矯正医療の在り方に関する有識者検討会(第2回)議事概要
1 日時
平成25年9月26日(木)午前10時から午後零時まで
2 場所
法務省20階 第一会議室
3 出席者
(座長)
金澤 一郎 国際医療福祉大学大学院長
(委員)
大橋 秀夫 八王子医療刑務所長
川出 敏裕 東京大学大学院法学政治学研究科教授
見城美枝子 青森大学社会学部教授,ジャーナリスト,エッセイスト
神 洋明 弁護士
炭谷 茂 恩賜財団済生会理事長
高杉 敬久 日本医師会常任理事
福永 秀敏 (独)国立病院機構南九州病院名誉院長
(敬称略,50音順)
(参考人)
美祢社会復帰促進センター診療所長
大阪医療刑務所医療部長
(法務省)
西田博矯正局長ほか
4 議題
- 論点説明
- 参考人意見聴取
- 意見交換
5 会議経過
- 論点説明
事務局から第1回検討会における論点説明(第2回検討会資料[PDF]) - 参考人意見聴取
ア 美祢社会復帰促進センター診療所長
(ア) 外部委託の現状と課題- 診療所管理者である医師一人に全ての負担を求めるような診療所運営は長続きできない
- 現在行われている矯正医療の外部委託には大きく3つの形態があるが,いずれも契約の打切りといったリスクがあり,継続性を担保するのは困難
- 医師の新臨床研修制度により,医局の医師派遣機能が低下し,地域の医師不足は深刻な問題
- 矯正医療の改革には短期的なものと,長期的なものに区分して効果的に実施していく必要がある
- 大学の医局が矯正施設に医師を派遣するインセンティブとなるよう,厚生労働省や文部科学省のように,研究助成費のような助成を行う仕組み作りが有益
- 現行の矯正医官修学生の貸与額(月額5万4千円)が低額であり,月額20万円程度に引き上げるべき
(ア) 研修制度の意義- 柔軟性のある勤務・自由度のある研修制度を確保することにより,(1)矯正医官の社会的地位の向上,(2)医療レベルの維持,(3)地域医療への貢献・ネットワークの構築,(4)社会貢献を図ることができる(女性医師の積極的登用を含む)
- 柔軟性のある勤務・自由度のある研修の確保
- 給与の改定(ベースアップ,ベテラン医師への応分の手当)
- 矯正医療体制の充実強化(医師定員の増加,医療専門施設を中心とした医療施設の拡充)
- 定年の見直し(経験豊かな医師の確保)
- 意見交換
事務局からの論点説明及び参考人からの意見聴取を踏まえ,各委員から以下の論点に係る解決方策について議論がなされた。
ア 矯正医療の理念
(ア) 矯正医療崩壊という危機意識への共通認識- 認知度を高め,国民に情報発信する必要
- 国民全体及び社会一般の医師に対して,矯正医官のイメージアップを図る
(ア) 給与レベルの解決方策- 矯正医官の特殊性から何らかの特例措置が必要
- 夜間・休日勤務が,正規の勤務時間に含まれるような特例措置が必要
- 時間内兼業の弾力的運用が必要
- 医師の医療技術の維持,向上を図るため研修の弾力的運用が必要
- 医療専門施設の物的・質的機能の底上げを図る(矯正医療センターの早期実現,予算・増員要求)
- 定年の年齢を70歳に引上げ
(ア) 外部委託の現状と問題点- 契約打切りのリスクが高く,民間委託の継続性が担保できない
- 受刑者の診療という特殊性を考慮した何らかの措置が必要
- 国家公務員法の制約である職務専念義務により地域医療への貢献が難しいが,矯正医官も地域医療に貢献できる仕組み作りが必要
- 次回は論点に係る解決方策について,意見の骨子案を取りまとめた上,引き続き協議を行うこととされた。
- 次回検討会
平成25年11月29日(金)午後4時
6 配付資料
PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先から無料ダウンロードしてください。
リンク先のサイトはAdobe Systems社が運営しています。
※上記プラグインダウンロードのリンク先は2011年1月時点のものです。
矯正医療企画官 水元
補佐官 中田
電話 03-3580-4111
03-3592-7370(直通)