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最近の国際テロ情勢

(4) アジアにおけるISIL関連動向

アジアにおいては,2014年頃から,既存のイスラム過激組織指導者らがISILへの支持や忠誠を表明するなどの動きが見られたところ,2016年1月,インドネシア首都ジャカルタにおいて,東南アジアで初のISIL関連のテロ事件となる銃撃及び自爆テロ事件(注6)が発生し,「ISILインドネシア」名の犯行声明(注7)が発出された。また,フィリピンでも,4月,同国南部・バシラン島において,イスラム過激組織「アブ・サヤフ・グループ」(ASG)のうち,ISILに忠誠を誓う一派と国軍が衝突した事件で,「ISILフィリピン」名による犯行声明が発出された。同年6月には,マレーシアでも首都クアラルンプール近郊の飲食店において,シリアに滞在するISILの戦闘員の指示に基づいて実行されたとみられる爆弾テロが発生した。

これ以外にも,2016年8月には,フィリピン南部・ミンダナオ島で発生した拘置所襲撃事件で,「ISIL東アジア」名の犯行声明も発出されており,東南アジアにおいて,ISILの影響力が拡散・浸透していることが強くうかがわれた。

さらに,バングラデシュでは,2015年10月に発生した邦人殺害事件を含め,同年9月以降,「ISILバングラデシュ」名の犯行声明が発出されるテロ事件が続発していた中,2016年7月,首都ダッカにおいて,主に外国人が利用するレストランが襲撃され,邦人7人を含む20人以上が死亡するテロ事件も発生した。

なお,アジアにおけるISIL関連テロの特徴については,コラム「アジアにおけるテロ情勢の特徴」を参照されたい。

アジアにおけるISIL関連テロ

(5) 我が国・邦人に対する国際テロの脅威

近年,海外で邦人がテロの被害に遭う事案が相次いで発生しており,2013年の在アルジェリア邦人に対するテロ事件以降,7件のテロ事件で23人が死亡し,7人が負傷している。

我が国は,かねてから,「アルカイダ」やISILから繰り返しテロの対象として名指しされているほか,「2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会」など,国際テロ組織にとって格好の宣伝機会ともなり得る大規模イベントを控えていることなどを踏まえると,我が国・邦人に対するテロの脅威には,今後も,最大限の注意を払う必要がある。

他方で,最近の邦人被害事件を見ると,バングラデシュにおける邦人殺害事件(2015年10月)などに見られるような邦人を直接の標的とした事件よりも,「ベルギー・ブリュッセルにおける連続テロ事案」(3月)のように,無差別に欧米諸国を始めとする「十字軍連合」への加害を目的としたテロに巻き込まれる形で被害に遭う事件が多く発生している。

さらに,テロの発生地が,在留邦人や我が国からの旅行者の多い欧米やアジア地域を含めた世界各地に拡散していること,また,公共交通機関や飲食店,観光地,各種イベントなど,多くの一般の人々が参集するソフトターゲットが狙われる事件が多発していることなどから,巻き添えによる被害の拡大が強く懸念されるところである。

我が国・邦人に対する脅威~邦人被害の状況~ 我が国・邦人に対する脅威~国際テロ組織による我が国への主な言及~

3 国際テロ組織などの動向

2016年は,ISILがテロの呼び掛けを強めるなど,その影響力の拡大に伴い,ISILによる又はISILに関連したテロ事件の発生が注目されたが,ISIL以外の国際テロ組織についても各地でテロ活動を続けている。本要覧では,第Ⅱ部において,こうした注目される国際テロ組織として,次図の国際テロ組織の概要等を記載しているところである。

本要覧掲載の注目される国際テロ組織

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