行った可能性を否定できないと感じた。」との意見が述べられた。