CONTENTS
平成29年版犯罪白書について

○ 犯罪白書とは?
犯罪白書は,犯罪の動向や犯罪者の処遇の状況について,統計資料等に基づいて説明しているものです。
昭和35年から毎年発刊されており,犯罪対策を検討するための基礎的な資料としての役割を担っています。
○ 犯罪情勢は?
刑法犯の認知件数(警察が被害届などを受けて犯罪の発生を把握した件数)は,平成14年に戦後最多の約285万4,000件を記録しましたが,その後は14年連続で減少し,平成28年は約99万6,000件と,戦後初めて100万件を下回りました。
平成15年からの認知件数の減少は,刑法犯の7割以上を占める窃盗の件数が大幅に減少し続けたことに伴っています。
1図 刑法犯 認知件数・検挙率の推移

平成28年に刑法犯で検挙された者の人員は,戦後最少の約22万6,000人でしたが,そのうち,65歳以上の高齢者が20.8%を占めており,高齢化が進んでいます。
2図 刑法犯 検挙人員の年齢層別構成比の推移

○ 再犯の現状は?
平成24年に刑事施設を出所した者のうち4割近くの者が,出所後の犯罪により,出所後5年以内に刑事施設に再入所しており,そのうち約半数が2年以内に刑事施設に再入所しています。
また,満期釈放者は,仮釈放者と比べて,再入率(各年の出所受刑者人員のうち刑事施設に再入所した者の人員の比率)が高いことが分かります。
3図 5年以内再入率(平成24年出所受刑者)

○ 今回の特集は?
犯罪白書では毎年特集を組んでいますが,今回は「更生を支援する地域のネットワーク」を取り上げています。
4図 再犯防止における国,地方公共団体,民間の連携

今回の特集では,再犯防止施策における民間協力・多機関連携の現状や課題等について,各種取組に直接関与している民間協力者や実務者等を広く取材してコラム等の形式で紹介するなど,ポイントを分かりやすく整理して提示しています。
5図 <参考>平成29年版犯罪白書特集コラム一覧

今後とも,広報・啓発活動を積み重ね,地域の住民や関係機関・団体の意識について,犯罪や非行をした者も同じ地域に暮らす住民であるという方向へ,少しでも近づけていくことが必要です。
そのような意識を醸成することが民間協力者との協働や多機関連携による切れ目のない,息の長い再犯防止施策を可能にし,更生を支援する地域のネットワークを強固なものにする大きな支えになると考えられます。
6図 民間協力者との協働の拡充と多機関連携の促進のサイクル

○ もっと犯罪白書の内容を知りたい場合は?
法務省のホームページで閲覧できるほか,官報販売所などで購入できます。