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世界保護観察会議の日本開催決定!

1 世界保護観察会議とは

世界保護観察会議は,社会内処遇の発展や国際ネットワークの拡大を期して,世界各国の実務家や研究者等が意見交換等を行う国際会議であり,この分野では世界最大規模のものです。平成25年に第1回会議がイギリスのロンドンで開催されて以降,隔年で開催されることとなっており,平成29年の第3回会議は,日本で開催することが決まりました。

2 第2回会議の様子

平成27年7月14日(火)から同月16日(木)まで,アメリカのロサンゼルスで第2回会議が開催され,27の国・地域から約380名が参加しました。第2回会議の内容は,アメリカやイギリスの研究者による3つの基調講演,様々な社会内処遇に関する課題等をテーマとした18か国からの発表によるワークショップで構成されていました。

(1)最新の研究について学びました-基調講演

基調講演は3名により行われ,それぞれ,

  1. 青年期の更生における新たな脳科学からの知見
  2. 精神疾患を抱える者の犯罪及び処遇
  3. デシスタンス(犯罪からの離脱)と犯罪者処遇

についての最新の知見が紹介され,いずれも日本の更生保護に関係する実務者にとって非常に参考になる内容でした。

アメリカやイギリスの研究者による3つの基調講演の様子

基調講演の様子

(2)日本の保護司制度が世界から注目-ワークショップ

ワークショップでは,18か国から発表があり,主に,デシスタンス,特別の配慮を要する者(女性・精神障害を持つ者等)への処遇,保護観察官の育成及びケア等について発表がなされました。日本代表団は,少年非行の動向や保護司制度を中心に我が国の更生保護について発表しました。日本の発表に対しては,質疑応答が活発になされ,社会内処遇における民間の積極的関与について,各国から高い関心が寄せられました。

日本代表団による発表の様子

日本代表団による発表

(3)次回会議の日本開催発表-閉会セレモニー

閉会セレモニーでは,第3回会議を日本で開催することの発表があった後,日本更生保護協会の藤本理事により,我が国の更生保護制度と民間の活動を紹介するスピーチがなされました。その後,上川法務大臣(当時)による日本開催に向けたビデオメッセージが上映され,次回の日本開催を歓迎する満場総立ちの拍手の中で閉会しました。

藤本理事によるスピーチの様子

藤本理事によるスピーチ

3 第3回会議の日本開催に向けて

世界の国々の社会内処遇関係者が一堂に集い,活発な意見交換や情報交換を通じて世界の社会内処遇全体の発展を図ろうとする関係者の強い思いを引き継ぎ,今後も,各国と連携しながら,第3回会議の成功に向けて努力していきたいと思います。

なお,世界保護観察会議については,法務省ホームページ(トップページ > 法務省の概要 > 各組織の説明 > 内部部局 > 保護局 > 「第3回世界保護観察会議の日本開催の決定について」)にも掲載していますので,そちらも参照ください。

第65回“社会を明るくする運動”中央行事「立ち直りフォーラム」が開催されました!

1 “社会を明るくする運動”とは

“社会を明るくする運動”~犯罪や非行を防止し,立ち直りを支える地域のチカラ~は,全ての国民が,犯罪や非行の防止と罪を犯した人たちの立ち直りについて理解を深め,それぞれの立場において力を合わせ,犯罪や非行のない地域社会を築こうとする法務省主唱の全国的な運動です。

2 「立ち直りフォーラム」が開催されました!

“社会を明るくする運動”強調月間の初日で「更生保護の日」である7月1日に,東京イイノホールにおいて,「立ち直りフォーラム」が開催されました。

(1)オープニングセレモニー

オープニングセレモニーでは,野沢太三全国保護司連盟理事長の開会の言葉,葉梨康弘法務副大臣(当時)の挨拶に引き続き,本運動フラッグアーティストの谷村新司さんから,本運動を支える更生保護ボランティアに向けた「応援メッセージ」を御披露いただきました。メッセージは,更生保護ボランティアを代表して野沢太三全国保護司連盟理事長に手渡されました。

メッセージを抱える谷村新司さんと野沢理事長の様子

メッセージを抱える谷村新司さんと野沢理事長

谷村新司さんのメッセージのイメージ

谷村新司さんのメッセージ【PDF】

(2)第1部「パネルディスカッション」

第1部では,より多くの方々に“社会を明るくする運動”の趣旨を知っていただくため,「立ち直りを支える女性たち」と題したパネルディスカッションを行いました。

「立ち直りを支える女性たち」パネルディスカッションの様子

パネルディスカッションの様子

本ディスカッションでは,元NHKアナウンサーでキャスターの堀潤さんにコーディネーターを務めていただき,千葉景子日本更生保護女性連盟会長,保護司の杉本典子さん,協力雇用主の仲野和子さん,更生保護施設施設長の福田順子さん,セカンドチャンスメンバーの中村すえこさんをパネリストに招き,女性としての視点を盛り込みつつ,「仕事」と「居場所」の確保をはじめとした犯罪や非行からの立ち直りに関する活動について報告がなされました。そして,それぞれの立場から,立ち直り支援の実情ややりがいを話していただいた上で,犯罪や非行をした人の立ち直りについて,社会の一員としてどのように関わっていくべきかについての意見交換がなされました。

(3)第2部「立ち直り発表会」

第2部では,「立ち直り発表会」と題し,様々な立場の方々に犯罪や非行をした人の立ち直りに関する取組を発表していただきました。

最初に,薬物依存からの回復を支援する団体である日本ダルクから,活動状況について,「薬物依存の回復に終わりはなく,今日1日断薬することが重要である」という体験談などをお話いただきました。

悠々ホルンさんのゲストライブの様子

悠々ホルンさんのゲストライブ

続いて,八王子BBS会の今多勇友会長から,BBSの概要や八王子BBSの活動について,発表いただきました。

最後に,今回のイベントの締めくくりとして,いじめや児童虐待などで悩みを抱えて苦しむ子どもたちの心情に寄り添って歌手活動をしている,悠々ホルン(ゆうゆうほるん)さんによるゲストライブが行われました。実体験をもとにして作詞した曲をギターの弾き語りで披露していただき,フォーラムの締めくくりにふさわしい盛り上がりとなりました。

3 今後とも皆様の御理解と御協力をよろしくお願いします!

今回のイベントは,更生保護ボランティアの方々を含む大勢の方々に来場いただき,大盛況となりました。これを機に更生保護や“社会を明るくする運動”についての理解が一層深まることを期待します。

当日のイベントの様子については,YouTubeの法務省動画チャンネルに掲載されていますので,ぜひ御覧ください。

第65回“社会を明るくする運動”特別企画「おかえりフォトアート2015」

1 「おかえりフォトアート2015」とは

「おかえりフォトアート2015」とは,平成27年7月1日から8月31日を応募期間として,”社会を明るくする運動”のキーワードである「おかえり」などをテーマとした写真を集め,集まった写真によってフォトモザイクアートを作成する企画です。 この企画は,一般の方に“社会を明るくする運動”に気軽に参加いただき,本運動をより身近に感じていただくことを目的として,今年度初めて行われました。「モザイクアート」とは, 色の付いたタイルやガラスなどの小片をたくさん組み合わせて,1つの絵や模様を表現するもので,それと同じことを大量の写真を使用して表現するのが「フォトモザイクアート」です。

2 たくさんのすばらしい写真が集まりました!

本企画では,

① “おかえり”という言葉をイメージさせるもの(「おかえり」と迎えてくれる家族など,身近にあるもので「おかえり」を感じるもの)

② 第65回“社会を明るくする運動”に関するもの(“社会を明るくする運動”における行事(街頭広報活動,ミニ集会,スポーツ大会等)

をテーマに設定し,広く一般の方から写真を募集しました。

企画名にちなみ,2015枚の写真を集めることを目標としていましたが,多くの方々が本企画の趣旨に賛同し,たくさんの写真を応募してくださったため,最終的には,3500枚以上の写真が集まりました!以下に,応募写真の一部を御紹介します。

「おかえりフォトアート2015」応募写真の一部イメージ

応募写真の一部

3 できあがった作品(フォトモザイクアート)がコチラ!

「おかえりフォトアート2015」フォトモザイクアート完成作品

完成作品

本広報誌の名前にもなっている「あかれんが」(法務省旧本館(赤れんが棟))を背景とした,更生保護のマスコットキャラクター「更生ペンギンのホゴちゃん」のフォトモザイクアートが完成しました!このモザイクアートを形作っているのは,皆さんが応募してくださった色とりどりの写真の数々です。写真を応募してくださった皆さんに感謝いたします。完成作品につきましては,法務省ホームページを始め,“社会を明るくする運動”の広報等様々な場面で活用していく予定です。

毎年7月の強調月間を中心に,多くの“社会を明るくする運動”に関するイベントが展開されていますので,皆さんも是非参加してみてください。