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邦訳版リソース・マテリアル・シリーズ
「世界の刑事司法」を発刊しました

リソース・マテリアル・シリーズとは?

「国連アジア極東犯罪防止研修所(UNAFEI、アジ研)」は、昭和37年に国連と日本国政府の協定に基づいて設立された機関で、法務省法務総合研究所が運営しています。アジ研では、主な業務として、世界の刑事司法の実務家を対象とした国際研修やセミナーを実施しています。

リソース・マテリアル・シリーズは、アジ研が実施する国際研修やセミナーで取り上げた研修テーマに関する国際的動向や専門的知見、各国の制度・実務について客員専門家や研修参加者が作成した論文等を掲載した資料集です。昭和46年の第1号の刊行以来、アジ研の国際研修で得られた知見の国際的発信において重要な役割を果たし続けてきた歴史ある出版物で、令和6年3月には第117号を発刊しました。

リソース・マテリアル・シリーズ第117号

リソース・マテリアル・シリーズ第117号

なぜ邦訳版?

アジ研が国際研修の成果物としてリソース・マテリアル・シリーズに掲載してきた資料は、世界中の専門家や実務家が刑事司法をめぐる国際的な動向や課題状況について理解を深める上で多くの有用な情報を含んでいます。しかし、掲載論文が全て英語であることから、日本の読者が簡便に参照できる資料とは言い難い面もありました。

そこで、日本国内の刑事司法に携わる政策立案・実務関係者や研究者、さらには学生など幅広い読者を対象として、多くの方々が世界の刑事司法制度に関する豊富な情報に触れられるよう、令和5年3月に邦訳版の刊行をするに至り、翌令和6年3月には第2巻を刊行しました。

日本国内で参照いただけるよう、リソース・マテリアル・シリーズ邦訳版のタイトルについては、「世界の刑事司法」としました。

邦訳版リソース・マテリアル・シリーズ「世界の刑事司法」第2巻

邦訳版リソース・マテリアル・シリーズ「世界の刑事司法」第2巻

どんな内容?

邦訳版第1巻は、リソース・マテリアル・シリーズ第113号及び第114号の掲載論文の中から論文11本を選定して日本語に翻訳しました。さらに、令和4年9月にアジ研と協力覚書を交換した欧州保護観察連合(CEP)がその発刊に関わった「保護観察-なぜ?どうやって?」(原題‟Probation. Why and How”)について、その著者の許可を経て、翻訳・掲載しました。

邦訳版第2巻は、リソース・マテリアル・シリーズ第115号及び第116号の掲載論文の中から論文7本を選定して日本語に翻訳しました。さらに、令和5年6月にアジ研と協力覚書を交換した国際司法・法の支配研究所(IIJ)がその発刊に関わった「テロ事件の被害者及び証人の保護のためにどのような法的・組織的枠組みがあるか-ブルキナファソ、ニジェール及びセネガルの実例」(原題‟What legal and institutional frameworks exist for the protection victims and witnesses in terrorism cases: Examples from Burkina Faso, Niger and Senegal”)について、その著者の許可を経て、翻訳・掲載しました。

これらの出版物は、各種イベント時の展示ブースで配布しているほか、アジ研ウェブサイトにおいて公開しています。ぜひ手に取ってお読みください。

イベント展示ブースでのリソース・マテリアル・シリーズ配布の様子

イベント展示ブースでのリソース・マテリアル・シリーズ配布の様子