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刑事施設の被収容者の不服審査に関する調査検討会(第301回)議事要旨

1 日時
  令和3年9月9日(木)14:00
 
2 審査件数
検討会付議件数 審査結果
処理案相当  再調査相当 処理案不相当
7件 7件 0件 0件
 
3 意見その他
(1)弁護士Aとの面会を30分で終了することを拒否した申告人を,関係庁の職員が有形力を行使して面会室から退出させたことに違法があるとする法務大臣に対する事実の申告について,「法務省意見相当」との結論に至ったが,2名の委員から以下のとおり意見が付された。
 ア 矯正局は,立会職員の対応は不適切であると栃木刑務所に対して指導するとのことであるが,面会中に法112条2号に該当するか否かにつき,立会職員自身に判断させることは,難しいものと認められるため,事前に立会職員に対して,どのような話が出たら,上司に立会いの継続について伺いを立てるか指導するなど立会職員が容易に対応できるような配慮が必要であった旨を含めて指導されたい。
 イ 本件について有形力の行使がなされたことは,面会時間が30分とされていたこと,申告人の抵抗の状況から,やむを得ないとは考える。
   しかし,本件の弁護士との面会に立会いを付したことが,申告人の抵抗を助長した可能性もあり,本件では立会いを付したこと及びその態様の是非が検討されるべきである。
   本件では,一件記録上,面会の目的に「再審,処遇問題,訴訟の遂行」と記載して申出がなされ,そもそも立会いを付するべきケースだったかの疑問も残るし,実際,面会の内容が国家賠償や刑事施設での処遇内容に関するものにわたったことが認められる。そして関係庁は,面会中に申請人が自己の受けた処遇に関して救済を求めるものに及んだ場合には立会職員は退室する旨説明して立会いについて弁護士の了承を得たというもののようであるが,記録上,当該立会職員の方に,会話の内容によって途中で立会いを中止して退室することとの明確な指示が伝えられていたとは認められない。
   したがって,仮に,本件面会人を法112条2号の弁護士とは認めず,職員の立会いを付し,面会内容が同号の内容に及んだ場合に無立会とすることとした本件対応を是認するとしても,そのような対応をする場合には,立会職員に対し,面会の内容により立会いを中止すべき旨の明確な指示を徹底すべきものである。
   さらに,このように面会の内容によって途中から立会いを中止するという方法をとる場合,その中止すべきかどうかの判断を現場の立会職員の責任に委ねてしまってよいかも問題であり,少なくとも,現場での判断が困難な場合には上司の責任において判断し,対処できるような,施設としての体制をとることが検討されるべきであろう。
(2)保護室への収容に違法があるとする法務大臣に対する事実の申告について,「法務省意見相当」との結論に至ったが,1名の委員から以下のとおり意見が付された。
 本件の令和元年9月3日の保護室への収容については,「刑務官の制止に従わず,大声又は騒音を発する」場合に「刑事施設の規律及び秩序を維持するため特に必要があるとき」との,法79条1項2号イの要件を充足するか疑問であり,少なくとも不当であると考える。
 本件記録によれば,本件において申告人は,職員Aが非常ベル通報をする前に,「お茶,交換せえー」などと大声を発し,同職員の制止に従わずにさらに「部長呼べ言うとるやろがー」などと大声を発したことが認められるが,それ以上の報告はなく,非常ベル通報後,統括職員らが駆け付けた後は大声を発しておらず,ビデオの録画からも申告人の落ち着いた様子が観察され,精神状態が著しく不安定で手が付けられないというような状況ではなかったと判断される。本来保護室への収容は,被収容者の心身に強い悪影響を及ぼすものとしてできる限り抑制的に行われるべきものであり,本件について,規律及び秩序を維持するため「特に必要があるとき」に該当するとして,申告人を保護室に収容したことの正当性には疑問がある。ちなみに,申告人の精神状態がそれほど不安定でなかったことは,保護室収容後も申告人は落ち着いており,約2時間20分で保護室収容中止となっていることからも見て取れる。
 なお,関係庁は,申告人がこれまでも同様の静穏阻害事案を「累行」していることを収容判断の一つの理由に挙げているが,規律・秩序の維持のために特に必要があるかどうかは,やはりその時点の被収容者の状態を基本に判断されるべきである。