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刑事施設の被収容者の不服審査に関する調査検討会 (第321回)議事要旨

1 日時
  令和4年10月27日(木)14:00
 
2 審査件数
検討会付議件数 審査結果
処理案相当  再調査相当 処理案不相当
27件 27件 0件 0件
 
3 意見その他
(1)保護室への収容を違法とする事実の申告について、「法務省意見相当」との結論に至ったが、2名の委員から以下のとおり意見が付された。
   本件保護室への収容の是非については、意見を留保する。
   本件においては、まず、申告人が居室において職員の制止にもかかわらず扉をたたいて騒音を発し続け、職員が非常ベル通報をしたというのであるが、監督当直者が数名の職員とともに同居室前に駆け付けた後は、申告人に「監督当直者をにらみつける動静」があったとされるものの、ビデオカメラ映像によっても、申告人が制止に従わず騒音を発し続けていた事実はなく、また格別に反抗的な言動をとっていたとも認め難い。また、保護室への連行も特段の抵抗なく行われており、保護室収容も約2時間で解除されている。
   保護室への収容は、刑事施設の規律及び秩序を維持するため特に必要があるときであることが要件とされているところ、これは、被収容者の精神状態が著しく不安定であって手が付けられないような場合に限る趣旨と解される。したがって、非常ベル通報がなされた場合であっても、監督当直者等の刑務官が現場に臨場した時点及びその後において、なお制止に従わずに大声や騒音を発しているような状況にない場合に、上記収容要件があるといえるかは疑問があり、ことに本件においては、監督当直者が駆け付けた後の申告人の言動を十分見極めることなく直ちに保護室収容を指示していると認められ、その措置については疑問を禁じ得ない。保護室への収容の被収容者の心身への影響の強さに鑑みると、非常ベル通報がなされた場合であっても、その後の状況においてなお法79条1項2号の要件が存在するかどうかを慎重に判断する運用がなされることを望むものである。
(2)保護室への収容を違法とする事実の申告について、「法務省意見相当」との結論に至ったが、1名の委員から以下のとおり意見が付された。
   本件保護室への収容の是非については、意見を留保する。
   本件においては、まず、申告人が居室において、職員から反則行為の調査に付す旨の告知を受け、「うるせえ、ぼけ。」などと大声を発し続けたというのであるが、職員の非常ベル通報により統括が数名の職員とともに当該居室の前に駆け付けた後は、申告人は統括の「問い掛けを無視し続ける」というにとどまり、申告人が制止に従わずに大声や騒音を発していた事実は認め難く、さらに保護室への連行も抵抗なく行われている。
   そして、保護室への収容は、刑事施設の規律及び秩序を維持するため特に必要があるときであることが要件とされているところ、これは、被収容者の精神状態が著しく不安定であって手が付けられないような場合に限る趣旨と解される。したがって、非常ベル通報等がなされた場合であっても、統括等の刑務官が現場に臨場した時点及びその後において、なお制止に従わずに大声や騒音を発しているような状況にない場合に、上記収容要件があるといえるかは極めて疑問である。保護室への収容の被収容者の心身への影響の強さに鑑みると、非常ベル通報がなされた場合であっても、その後の状況においてなお法79条1項2号の要件が存在するかどうかを慎重に判断する運用がなされることを望むものである。