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刑事施設の被収容者の不服審査に関する調査検討会 (第351回)議事要旨

1 日時
  令和6年9月19日(木)14:00
 
2 審査件数
検討会付議件数 審査結果
処理案相当  再調査相当 処理案不相当
21件 21件 0件 0件
 
3 意見その他
(1)電報の発信を不許可とされた措置の取消しを求める再審査の申請について、「法務省意見相当」との結論に至ったが、1名の委員から以下のとおり意見が付された。
   本件は、申請人が、提訴中の民事訴訟事件について、代理人弁護士を選任すべく、弁護士会宛てに弁護士紹介の依頼文書を2度にわたり書留発信したものの、最初の発信から3か月近く経っても返事がないことから、同弁護士会宛ての電報発信を願い出たところ、緊急性がないとして不許可とされたものである。
   不許可の判断にあたり、処分庁は、当該民事訴訟事件の進行状況をはじめ、申請人が弁護士の援助を急ぎ必要とする事情につき何ら確認をしていない(少なくとも、資料からは、それらの事情を確認したことはうかがわれない)が、本来、これらの事情を確認しなければ、実際に緊急性があるか否かを判断することはできないはずである。
   もとより、民事訴訟においては、一定の時間的制約の中で的確な訴訟行為を行うことが求められ、それができなければ、訴訟が打ち切られる等の不利益が生ずる場合もあるところ、本人訴訟でこれに対応するには限界もあることから、訴訟の局面によっては、急ぎ弁護士の介入を必要とする事態も起こりうるところである。本件においては、申請人が弁護士による法的援助の必要性を感じて弁護士会へ依頼をしてから既に約3か月が経過しており、その間も、訴訟は進行していることから、時間的な余裕が失われている可能性もある。
   そのため、本件電報発信の願い出に対しては、その時点において緊急の発信を必要とする具体的事情について確認した上で、実情を踏まえた許否の判断が行われるべきであったところ、これらの確認もしないまま不許可とした処分庁の判断は、緊急性の要件を形骸化するもので、不当と言わざるをえない。
(2)第348回において再調査相当とされた案件のうち1件については、付議を取り下げることが了承された。