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バングラデシュ人民共和国 People's Republic of Bangladesh


出典:外務省ホームページ(https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/bangladesh/index.html)

司法制度概要

司法関係機関等
裁判所
バングラデシュの裁判所は、以下のとおり設置されています。
最高裁判所
バングラデシュでは、最高裁判所が、上訴部と高等裁判部に分かれています。
上訴部(Appellate Division)が、いわゆる最高裁判所に相当し、最上級の裁判所です。
高等裁判部(High Court Division)は、いわゆる高等裁判所に相当しますが、ダッカのみにしかありません。これは、バングラデシュが以前はインド、続いてパキスタンの一部であったため、地域の最上級の裁判所がベンガル高等裁判所、続いて東パキスタン高等裁判所であった歴史的経緯によるものです。
高等裁判部は、下位の裁判所の民事・刑事事件の上訴管轄権及び憲法問題に関わる事件などについての原審管轄権を有しています。高等裁判部の判決等に対する上訴は、上訴部が管轄権を有しています。
下級裁判所
バングラデシュの下級裁判所は、個々の裁判官がそれぞれの裁判所を構成するところに特徴があります。
下記のように、民事裁判所と刑事裁判所で、上から順にそれぞれ細分化されており、訴額や訴訟の内容、地域、科すことのできる刑の重さなどにより、どの裁判所に管轄があるかが決定されています。
<民事>
第二審裁判所(地方判事裁判所(Court of District Judge)・追加地方判事裁判所(Court of Additional District Judge))
第一審裁判所(地方共同判事裁判所(Court of Joint District Judge)・上級判事補裁判所(Court of Senior Assistant Judge)・判事補裁判所(Court of Assistant Judge))
<刑事>
第二審裁判所(セッション判事裁判所(Court of Sessions Judge)・特別市セッション判事裁判所(Court of Metropolitan Sessions Judge)・追加セッション判事裁判所(Court of Additional Sessions Judge)・共同セッション判事裁判所(Court of Joint Sessions Judge))
第一審裁判所(主任治安判事裁判所(Court of Chief Judicial Magistrate)・特別市主任治安判事裁判所・追加主任治安判事裁判所(Court of Additional Chief Judicial Magistrate)・上級治安判事裁判所(第1級)(Senior Court of Judicial Magistrate, 1st Class)・治安判事裁判所(第2~3級)(Court of Judicial Magistrate, 2nd and 3rd Class))
検察
政府によって任命されます。司法長官が検事総長の地位を担っています。
英国と同様、私人による訴追が認められており、訴追権限の独占はありません。
弁護士会
バングラデシュ弁護士評議会(Bangladesh Bar Council)があります。
弁護士会(Bar Association)は、バングラデシュ弁護士評議会の認定に基づき、弁護士によって自主的に結成される団体であり、最高裁弁護士会と各地方弁護士会があります。
 
法体系
イギリスの植民地だった影響から、イギリス法(英米法)の影響を受けていると考えられます。
 
裁判制度概要
三審制を採用しています。なお、陪審制は、民事・刑事のいずれにも採用されていません。 通常の裁判所の他に、特定の事件や犯罪のみを扱う多くの特別裁判所及び審判所が存在します。
 
法曹資格の取得課程等
法学学士(LLB)の学位を取得後、10年以上の経験を有する弁護士の下で6か月間研修をした後に弁護士会が実施する試験に合格すると弁護士資格を得ることができます。弁護士から政府方申立人、検察官が任命されます。  下級裁判所の裁判官については、バングラデシュ司法委員会(Bangladesh Judicial Service Commission)が、裁判官になろうとする者の審査を行っており、同委員会が実施する司法試験(法学学士号(LLB)又は法学修士号(LLM)を取得したもので、30歳を超えない者が受験できる。)に合格し、その成績に応じて、裁判官候補者を大統領に推薦し、大統領が裁判官を任命します。

活動・成果紹介

バングラデシュは、近年、高い水準での経済成長を続けており、日本企業の進出も増加しています。
国際協力部では、2013年にバングラデシュが「法制度整備支援に関する基本方針(改訂版)」における重点8か国の一つにされたことを契機に、同国への支援に関する情報収集を行い、2016年には同国法務・司法・国会担当大臣らを招へいして共同研究を実施し、支援を開始しました。
2017年にはJICAの国別研修の支援が開始し、2024年にはJICAの法整備支援プロジェクト「司法アクセス向上のための調停・訴訟実務改善プロジェクト」が開始しており、国際協力部はこれに全面的に協力しています。
バングラデシュでは、裁判所に係属・滞留する事件数の削減が課題となっており、調停人の能力向上のための研修などを通じた調停の利用促進や訴訟実務の改善による裁判所の機能改善に向けた支援を実施しています。

ICD NEWS掲載記事

※執筆者、講演者の肩書きは、掲載当時のものです。
■バングラデシュ出張の報告(第100号 2024年11月号)【PDF】
■バングラデシュJICA新規司法アクセスプロジェクト開始報告(1)―バングラデシュの基礎情報と司法制度の概要を中心に(第100号 2024年11月号)【PDF】
■バングラデシュ出張の報告及び新規技術協力プロジェクトの概要(第96号 2023年9月号)【PDF】
■バングラデシュにおけるバックログの解消に向けての事件管理強化(2) ― 民事事件の事件管理(ケース・マネイジメント)セミナーについて ー(第92号 2022年9月号)【PDF】
■バングラデシュにおけるバックログの解消に向けての事件管理強化(1)-課題の整理:バングラデシュの司法制度の紹介と未済事件の滞留等の状況について-(第90号 2022年3月号) 【PDF】
■バングラデシュ:調停人オンライントレーニングの実施について(第89号 2021年12月号)【PDF】
■バングラデシュ・オンラインワークショップ(民事訴訟の遅延解消)(第86号 2021年3月号)【PDF】
■バングラデシュ第2回本邦研修(調停人養成、事件管理)(第78号 2019年3月号)【PDF】
■第1回バングラデシュ本邦研修(裁判外紛争解決手続(ADR)等)(第74号 2018年3月号)【PDF】
■バングラデシュ憲法における「国家政策の基本原則」規定(第70号 2017年3月号)【PDF】
■第1回日本・バングラデシュ共同研究(第70号 2017年3月号)【PDF】

この記事に関する問い合わせ先

〒196-8570
東京都昭島市もくせいの杜2-1-18国際法務総合センター
法務省法務総合研究所国際協力部
TEL 042-500-5150
FAX 042-500-5195
E-mail icdmoj@i.moj.go.jp