刑事施設の被収容者の不服審査に関する調査検討会 (第352回)議事要旨
1 日時令和6年10月10日(木)14:00
2 審査件数
検討会付議件数 | 審査結果 | ||
処理案相当 | 再調査相当 | 処理案不相当 | |
18件 | 16件 | 2件 | 0件 |
懲罰の取消しを求める再審査の申請について、「法務省意見相当」との結論に至ったが、出席した4名の委員から以下のとおり意見が付された。
申請人は、統合失調症を有しており、入所以降、自傷行為や異常行動を繰り返している状況にあったため、精神科嘱託医から専門的な医療施設において治療することが望ましいとの所見が示されたことを受け、本件懲罰の約1年半前に現収容施設から医療刑務所に移送され、約半年間の治療を受けた後、病状が安定したものとして、現収容施設に再び入所した経緯があるとのことである。
しかしながら、申請人は、再入所以降、再び、反則行為や保護室収容事案を繰り返している状況にあり、これらの事案には申請人の統合失調症の影響があることがうかがえる。反則行為や保護室収容事案が繰り返された事情の下においては、本件懲罰に違法又は不当な点があるとまでは言えないものの、閉居罰を科すに当たっては、精神疾患を有する申請人に対して科罰することの有効性を慎重に検討する必要があったものと考える。さらに、申請人の動静からすれば、統合失調症の症状が落ち着いた状態にあるとは考えられず、改めて医療刑務所において治療を行うことも含めて、治療の方針を適切に検討することが望ましい。