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平成11年版 犯罪白書のあらまし 〈おわりに〉

〈おわりに〉
 我が国では,刑事司法機関において,従前から,被疑者・被告人の権利を保障しつつ事案の真相を解明し,適正な事件の処理及び科刑の実現を図るとともに,犯罪者の改善更生に向けた犯罪者処遇の充実強化への取組を行ってきたが,その中で,犯罪によって痛みを 受けた被害者の立場と心情に対して配慮するよう努めてきた。それが,これまで概して治安が良好に保たれてきたことや,犯罪被害の回復等の実態調査結果にも見られるように,刑事手続の過程で相当程度被害回復が図られていることなどにもつながっているということができよう。
 しかし,近時,地下鉄サリン事件などの凶悪事件等を契機に,犯罪被害者及び遺族が犯罪による直接的な被害に加えて多様な精神的影響,生活面への影響を受けていること,その後の刑事司法過程において,いわゆる二次的被害を受けて被害者の精神的被害が更に深くなる場合があることなどが問題となっており,今回の特別調査からも,特に殺人・業過致死の遺族,性犯罪の被害者等が,精神面・生活面で深刻な影響を受けていること,性犯罪の被害者等を中心に,捜査・裁判への協力の中で様々な負担を感じる者も少なくないこと等の実態が明らかになった。
 今後とも,犯罪被害の実態を的確に把握し,刑事司法の全過程を通じて,より一層被害者の立場及び心情に配慮した運用に努めるとともに,被害者の保護・支援の観点から,刑事司法制度の改善を図ることが求められているといえよう。

● 目次
◯ 〈はじめに〉
◯ 〈第1編〉 犯罪の動向
◯ 〈第2編〉 犯罪者の処遇
◯ 〈第3編〉 少年非行の動向と非行少年の処遇
◯ 〈第4編〉 各種の犯罪と犯罪者
◯ 〈第5編〉 犯罪被害者と刑事司法
◯ 〈おわりに〉