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実質的支配者リスト制度Q&A

令和3年9月17日
目次
1 実質的支配者リスト(実質的支配者情報一覧)について
 -1 直接保有とは何ですか。
 -2 間接保有とは何ですか。
 -3 実質的支配者を判断する際、議決権制限株式等については、どのように考えることになりますか。
 -4 法人が実質的支配者となる場合はありますか。
 -5 上場会社又はその子会社の100パーセント子会社の場合、実質的支配者は、誰になりますか。
 -6 「事業経営を実質的に支配する意思又は能力を有していないことが明らかな場合」とは、どのような場合を指しますか。
 -7 議決権の算定に当たって、自己株式は、どうなりますか。
 -8 実質的支配者リストは、誰が作成することになりますか。
 -9 実質的支配者が上場会社である場合、実質的支配者リストの「実質的支配者の本人特定事項等」欄には、どのように記載することとなりますか。
 -10 株主名簿の株主として外国人が外国語で表記されている場合、実質的支配者リストに記載する実質的支配者の表記は当該外国語でよいのですか。
 -11 実質的支配者リストに記載する実質的支配者の情報は、いつ現在のものを記載すればよいですか。
 -12  例えば、夫、妻、子が3分の1ずつ株式を保有している場合において、その実質は、夫が社長として全部出資しており、妻及び子には事業経営を実質的に支配する意思又は能力がないことが明らかとなる場合、実質的支配者は、誰になりますか。
 -13  犯収法施行規則第11条第2項第1号括弧書の規定によれば、株式会社の25%を超える議決権を有する自然人であっても、他の自然人が当該会社の議決権の50%を超える議決権を有している場合には、実質的支配者にはならない旨が定められていますが,例えば、50%超の議決権を有する自然人Aが事業経営を実質的に支配する意思又は能力を有していない者であったとしても、25%超の議決権を有する自然人Bが同号の実質的支配者にはならないのですか。
 -14 いわゆる黄金株を保有している株主について、その株主が有する議決権が25%以下であるときは、本制度の対象となる実質的支配者にはならないのですか。
 -15  議決権の算定に当たって、種類株式はどのように考えることになりますか。
 -16  例えば、50%ずつ議決権付株式を保有する法人が存在する場合において、当該法人の議決権を有する者が全て自然人であり、その議決権のいずれもが50%以下であるときは、犯収法施行規則第11条第2項第1号に定める自然人は存在しないこととなり、本制度を利用することができないのですか。
 -17  例えば、50%を超える議決権付株式を保有する法人Aと25%を超える議決権付株式を保有する自然人Bがいる場合において、Aの議決権を有する者が全て自然人であり、その議決権のいずれもが50%以下である(Aが支配法人に該当しない)ときは、誰が実質的支配者となりますか。
 -18 例えば、自然人Aが持分会社Bの資本の50%超を出資し、Bが株式会社Cの議決権の50%超を所有している場合、Cの実質的支配者として記載されるべき者は、持分会社B、自然人Aのいずれになるのでしょうか。
 -19  実質的支配者の支配法人が外国会社である場合に、本制度に係る申出をすることはできますか。
 -20  申出会社の50%を超える議決権割合を有する者が法人格を有しない社団である場合は、本制度の対象外となりますか。
 -21  国,地方公共団体、上場企業等又はその子会社を実質的支配者情報一覧に記載する場合、国籍等欄及び生年月日欄を記載する必要はありますか。
 -22  実質的支配者の本人特定事項等における議決権割合及び間接保有がある場合の別紙の支配関係図における議決権保有割合に記載すべき割合について、割り切れるが小数点以下の数値がある場合又は割り切れない場合には、(1)小数点以下を切り捨てて記載することとなるのか、(2)小数点以下を四捨五入して記載することとなるのか、又は(3)小数点第何位かまでを四捨五入して記載することになるのか、のいずれでしょうか。
 -23  実質的支配者情報一覧の別紙の支配関係図に記載する支配法人の表示は、会社の商号のみ記載すればよいのですか。また、支配法人の表示について、例えば、(株)や(有)のように略記することは認められますか。
 2 実質的支配者リストの保管及びその写しの交付の申出について
 -1 どこの登記所に申出をすることとなりますか。
 -2 本制度に係る申出は、代理人からすることができますか。
 -3 申出書及び代理権限を証する書面には、株式会社の代表者印を押印する必要はありますか。
 -4 申出は、郵送でもできますか。
 -5 送付の方法により実質的支配者リストの写しの交付を求める場合、その送付先は、どこになりますか。
 -6 外国会社は、申出をすることはできますか。
 -7 申出書に記載する利用目的は、他の機関に提出することを前提とするものに限られますか。
 -8  申出書の利用目的について、その他欄のチェックのみ記載すればよいですか。
 -9  実質的支配者情報一覧に記載されている議決権割合について、株主名簿の写し等の内容とは整合しますが、登記情報(発行済株式総数,議決権制限株式の内容及びその数)の内容とは合致していない場合(例えば、発行済株式総数に変更が生じているがその登記がされていない等)には、登記未了により合致していない旨の上申書等を添付すれば、実質的支配者情報一覧の保管等の申出をすることができますか。
 -10  公証人が発行した「申告受理及び認証証明書」については、設立後最初の事業年度を経過していない場合に限って添付することが認められているところ、当該書面を添付する場合には、設立後最初の事業年度を確認するため、定款の添付も要することとなるのでしょうか。
 -11 実質的支配者情報一覧の訂正について、何字削除何字加入などとしていわゆる見え消しの方法による訂正は認められますか 。
 -12 申出書の訂正について、何字削除何字加入などとしていわゆる見え消しの方法による訂正は認められますか 。
 3 添付書面について
 -1 株主名簿等の写しには、代表者が原本と相違ない旨を記載する必要がありますか。
 -2 実質的支配者リストと株主名簿等の写しの内容とが合致していない場合とは、どのような場合ですか。また、その理由を明らかにする書面としては、どのようなものが該当することとなりますか。
 -3  添付書面である申出会社等の株主名簿の写しについては、その抜粋を添付することはできますか。
 -4  添付書面として申出会社の全株主が記載されている株主名簿の写しを添付する場合、株主名簿の写しに記載されている株式数の合計数と登記記録における発行済株式の総数とが合致している必要がありますか。
 -5  添付された株主名簿の写しに「○年○月○日現在」のような記載がない場合でも、添付書面として利用できますか。
 -6  株主名簿の写しに「○年○月○日現在」とあり、実質的支配者情報一覧の作成年月日も同じであるが、申出日が「○年○月△日」である場合は、「○年○月△日」における株主名簿の写しの添付が必要ですか。
 -7  実質的支配者情報一覧と株主名簿の写し等の内容とが合致していない場合等には、その理由を明らかにする書面を添付しなければならないところ、当該書面として添付される定款については、当該株式会社の定款である旨及び代表者の記名は必要ですか。
 -8 実質的支配者情報一覧と株主名簿の写し等の内容とが合致していない理由を明らかにする書面として定款を添付する場合には、当該定款は、抜粋でもよいのですか 。
 -9 実質的支配者情報一覧と株主名簿の写し等の内容とが合致していない場合に規則第4条第1項第3号の規定により添付する代表者作成の証明書にはどのような内容を記載すればよいのですか。
 -10 実質的支配者情報一覧に外国人の氏名がアルファベット表記されている場合において、添付された株主名簿の写し等には、アルファベット以外の文字で氏名が表記されているときは、規則第4条第1項第3号に掲げる書面の添付により株主名簿の写し等との整合性を図る必要がありますか。
 -11 本人確認書面(規則第4条第2項,第6条)として、住民票記載事項証明書を添付する場合には、原本の添付に加えて原本と相違ない旨を記載した謄本を添付して、原本の返却を求めることはできますか。
 -12 規則第4条第2項第1号の実質的支配者の本人確認書面及び規則第6条の申出会社の代表者の本人確認書面として、市町村長が発行した印鑑証明書や戸籍の附票の写しを添付することも認められますか。
 -13 実質的支配者として、自然人とみなされるものに該当する法人が記載されている場合には、実質的支配者の本人確認書面としては、法人の登記事項証明書が該当するのですか。
 -14 支配法人が外国会社である場合の株主名簿に相当する添付書面はどのようなものになりますか。
 -15 代理人が法人である場合の代理人の権限を証する書面の一部となる当該法人の登記事項証明書については、申出書に会社法人等番号を記載することによって、その添付を省略することができますか。
 -16 代理人が法人である場合の代理人の権限を証する書面の一部となる当該法人の登記事項証明書は、作成から3か月以内のものである必要がありますか。
 -17  代理人が法人である場合の代理人の権限を証する書面の一部となる当該法人の登記事項証明書は、原本の返却が認められますか。
 4 実質的支配者リストの写しの再交付について
 -1 実質的支配者リストの写しが追加で必要になりました。再交付を受けることは可能ですか。
 -2 商業登記所に保管されている実質的支配者リストに記名した代表者が退任した場合でも、再交付の申出はできますか。
 -3 実質的支配者リストの保管の申出をした後,商号の変更や本店移転の登記をした場合は、再交付の申出をすることはできますか。
 -4 実質的支配者リストに記名した株式会社の代表者が死亡した場合、その相続人から,再交付の申出をすることはできますか。
 -5 再交付の申出は、実質的支配者リストに記名した代表者以外の代表者からもできますか。
 5 その他
 -1 実質的支配者が誰になるかが分からないときは、商業登記所で教えてくれますか。
 -2 申出をした実質的支配者リストに記載している実質的支配者が変更された場合には、申出をし直す必要はありますか。
 -3 実質的支配者リストを作成した後、申出をする前に、実質的支配者リストに記載された内容に変更を生じた場合には、どうすればよいですか。
 -4 実質的支配者情報一覧の写しの交付の申出を送付の方法によりする場合には、申出書に記載された会社の本店所在場所、申出会社の代表者の住所等に送付するとされていますが、例えば、登記記録には、これらの表示として、ビル名や部屋番号が記録されていない場合において、送付先として、ビル名や部屋番号までを付記しているようなときであっても、同一性を確認することができるとして、そのまま送付されますか。

※  本Q&Aにおける法令名は、それぞれ次のとおりです。
 ・  「規則」:商業登記所における実質的支配者情報一覧の保管等に関する規則(令和3年法務省告示第187条)
 ・  「犯収法」:犯罪による収益の移転防止に関する法律(平成19年法律第22号)
 ・  「犯収法施行令」:犯罪による収益の移転防止に関する法律施行令(平成20年政令第20号)
 ・  「犯収法施行規則」:犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則(平成20年内閣府・総務省・法務省・財務省・厚生労働省・農林水産省・経済産業省・国土交通省令第1号)
 ・ 「会社法」:会社法(平成17年法律第86号)

1 実質的支配者リスト(実質的支配者情報一覧)について

1-1 直接保有とは何ですか。


 直接保有とは、例えば、自然人Aが、甲株式会社の議決権のある株式を自ら直接有していることをいいます(犯収法施行規則第11条第3項第1号)。

 

1-2 間接保有とは何ですか。


 間接保有とは、例えば、自然人Aが、甲株式会社の株主である乙株式会社を介して間接的に甲株式会社の議決権のある株式を有していることをいいます。この場合において、間接保有というためには,自然人Aは、乙株式会社の50パーセントを超える議決権を有していることが要件となります(犯収法施行規則第11条第3項第2号)。
 

 1-3  実質的支配者を判断する際、議決権制限株式等については、どのように考えることになりますか。


 いわゆる相互保有株式(会社法第308条第1項参照)については、実質的支配者を判断する上での議決権に含むものとされています。一方、取締役、会計参与、監査役又は執行役の選任及び定款変更に関する議案(これに相当するものを含む。)の全部につき株主総会で議決権を行使することができない株式に係る議決権は、実質的支配者を判断する上での議決権から除かれるものとされています(犯収法施行規則第11条第2項第1号括弧書参照)。
 

1-4 法人が実質的支配者となる場合はありますか。

 

 本制度の対象となる実質的支配者とは、犯収法施行規則第11条第2項第1号の自然人(同条第4項の規定により自然人とみなされるものを含む。)に該当する者をいいます。
 「自然人とみなされるもの」に該当するのは、国、地方公共団体、人格のない社団又は財団、上場会社等及びその子会社です(犯収法第4条第5項、犯収法施行令第14条、犯収法施行規則第11条第4項参照)。そのため、例えば、上場会社の子会社が、甲株式会社の議決権のある株式の50パーセント超の株式を有する場合、当該子会社は甲株式会社の実質的支配者に該当することとなります。

 
1-5 上場会社又はその子会社の100パーセント子会社の場合,実質的支配者は、誰になりますか。
 

 上場会社又はその子会社は、自然人とみなされます(犯収法施行令第14条第5号参照)。そのため、上場会社又はその子会社が、100パーセント子会社の実質的支配者に該当することとなります。
 

1-6 「事業経営を実質的に支配する意思又は能力を有していないことが明らかな場合」とは、どのような場合を指しますか。


 例えば、信託銀行が信託勘定を通じて25パーセント超の議決権を有する場合、病気等により事業経営を支配する意思を欠く場合、名義上の保有者に過ぎず、他に出資金の拠出者等がいて当該議決権を有している者に議決権行使に係る決定権がない場合等が想定されます(平成27年9月警察庁・共管各省庁『「犯罪による収益の移転防止に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令案」等に対する意見の募集結果について』(https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000133365)No.97参照)。

 
1-7 議決権の算定に当たって、自己株式は,どうなりますか。

 自己株式には、議決権はありません。そのため、実質的支配者を判断する上での議決権の算定に当たって、自己株式は、議決権の総数及び保有数から除くこととなります。
 
1-8 実質的支配者リストは、誰が作成することになりますか。


 実質的支配者リストには、会社の代表者が、作成者として記名することとなります。そのため、作成者は、会社の代表者となります。
 

1-9 実質的支配者が上場会社である場合、実質的支配者リストの「実質的支配者の本人特定事項等」欄には、どのように記載することとなりますか。


 住居欄及び氏名欄には、上場会社の本店及び商号を記載することとなります。国籍等欄及び生年月日欄は、空欄となります。

 
1-10 株主名簿の株主として外国人が外国語で表記されている場合、実質的支配者リストに記載する実質的支配者の表記は当該外国語でよいのですか。


 外国人の氏名は、アルファベットで表記することとなります(漢字圏の外国人の氏名については漢字との併記可)。なお、フリガナはカタカナで表記します。
 

1-11 実質的支配者リストに記載する実質的支配者の情報は、いつ現在のものを記載すればよいですか。


 申出日から1か月以内の情報を記載することとなります。
 

1-12 例えば、夫、妻、子が3分の1ずつ株式を保有している場合において、その実質は、夫が社長として全部出資しており、妻及び子には事業経営を実質的に支配する意思又は能力がないことが明らかとなる場合,実質的支配者は、誰になりますか。


 夫のみが実質的支配者に該当することとなります。なお、この場合において、夫のみを実質的支配者として記載した実質的支配者情報一覧の保管等の申出書には,妻及び子が事業経営を実質的に支配する意思又は能力を有していない旨の代表者作成の証明書等を添付する必要があります(規則第4条第1項第3号参照)。
 

1-13 犯収法施行規則第11条第2項第1号括弧書の規定によれば、株式会社の25%を超える議決権を有する自然人であっても、他の自然人が当該会社の議決権の50%を超える議決権を有している場合には、実質的支配者にはならない旨が定められていますが、例えば、50%超の議決権を有する自然人Aが事業経営を実質的に支配する意思又は能力を有していない者であったとしても、25%超の議決権を有する自然人Bが同号の実質的支配者にはならないのですか。


 25%超の議決権を有する自然人Bは実質的支配者には該当しません。なお,この場合には、本制度の対象とはなりませんが、Bは、犯収法施行規則第11条第2項第2号の実質的支配者に該当する可能性はあります。
 

1-14 いわゆる黄金株を保有している株主について、その株主が有する議決権が25%以下であるときは、本制度の対象となる実質的支配者にはならないのですか。


 本制度の対象となる実質的支配者には該当しません。本制度は,犯収法施行規則第11条第2項第1号の実質的支配者のみを対象としています。そのため、いわゆる黄金株を保有していたとしても、25%を超える議決権を有しない場合には、形式上、同号の実質的支配者に該当しないため,本制度の対象となる実質的支配者とはならないと考えられます。なお、この場合には、本制度の対象とはなりませんが、黄金株を有する者は、犯収法施行規則第11条第2項第2号の実質的支配者に該当する可能性はあります。
 

1-15 議決権の算定に当たって、種類株式はどのように考えることになりますか。


 完全無議決権株式のほか、会社法(平成17年法律第86号)第423条第1項に規定する役員等(会計監査人を除く。)の選任及び定款の変更に関する議案の全部につき株主総会において議決権を行使することができない株式に係る議決権は、議決権の算定から除かれることとなります(犯収法施行規則第11条第2項第1号括弧書,規則第2条第3号参照)。
 

1-16 例えば、50%ずつ議決権付株式を保有する法人が存在する場合において、当該法人の議決権を有する者が全て自然人であり、その議決権のいずれもが50%以下であるときは、犯収法施行規則第11条第2項第1号に定める自然人は存在しないこととなり、本制度を利用することができないのですか。


 本制度を利用することはできません。当該自然人は、当該法人の50%超の議決権を有せず、当該法人は犯収法施行規則第11条第3項第2号に規定する支配法人に該当しないことから、申出をしようとする会社の実質的支配者の判定に当たって、当該法人が有する議決権は算定の対象となりません。この場合には、犯収法施行規則第11条第2項第2号又は第4号に定める者が実質的支配者となります。
 

1-17 例えば、50%を超える議決権付株式を保有する法人Aと25%を超える議決権付株式を保有する自然人Bがいる場合において、Aの議決権を有する者が全て自然人であり、その議決権のいずれもが50%以下である(Aが支配法人に該当しない)ときは、誰が実質的支配者となりますか。


 自然人Bが実質的支配者となります。
 

1-18 例えば、自然人Aが持分会社Bの資本の50%超を出資し、Bが株式会社Cの議決権の50%超を所有している場合、Cの実質的支配者として記載されるべき者は、持分会社B、自然人Aのいずれになるのでしょうか。


 Bは、自然人とみなされるものに該当する場合(犯収法施行規則第11条第4項、第1条第6号、犯収法第4条第5項、犯収法施行令第14条)を除き、実質的支配者には該当しません(なお、Bが自然人とみなされた場合には、Aに遡って、Aが実質的支配者になることはありません。)。また、A(Cの議決権の25%超を直接保有していないことを前提とします。)については、Bが支配法人となる場合を除き、Cの議決権を間接保有していない(犯収法施行規則第11条第3項参照)ため、本制度の対象となる実質的支配者には該当しません。 なお、Aについては、本制度の対象となる実質的支配者とはならない場合であっても、犯収法施行規則第11条第2項第2号に該当することは考えられます。
 

1-19 実質的支配者の支配法人が外国会社である場合に、本制度に係る申出をすることはできますか。


 犯収法施行規則第11条第3項第2号において、支配法人から外国会社が除かれているわけではないと考えられるため、本制度に係る申出をすることができるものと考えられます。
 

1-20 申出会社の50%を超える議決権割合を有する者が法人格を有しない社団である場合は、本制度の対象外となりますか。


 法人格を有しない社団は、自然人とみなされます(犯収法施行規則第11条第4項、第1条第6号、犯収法第4条第5項参照)ので、実質的支配者情報一覧には、当該法人格を有しない社団を実質的支配者として記載することとなります。
 

1-21  国,地方公共団体、上場企業等又はその子会社を実質的支配者情報一覧に記載する場合、国籍等欄及び生年月日欄を記載する必要はありますか。


 国籍等欄及び生年月日欄を記載する必要はありません。
 

1-22 実質的支配者の本人特定事項等における議決権割合及び間接保有がある場合の別紙の支配関係図における議決権保有割合に記載すべき割合について,割り切れるが小数点以下の数値がある場合又は割り切れない場合には、(1)小数点以下を切り捨てて記載することとなるのか、(2)小数点以下を四捨五入して記載することとなるのか、又は(3)小数点第何位かまでを四捨五入して記載することになるのか、のいずれでしょうか。


 いずれの方法で記載されていても、添付書面と整合している限りは、認められます。なお、(1)(2)によった場合において、実質的支配者情報一覧に記載された議決権割合から実質的支配者の要件を満たしていることが明らかとならないときには、小数点第2位を四捨五入して記載する方法が考えられます。
 

1-23 実質的支配者情報一覧の別紙の支配関係図に記載する支配法人の表示は、会社の商号のみ記載すればよいのですか。また、支配法人の表示について、例えば、(株)や(有)のように略記することは認められますか。


 実質的支配者情報一覧の別紙の支配関係図には、支配法人の表示として会社の商号のみ記載することで差し支えありません。 なお,(株)や(有)のように略記することはできません。

2 実質的支配者リストの保管及びその写しの交付の申出について

2-1 どこの登記所に申出をすることとなりますか。


 申出をする株式会社の本店の所在地を管轄する登記所(変更の登記等を申請する登記所と同一の登記所)に申出をすることとなります。

 

2-2 本制度に係る申出は代理人からすることができますか。


 本制度に係る申出は代理人からすることができます。

 代理人が申出をする場合には申出書には代理権限を証する書面を添付する必要があります。

 
2-3 申出書及び代理権限を証する書面には、株式会社の代表者印を押印する必要はありますか。


 押印する必要はありません。ただし申出書又は代理権限を証する書面に株式会社の代表者印(登記所届出印)が押印されている場合には申出人である会社の代表者の本人確認書面の添付を省略することができます。

 
2-4 申出は、郵送でもできますか。


 郵送により申出をすることもできます。この場合には切手を貼付し送付先を記載した返信用封筒を添付していただくこととなります。

 
2-5 送付の方法により実質的支配者リストの写しの交付を求める場合、その送付先は,どこになりますか。

 申出をした株式会社の本店の所在場所若しくは申出人欄又は代表者欄に記載されている住所のいずれかのうち、希望する送付先に送付することとなります。この場合には、希望する送付先を記載した返信用封筒(切手を貼付)を添付することとなります。
 なお、再交付の場合において、本人確認書面の添付がないとき又は申出書若しくは委任状に代表者印(登記所届出印)の押印がないときは、本店の所在場所宛てに送付することとなります。
 
2-6 外国会社は、申出をすることはできますか。

 本申出をすることができる株式会社は、我が国の会社法等の規定によって設立された内国株式会社に限られ、外国会社であって、日本における同種の会社又は最も類似する会社が株式会社であるものは、たとえ日本において登記をしている場合であっても、本申出をすることはできません。
 
2-7 申出書に記載する利用目的は、他の機関に提出することを前提とするものに限られますか。

  他の機関に提出することを前提とするものに限られません。
 
2-8 申出書の利用目的について、その他欄のチェックのみ記載すればよいですか。

  申出書の利用目的について、その他を選択する場合には、その他欄にチェックするとともに、括弧内に具体的な利用目的の記載が必要です。
 
2-9 実質的支配者情報一覧に記載されている議決権割合について、株主名簿の写し等の内容とは整合しますが、登記情報(発行済株式総数,議決権制限株式の内容及びその数)の内容とは合致していない場合(例えば,発行済株式総数に変更が生じているがその登記がされていない等)には、登記未了により合致していない旨の上申書等を添付すれば、実質的支配者情報一覧の保管等の申出をすることができますか。

  上申書等が添付されていたとしても、申出をすることはできません。
 
2-10 公証人が発行した「申告受理及び認証証明書」については、設立後最初の事業年度を経過していない場合に限って添付することが認められているところ、当該書面を添付する場合には,設立後最初の事業年度を確認するため,定款の添付も要することとなるのでしょうか。

  事業年度の確認については、定款の添付の必要はありません。
 
2-11 実質的支配者情報一覧の訂正について、何字削除何字加入などとしていわゆる見え消しの方法による訂正は認められますか。

 認められません。
 
2-12  申出書の訂正について、何字削除何字加入などとしていわゆる見え消しの方法による訂正は認められますか。

  認められます。

3 添付書面について

3-1 株主名簿等の写しには、代表者が原本と相違ない旨を記載する必要がありますか。

 その必要はありません。
 
3-2 実質的支配者リストと株主名簿等の写しの内容とが合致していない場合とは、どのような場合ですか。また、その理由を明らかにする書面としては、どのようなものが該当することとなりますか。

 会社法第109条第2項の規定による定款の定めにより議決権を行使することができない者がいる場合や会社の事業経営を実質的に支配する意思又は能力を有しない者がいる場合(犯収法施行規則第11条第2項第1号参照)などが考えられます。その理由を明らかにする書面としては,定款や上記に該当するために実質的支配者リストと株主名簿の写し等の添付書面の内容が合致していない旨が記載された代表者の作成に係る証明書(上申書)等が該当します。
 
3-3 添付書面である申出会社等の株主名簿の写しについては、その抜粋を添付することはできますか。

 添付された実質的支配者情報一覧の内容及び申出会社の登記情報と整合している限り、株主名簿は抜粋であっても差し支えありません。 なお、この場合、抜粋である旨の記載は不要です。
 
3-4 添付書面として申出会社の全株主が記載されている株主名簿の写しを添付する場合、株主名簿の写しに記載されている株式数の合計数と登記記録における発行済株式の総数とが合致している必要がありますか。

 合致している必要があります。
 
3-5 添付された株主名簿の写しに「○年○月○日現在」のような記載がない場合でも、添付書面として利用できますか。

 添付書面として利用することができます。
 
3-6 株主名簿の写しに「○年○月○日現在」とあり,実質的支配者情報一覧の作成年月日も同じであるが、申出日が「○年○月△日」である場合は、「○年○月△日」における株主名簿の写しの添付が必要ですか。

 過去の日が記載された株主名簿が必ずしも過去の株主名簿であるとは言えないため、他の添付書面と整合している限り、「年月日現在」の日付にかかわらず、申出日における株主名簿の写しが添付されたものと取り扱われます。
 
3-7 実質的支配者情報一覧と株主名簿の写し等の内容とが合致していない場合等には、その理由を明らかにする書面を添付しなければならないところ、当該書面として添付される定款については、当該株式会社の定款である旨及び代表者の記名は必要ですか。

 必要ありません。
 
3-8  実質的支配者情報一覧と株主名簿の写し等の内容とが合致していない理由を明らかにする書面として定款を添付する場合には、当該定款は、抜粋でもよいのですか。

 実質的支配者情報一覧と株主名簿の写し等の内容とが合致していない理由が明らかとなる限り、定款は抜粋でも差し支えありません。なお、この場合、抜粋である旨の記載は不要です。
 
3-9 実質的支配者情報一覧と株主名簿の写し等の内容とが合致していない場合に規則第4条第1項第3号の規定により添付する代表者作成の証明書にはどのような内容を記載すればよいのですか 。

 当該証明書には、実質的支配者に該当しない旨の記載のほか、実質的支配者に該当しない具体的な理由を記載する必要があります。
 
3-10 実質的支配者情報一覧に外国人の氏名がアルファベット表記されている場合において、添付された株主名簿の写し等には、アルファベット以外の文字で氏名が表記されているときは、規則第4条第1項第3号に掲げる書面の添付により株主名簿の写し等との整合性を図る必要がありますか。

 その必要があります。
 
3-11 本人確認書面(規則第4条第2項,第6条)として、住民票記載事項証明書を添付する場合には、原本の添付に加えて原本と相違ない旨を記載した謄本を添付して、原本の返却を求めることはできますか。

  住民票記載事項証明書の原本に限らず、その写し(本人が原本と相違ない旨を記載したもの)を添付することも認められます。
 
3-12 規則第4条第2項第1号の実質的支配者の本人確認書面及び規則第6条の申出会社の代表者の本人確認書面として、市町村長が発行した印鑑証明書や戸籍の附票の写しを添付することも認められますか。

 認められます。
 
3-13 実質的支配者として、自然人とみなされるものに該当する法人が記載されている場合には、実質的支配者の本人確認書面としては,法人の登記事項証明書が該当するのですか。

 法人の登記事項証明書が該当します。
 
3-14 支配法人が外国会社である場合の株主名簿に相当する添付書面はどのようなものになりますか。

  添付書面として認められるのは、規則第4条第2項第2号のとおりであり、それ以外の書面の添付は認められません。なお、外国会社に係る添付書面については、その一部として,訳文が必要です。
 
3-15 代理人が法人である場合の代理人の権限を証する書面の一部となる当該法人の登記事項証明書については、申出書に会社法人等番号を記載することによって、その添付を省略することができますか。

  申出書への会社法人等番号の記載によって、登記事項証明書の添付を省略することはできません。
 
3-16 代理人が法人である場合の代理人の権限を証する書面の一部となる当該法人の登記事項証明書は、作成から3か月以内のものである必要がありますか。

 必要ありません。
 
3-17 代理人が法人である場合の代理人の権限を証する書面の一部となる当該法人の登記事項証明書は、原本の返却が認められますか。

 認められます。

4 実質的支配者リストの写しの再交付について

4-1 実質的支配者リストの写しが追加で必要になりました。再交付を受けることは可能ですか。


 実質的支配者リストの写しの再交付の申出ができます。この場合に、再交付の申出ができるのは、申出をした株式会社に係る最新の申出に基づく実質的支配者リストの写しとなります。
 なお、保存されている実質的支配者リストに記載されている会社の商号、本店又は作成者である会社の代表者が変更されている場合には、再交付の申出をすることができません。この場合には、新たに実質的支配者リストを作成して、申出をすることとなります。

 
4-2 商業登記所に保管されている実質的支配者リストに記名した代表者が退任した場合でも、再交付の申出はできますか。


 実質的支配者リストに記名した代表者が退任した場合には、再交付の申出をすることができません。この場合には、新たに実質的支配者リストを作成して、申出をすることとなります。

 
4-3 実質的支配者リストの保管の申出をした後、商号の変更や本店移転の登記をした場合は、再交付の申出をすることはできますか。


 商号の変更や本店移転の登記をした場合には、再交付の申出をすることはできません。この場合には、変更後の商号等が記載された実質的支配者リストを作成した上、新たな申出をすることとなります。

 
4-4 実質的支配者リストに記名した株式会社の代表者が死亡した場合、その相続人から、再交付の申出をすることはできますか。

 実質的支配者リストに記名した株式会社の代表者が死亡した場合、その相続人から、再交付の申出をすることはできません。実質的支配者リストの写しが必要な場合には、現在の代表者が記名した実質的支配者リストを作成し、新たな申出をすることとなります。
 
4-5 再交付の申出は、実質的支配者リストに記名した代表者以外の代表者からもできますか。


 実質的支配者リストに記名した代表者が、再交付の申出時において現任の場合には、他の代表者からも再交付の申出をすることができます。

5 その他

5-1 実質的支配者が誰になるかが分からないときは、商業登記所で教えてくれますか。


 実質的支配者が誰であるかが分からないときは本制度を御利用いただけません。

 
5-2 申出をした実質的支配者リストに記載している実質的支配者が変更された場合には、申出をし直す必要はありますか。


 本制度は、任意の申出に基づいて実質的支配者リストの写しを発行するものですので、実質的支配者リストに記載されている情報に変更があった場合であっても、変更後の実質的支配者リストの保管及び写しの交付の申出をするかどうかも任意となります。新たな情報が記載された実質的支配者リストの写しを必要とする場合には、改めて申出をすることとなります。

  
5-3 実質的支配者リストを作成した後、申出をする前に、実質的支配者リストに記載された内容に変更を生じた場合には、どうすればよいですか。


 最新の情報を記載した実質的支配者リストを作成して、申出をすることをおすすめします。
 

5-4 実質的支配者情報一覧の写しの交付の申出を送付の方法によりする場合には、申出書に記載された会社の本店所在場所、申出会社の代表者の住所等に送付するとされていますが、例えば、登記記録には、これらの表示として、ビル名や部屋番号が記録されていない場合において、送付先として、ビル名や部屋番号までを付記しているようなときであっても、同一性を確認することができるとして、そのまま送付されますか。


 送付されます。