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最近の国際テロ情勢

(4) 東南アジアにおける国際テロ関連動向

東南アジアでは,フィリピン南部を中心にISIL支持勢力の活動が激化するとともに,ISILの東南アジアへの関心の高まりがうかがわれた。特に,ISILの「東アジア」地域における指導者として承認されていた「アブ・サヤフ・グループ」(ASG)幹部イスニロン・ハピロンは,拠点とするフィリピン南部のバシラン島からミンダナオ島へひそかに移動し,南ラナオ州を拠点とするISIL支持組織「マウテ・グループ」などとの連携を進めていった。その結果,2017年5月には,両グループとその支持者,外国人戦闘員ら計数百人による同州マラウィ占拠事件が発生した。

同事件発生後,ISILは,マラウィ占拠を自組織によるモスル(イラク)占拠になぞらえて称賛するとともに,各地のISIL支持者に当該勢力への合流を呼び掛けた。実際に,こうした呼び掛けに対し,インドネシア,マレーシア及びシンガポールといった周辺国では,フィリピン南部への渡航を企図するなどの動きも見られた。ISIL支持勢力は,制圧される10月までの5か月間にわたって抵抗を続けるなど,その戦闘能力の高さを見せ付けた。

このほか,東南アジアでは,インドネシア首都ジャカルタ近郊の東ジャカルタにおける自爆テロ事件やマレーシア首都クアラルンプールにおける自動車爆弾テロ計画の摘発など,ISIL支持者によるとみられる事件も発生したほか,ミャンマーにおける「ロヒンギャ問題」では,ISIL,「アルカイダ」を始めとする国際テロ組織が声明等を発出し,「虐げられている同胞の救済」や「仏教徒への復讐」などを呼び掛けた。

東南アジアにおける国際テロ関連動向

(5) 我が国・邦人に対する国際テロの脅威

近年,海外で邦人がテロの被害に遭う事例がほぼ毎年のように発生しており,2017年も,アフガニスタンで発生した爆弾テロによって邦人2人が負傷した。

こうした邦人被害の多くは,直接,我が国権益・邦人を狙った攻撃によるものではなく,観光地や公共交通機関,イベント会場といった多数の一般市民が集まるようなソフトターゲットを対象としたテロの巻き添えとして発生したものである。そのため,多くの邦人観光客が訪れ,日系企業の拠点数も相当数に上る欧米や東南アジアでは,こうしたテロ被害の発生について,今後も十分な注意を払う必要がある。

我が国は,かねてから,「アルカイダ」やISILから繰り返し「十字軍連合」の一員としてテロの対象として名指しされているほか,G20大阪サミット(2019年開催)や2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会など,国際テロ組織にとって格好の宣伝機会ともなり得る大規模イベントを控えていることなどを踏まえると,我が国権益・邦人に対するテロへの警戒がこれまで以上に必要になっている。

我が国・邦人に対する脅威

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