検索

検索

×閉じる
トップページ  >  政策・審議会等  >  省議・審議会等  >  検討会等  >  刑事施設の被収容者の不服審査に関する調査検討会 >  刑事施設の被収容者の不服審査に関する調査検討会(第291回)議事要旨

刑事施設の被収容者の不服審査に関する調査検討会(第291回)議事要旨


 
 日時
 令和3年2月4日(木)

 

 審査件数
検討会付議件数 審査結果
処理案相当 再調査相当 処理案不相当
8件 8件 0件 0件

 

 意見その他
 信書の発信を禁止された措置の取消し求める再審査の申請について,「法務省意見相当」との結論に至ったが,以下のとおり調査検討会としての意見が付された。
 本件は,申請人が提訴予定であると主張している国賠訴訟について,発信申請時には申請人と同じ刑事施設に収容されていたAに対して証言を依頼するための信書が刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第128条ただし書きの重要用務を処理するための信書に該当するかどうかが問題となった事案である。
 同条ただし書きに重要用務として例示されている「訴訟の遂行」の意味について,法務省の見解は,既に訴訟が提起されているか又は提起される蓋然性があることを前提とするものではなく,その前段階の訴訟の準備もこれに含まれることを否定するものではない。事案ごとに個別,具体的な事情を考慮して判断するというものである。
 しかし,本件の審査の申請段階における処分庁の意見は,Aが証人として採用決定がされたり,陳述書の作成を裁判所から求められた者だとする事情は認められないこと,未だ訴訟が提起されていないことなどを理由として重要用務にあたらないとしている。このことからすると,処分庁は訴訟の提起を前提としているように思われ,そうだとすれば処分庁の判断は法務省の見解と抵触する可能性がある。訴訟提起を前提とせず,事案に応じた弾力的な運用を図るためには,法務省の見解が各刑事施設に周知徹底されることが望まれる。
 また,信書の中に出所後に連絡を取るための記載など訴訟に無関係な記載があったとしても,法第128条ただし書きを適用した結果として,そのような不都合な記載を抹消し訴訟の準備等に関する記載のみを残して発信を許可することが可能であるから,できるかぎり被収容者の裁判を受ける権利に配慮した運用が望まれる。