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03 遺言書の様式等についての注意事項

遺言書の作成に当たって

【1】 民法で定められた自筆証書遺言の要件について

本制度でお預かりする遺言書は、民法(明治29年法律第89号)第968条の自筆証書によってした遺言に係る遺言書(以下「遺言書」といいます。)に限られています。

遺言書の作成に当たり、必ず守らなければならない要件は以下のとおりです。

以下の要件を満たしていない遺言書はお預かりすることができません。

    • 遺言書の全文、遺言の作成日付及び遺言者氏名を、必ず遺言者が自書し、押印します。
    • 遺言の作成日付は、日付が特定できるよう正確に記載します。
      例)「令和3年3月吉日」は不可(具体的な日付が特定できないため)。
  1. 財産目録は、自書でなく、パソコンを利用したり、不動産(土地・建物)の登記事項証明書や通帳のコピー等の資料を添付する方法で作成することができますが、その場合は、その目録の全てのページに署名押印が必要です。
  2. 書き間違った場合の訂正や、内容を書き足したいときの追加は、その場所が分かるように示した上で、訂正又は追加した旨を付記して署名し、訂正又は追加した箇所に押印します。

*参考*

(自筆証書遺言)

  1. 第968条 自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない
  2. 2 前項の規定にかかわらず、自筆証書にこれと一体のものとして相続財産(第978条第1項に規定する場合における同項に規定する権利を含む。)の全部又は一部の目録を添付する場合には、その目録については、自書することを要しない。この場合において、遺言者は、その目録の毎葉(自書によらない記載がその両面にある場合にあっては、その両面)に署名し、印を押さなければならない
  3. 3 自筆証書(前項の目録を含む。)中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない

【2】 本制度において求められる様式等について

【1】の民法上の要件に加え、本制度でお預かりする場合に、守っていただかなければならない様式のルールがあります
(法務局における遺言書の保管等に関する省令別記第1号様式)。

  1. 用紙について
    • サイズ:A4サイズ
    • 模様等:記載した文字が読みづらくなるような模様や彩色がないもの。一般的な罫線は問題ありません。
    • 余白:必ず、最低限、上部5ミリメートル、下部10ミリメートル、左20ミリメートル、右5ミリメートルの余白をそれぞれ確保してください。

    余白が確保されていない場合や、余白に1文字でも何らかの文字等がはみ出してしまっている場合は、書き直していただかなければお預かりできません。

  2. 片面のみに記載してください。

    用紙の両面に記載して作成された遺言書はお預かりできません。財産目録も同様です。

  3. 各ページにページ番号を記載してください。ページ番号も必ず余白内に書いてください。
    例)1/2、2/2(総ページ数も分かるように記載してください。)
  4. 複数ページある場合でも、ホチキス等で綴じないでください。
    スキャナで遺言書を読み取るため、全てのページをバラバラのまま提出いただきます(封筒も不要です。)。

【3】 本制度において求められる遺言書の記載上の留意事項

さらに、本制度でお預かりするための遺言書の記載上の留意事項等があります。

  1. 筆記具について
    遺言書は、長期間保存しますので、消えるインク等は使用せず、ボールペンや万年筆などの消えにくい筆記具を使用してください。
  2. 遺言者の氏名は、ペンネーム等ではなく、戸籍どおりの氏名(外国籍の方は公的書類記載のとおり)を記載しなければなりません。
    ※民法上は、本人を特定できればペンネームでも問題ないとされていますが、本制度では、遺言書の保管の申請時に提出いただく添付資料等で、申請人である遺言者本人の氏名を確認した上でお預かりするため、ペンネーム等の公的資料で確認することできない表記である場合はお預かりできません。

遺言書の様式(例)等について

1 遺言書の様式の注意事項等について

【1】から【3】までに記載した民法上の要件及び本制度を利用する上での自筆証書遺言の形式面でのルールのほか、その他の注意事項等について、以下を参照ください。

※ 法務局では、遺言書の内容に関する御相談には応じることができません。遺言書の内容について御不明な点がある場合は、弁護士等の法律の専門家に御相談ください。

遺言書の様式例

遺言書の様式例の図
※書き直しが必要となりますので、余白部分には一切何も書かないでください。
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  1. 財産目録以外は全て自書する必要があります。
  2. 1作成日付は、遺言書を作成した年月日を具体的に記載する必要があります。「○年○月吉日」などの記載は不可です。
  3. 2署名+押印が必要です。押印は、認印でも問題ありませんが、スタンプ印は避けてください。
  4. 3内容の変更・追加がある場合は、その場所が分かるように明示して、変更・追加の旨を付記して署名し、変更した場所に押印をする必要があります。
    ※変更・追加等がある場合には、書き直すことをおすすめします。署名及び押印が必要です。押印は、認印でも問題ありませんが、スタンプ印は避けてください。
  5. 4遺言者の氏名は、住民票や戸籍の記載どおりに記載してください。ペンネーム等の公的書類から確認できない記載では、お預かりすることができません。
    • 用紙は、A4サイズで、文字の判読を妨げるような地紋、彩色等のないものを使ってください。
    • 余白を必ず確保し、ページ数や変更・追加の記載を含めて、余白部分には何も記載しないでください。
    • 片面のみを使用し、裏面には何も記載しないでください
    • 長期間保存しますので、ボールペン等の容易に消えない筆記具を使ってください。
  6. 5財産の特定のためには、遺言書に財産目録を添付いただいた方が確実です。
  7. 6推定相続人(相続が開始した場合に相続人となるべき者)には「相続させる」又は「遺贈する」と記載します。
    • 推定相続人に対して、財産を「相続させる」旨の遺言をする場合は、遺言書の保管申請書の【受遺者等・遺言執行者等欄】に記載する必要はありません。
    • 推定相続人に対して、財産を「遺贈する」場合は、遺言書の保管申請書の【受遺者等・遺言執行者等欄】に受遺者として、その氏名等を記載してください。
  8. 7推定相続人以外の者には「相続させる」ではなく「遺贈する」と記載します。
    • 推定相続人以外の者に対して、財産を「遺贈する」場合は、遺言書の保管申請書の【受遺者等・遺言執行者等欄】受遺者として、その氏名等を記載してください。
  9. 8※遺言執行者については、遺言書の保管申請書の【受遺者等・遺言執行者等欄】にその氏名等を記載してください。

自書によらない財産目録の例


※書き直しが必要となりますので、余白部分には一切何も書かないでください。
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  1. 不動産の場合、所在、地番・家屋番号等により、当該物件が特定できれば、登記事項証明書の一部分や、コピーを財産目録として添付しても差し支えありません。
  2. 1財産目録は、自書する必要はありませんが、その場合は、記載のある全てのページに署名及び押印が必要です。
  3. 2各ページには本文と財産目録を合わせて、通し番号でページ数を記載してください。“1/2、2/2”のように、総ページ数の分かるよう記載してください。
    • 用紙は、A4サイズで、文字の判読を妨げるような地紋、彩色等のないものを使ってください。
    • 長期間保存しますので、財産目録としてコピー等を添付する場合、感熱紙等は避け、印字が薄かったり、不鮮明である場合は、印刷・コピーをやり直すことをお勧めします。
    • 片面のみを使用して作成してください。裏面には何も記載しないでください

※書き直しが必要となりますので、余白部分には一切何も書かないでください。
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  1. 通帳のコピーを財産目録として添付するときは、銀行名、支店名、口座名義、口座番号等が分かるページをコピーしてください。
  2. 1財産目録は、自書する必要はありませんが、その場合は、記載のある全てのページに署名及び押印が必要です。
  3. 2各ページには本文と財産目録を合わせて、通し番号でページ数を記載してください。“1/2、2/2”のように、総ページ数の分かるよう記載してください。
    • 用紙は、A4サイズで、文字の判読を妨げるような地紋、彩色等のないものを使ってください。
    • 長期間保存しますので、財産目録としてコピー等を添付する場合、感熱紙等は避け、印字が薄かったり、不鮮明である場合は、印刷・コピーをやり直すことをお勧めします。
    • 片面のみを使用して作成してください。裏面には何も記載しないでください

2 遺言書の用紙例について

遺言書の用紙例PDF

  • この用紙例を印刷して御利用いただくことが可能です。
  • 用紙例を拡大・縮小せずにA4サイズで印刷した場合に、必要な余白(左20ミリメートル以上、上・右5ミリメートル以上、下10ミリメートル以上)を確保できるようにしています。
    ただし、プリンターの機種や設定等により、印刷位置にずれが生じることがありますので、必要な余白が確保されていることを御確認の上、御利用ください。
  • 無地の用紙も、もちろん使用可能です。罫線は一例ですが、文字の判読を妨げないものである必要があります。