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法制度整備支援の現場から
ベトナム長期派遣専門家 大西 宏道
令和6年4月26日、ベトナムのハノイにおいて、独立行政法人国際協力機構(JICA)が実施するベトナム「法整備・執行の質及び効率性向上プロジェクト」の活動の一環として、ハイレベルフォーラムが開催されました。
当日は、会場に、日本から、中野英幸法務大臣政務官、法務総合研究所長をはじめとする法務省職員、JICA理事ほかの関係者が、ベトナムから、レー・タイン・ロン司法大臣、首相府、最高人民裁判所、最高人民検察院の各副長官、共産党中央内政委員会の副委員長、ベトナム弁護士連合会の副会長ほかの関係者が参加しました(肩書は当時)。
このプロジェクトは、ベトナムの法・司法改革の促進と国家の国際競争力の強化に寄与するため、法令に当たる法規範文書制度の質及びその効果的な執行が国際標準に照らして向上することを目標として、日本政府がベトナム司法関係機関を支援しているものです。プロジェクトには、日本の法務省から、検事1名、行政官1名が派遣されているほか、弁護士1名、業務調整員1名の長期派遣専門家がいます。プロジェクトは、日頃、ベトナムにおいて、各カウンターパート機関と、調査、セミナー、ワークショップ等を実施し、ベトナムの課題を研究、討議し、具体的な解決策を検討しています。
今回のハイレベルフォーラムは、日頃、研究、討議される課題のうち、容易に解決できない課題についてハイレベルで協議することを目的として開催したものであり、日本とベトナムの関係者が、これまでの活動の成果、残されている課題等について議論を行いました。
日本のベトナムに対する法制度整備支援は、約30年の歴史があり、これまで、ベトナムにおいて、民法、民事訴訟法等の法令が制定されたほか、行政実務担当者、法曹実務家等の人材育成が図られてきました。
日本とベトナムは法制度に異なる点もありますが、法制度整備支援が国際社会の平和と安定に貢献することにつながることを期待して、日々、活動を行っています。

ハイレベルフォーラムの様子