検索

検索

×閉じる

実質的支配者リスト制度Q&A

令和3年9月17日
目次
1 実質的支配者情報一覧について
 -1 直接保有とは何ですか。
 -2 間接保有とは何ですか。
 -3 実質的支配者を判断する際,議決権制限株式等については,どのように考えることになりますか。
 -4 法人が実質的支配者となる場合はありますか。
 -5 上場会社又はその子会社の100パーセント子会社の場合,実質的支配者は,誰になりますか。
 -6 「事業経営を実質的に支配する意思又は能力を有していないことが明らかな場合」とは,どのような場合を指しますか。
 -7 議決権の算定に当たって,自己株式は,どうなりますか。
 -8 実質的支配者リストは,誰が作成することになりますか。
 -9 実質的支配者が上場会社である場合,実質的支配者情報一覧の「実質的支配者の本人特定事項等」欄には,どのように記載することとなりますか。
 -10 株主名簿の株主として外国人が外国語で表記されている場合,実質的支配者情報一覧に記載する実質的支配者の表記は当該外国語でよいのですか。
 -11 実質的支配者情報一覧に記載する実質的支配者の情報は,いつ現在のものを記載すればよいですか。
 2 実質的支配者情報一覧の保管及びその写しの交付の申出について
 -1 どこの登記所に申出をすることとなりますか。
 -2 本制度に係る申出は,代理人からすることができますか。
 -3 申出書及び代理権限を証する書面には,株式会社の代表者印を押印する必要はありますか。
 -4 申出は,郵送でもできますか。
 -5 送付の方法により実質的支配者情報一覧の写しの交付を求める場合,その送付先は,どこになりますか。
 3 添付書面について
 -1 株主名簿等の写しには,代表者が原本と相違ない旨を記載する必要がありますか。
 -2 実質的支配者情報一覧と株主名簿等の写しの内容とが合致していない場合とは,どのような場合ですか。また,その理由を明らかにする書面としては,どのようなものが該当することとなりますか。
 4 実質的支配者情報一覧の写しの再交付について
 -1 実質的支配者情報一覧の写しが追加で必要になりました。再交付を受けることは可能ですか。
 -2 商業登記所に保管されている実質的支配者情報一覧に記名した代表者が退任した場合でも,再交付の申出はできますか。
 -3 実質的支配者情報一覧の保管の申出をした後,商号の変更や本店移転の登記をした場合は,再交付の申出をすることはできますか。
 -4 実質的支配者情報一覧に記名した株式会社の代表者が死亡した場合,その相続人から,再交付の申出をすることはできますか。
 -5 再交付の申出は,実質的支配者情報一覧に記名した代表者以外の代表者からもできますか。
 5 その他
 -1 実質的支配者が誰になるかが分からないときは,商業登記所で教えてくれますか。
 -2 申出をした実質的支配者情報に記載している実質的支配者が変更された場合には,申出をし直す必要はありますか。
 -3 実質的支配者情報一覧を作成した後,申出をする前に,実質的支配者情報一覧に記載された内容に変更を生じた場合には,どうすればよいですか。

1 実質的支配者情報一覧について

1-1 直接保有とは何ですか。


 直接保有とは,例えば,自然人Aが,甲株式会社の議決権のある株式を自ら直接有していることをいいます(犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則(平成20年内閣府・総務省・法務省・財務省・厚生労働省・農林水産省・経済産業省・国土交通省令第1号)第11条第3項第1号)。

 

1-2 間接保有とは何ですか。


 間接保有とは,例えば,自然人Aが,甲株式会社の株主である乙株式会社を介して間接的に甲株式会社の議決権のある株式を有していることをいいます。この場合において,間接保有というためには,自然人Aは,乙株式会社の50パーセントを超える議決権を有していることが要件となります(犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則第11条第3項第2号)。

 

 1-3  実質的支配者を判断する際,議決権制限株式等については,どのように考えることになりますか。


 いわゆる相互保有株式(会社法(平成17年法律第86号)第308条第1項参照)については,実質的支配者を判断する上での議決権に含むものとされています。一方,取締役,会計参与,監査役又は執行役の選任及び定款変更に関する議案(これに相当するものを含む。)の全部につき株主総会で議決権を行使することができない株式に係る議決権は,実質的支配者を判断する上での議決権から除かれるものとされています(犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則第11条第2項第1号括弧書参照)。

 

1-4 法人が実質的支配者となる場合はありますか。

 

 本制度の対象となる実質的支配者とは,犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則第11条第2項第1号の自然人(同条第4項の規定により自然人とみなされるものを含む。)に該当する者をいいます。

 「自然人とみなされるもの」に該当するのは,国,地方公共団体,人格のない社団又は財団,上場企業等及びその子会社です(犯罪による収益の移転防止に関する法律(平成19年法律第22号)第4条第5項,犯罪による収益の移転防止に関する法律施行令(平成20年政令第20号)第14条,犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則第11条第4項参照)。そのため,例えば,上場会社の子会社が,甲株式会社の議決権のある株式の50パーセント超の株式を有する場合,当該子会社は甲株式会社の実質的支配者に該当することとなります。
 

 
1-5 上場会社又はその子会社の100パーセント子会社の場合,実質的支配者は,誰になりますか。
 

 上場会社又はその子会社は,自然人とみなされます(犯罪による収益の移転防止に関する法律施行令第14条第5号参照)。そのため,上場会社又はその子会社が,100パーセント子会社の実質的支配者に該当することとなります。

 

1-6 「事業経営を実質的に支配する意思又は能力を有していないことが明らかな場合」とは,どのような場合を指しますか。


 例えば,信託銀行が信託勘定を通じて25パーセント超の議決権を有する場合,病気等により事業経営を支配する意思を欠く場合,名義上の保有者に過ぎず,他に出資金の拠出者等がいて当該議決権を有している者に議決権行使に係る決定権がない場合等が想定されます(平成27年9月警察庁・共管各省庁『「犯罪による収益の移転防止に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令案」等に対する意見の募集について』(https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000133365No.97参照)。

 
 
1-7 議決権の算定に当たって,自己株式は,どうなりますか。

 自己株式には,議決権はありません。そのため,実質的支配者を判断する上での議決権の算定に当たって,自己株式は,議決権の総数及び保有数から除くこととなります。

 
1-8 実質的支配者リストは,誰が作成することになりますか。


 実質的支配者リストには,会社の代表者が,作成者として記名することとなります。そのため,作成者は,会社の代表者となります。

 

1-9 実質的支配者が上場会社である場合,実質的支配者情報一覧の「実質的支配者の本人特定事項等」欄には,どのように記載することとなりますか。


 住居欄及び氏名欄には,上場会社の本店及び商号を記載することとなります。国籍等欄及び生年月日欄は,空欄となります。

 
 
1-10 株主名簿の株主として外国人が外国語で表記されている場合,実質的支配者情報一覧に記載する実質的支配者の表記は当該外国語でよいのですか。


 漢字圏以外の外国人の氏名は,アルファベットで表記することとなります。なお,フリガナはカタカナで表記します。


 

1-11 実質的支配者情報一覧に記載する実質的支配者の情報は,いつ現在のものを記載すればよいですか。


 申出日から1か月以内の情報を記載することとなります。

2 実質的支配者情報一覧の保管及びその写しの交付の申出について

2-1 どこの登記所に申出をすることとなりますか。


 申出をする株式会社の本店の所在地を管轄する登記所(変更の登記等を申請する登記所と同一の登記所)に申出をすることとなります。

 

2-2 本制度に係る申出は,代理人からすることができますか。


 本制度に係る申出は,代理人からすることができます。

 代理人が申出をする場合には,申出書には,代理権限を証する書面を添付する必要があります。

 
2-3 申出書及び代理権限を証する書面には,株式会社の代表者印を押印する必要はありますか。


 押印する必要はありません。ただし,申出書又は代理権限を証する書面に,株式会社の代表者印(登記所届出印)が押印されている場合には,申出人である会社の代表者の本人確認書面の添付を省略することができます。

 
2-4 申出は,郵送でもできますか。


 郵送により申出をすることもできます。この場合には,切手を貼付し,送付先を記載した返信用封筒を添付していただくこととなります。

 
2-5 送付の方法により実質的支配者情報一覧の写しの交付を求める場合,その送付先は,どこになりますか。

 申出をした株式会社の本店の所在場所若しくは申出人欄又は代表者欄に記載されている住所のいずれかのうち,希望する送付先に送付することとなります。この場合には,希望する送付先を記載した返信用封筒(切手を貼付)を添付することとなります。
 なお,再交付の場合において,本人確認書面の添付がないとき又は申出書若しくは委任状に代表者印(登記所届出印)の押印がないときは,本店の所在場所宛てに送付することとなります。

3 添付書面について

3-1 株主名簿等の写しには,代表者が原本と相違ない旨を記載する必要がありますか。

 その必要はありません。

 
3-2 実質的支配者情報一覧と株主名簿等の写しの内容とが合致していない場合とは,どのような場合ですか。また,その理由を明らかにする書面としては,どのようなものが該当することとなりますか。

 会社法第109条第2項の規定による定款の定めにより議決権を行使することができない者がいる場合や会社の事業経営を実質的に支配する意思又は能力を有しない者がいる場合(犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則第11条第2項第1号参照)などが考えられます。その理由を明らかにする書面としては,定款や上記に該当するために実質的支配者情報一覧と株主名簿の写し等の添付書面の内容が合致していない旨が記載された代表者の作成に係る証明書(上申書)等が該当します。

4 実質的支配者情報一覧の写しの再交付について

4-1 実質的支配者情報一覧の写しが追加で必要になりました。再交付を受けることは可能ですか。


 実質的支配者情報一覧の写しの再交付の申出ができます。この場合に,再交付の申出ができるのは,申出をした株式会社に係る最新の申出に基づく実質的支配者情報一覧の写しとなります。

 なお,保存されている実質的支配者情報一覧に記載されている会社の商号,本店又は作成者である会社の代表者が変更されている場合には,再交付の申出をすることができません。この場合には,新たに実質的支配者情報一覧を作成して,申出をすることとなります。

 
4-2 商業登記所に保管されている実質的支配者情報一覧に記名した代表者が退任した場合でも,再交付の申出はできますか。


 実質的支配者情報一覧に記名した代表者が退任した場合には,再交付の申出をすることができません。この場合には,新たに実質的支配者情報一覧を作成して,申出をすることとなります。

 
4-3 実質的支配者情報一覧の保管の申出をした後,商号の変更や本店移転の登記をした場合は,再交付の申出をすることはできますか。


 商号の変更や本店移転の登記をした場合には,再交付の申出をすることはできません。この場合には,変更後の商号等が記載された実質的支配者情報一覧を作成した上,新たな申出をすることとなります。

 
4-4 実質的支配者情報一覧に記名した株式会社の代表者が死亡した場合,その相続人から,再交付の申出をすることはできますか。

 実質的支配者情報一覧に記名した株式会社の代表者が死亡した場合,その相続人から,再交付の申出をすることはできません。実質的支配者情報一覧の写しが必要な場合には,現在の代表者が記名した実質的支配者情報一覧を作成し,新たな申出をすることとなります。

 
4-5 再交付の申出は,実質的支配者情報一覧に記名した代表者以外の代表者からもできますか。


 実質的支配者情報一覧に記名した代表者が,再交付の申出時において現任の場合には,他の代表者からも再交付の申出をすることができます。

5 その他

5-1 実質的支配者が誰になるかが分からないときは,商業登記所で教えてくれますか。


 実質的支配者が誰であるかが分からないときは,本制度を御利用いただけません。

 
5-2 申出をした実質的支配者情報に記載している実質的支配者が変更された場合には,申出をし直す必要はありますか。


 本制度は,任意の申出に基づいて実質的支配者情報一覧の写しを発行するものですので,実質的支配者情報一覧に記載されている情報に変更があった場合であっても,変更後の実質的支配者情報一覧の保管及び写しの交付の申出をするかどうかも任意となります。新たな情報が記載された実質的支配者情報一覧の写しを必要とする場合には,改めて申出をすることとなります。
 

 
5-3 実質的支配者情報一覧を作成した後,申出をする前に,実質的支配者情報一覧に記載された内容に変更を生じた場合には,どうすればよいですか。


 最新の情報を記載した実質的支配者情報一覧を作成して,申出をすることをおすすめします。